落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

映画に出てくるインスタントラーメンはなぜうまそうなのか

2009年07月20日 | movie
『この愛の果てに』

ルームメイト・サイラスの影響でドラッグを覚え、売春に手を染めるようになった22歳のミン。見兼ねた恋人のヤンの通報で逮捕され更生施設に送られ、そこで兄弟分のクンとめぐりあう。

うーん。救いがない(爆)。
だって誰も幸せになれなくて、最終的には全員ダメになっちゃうんだよ・・・。
主人公のミンがいったい何をどうしたいのか、目的がないとしても何に怒っているのか、ストーリーの核となる部分がなかなか見えない。
彼の怒り(明らかに何かに怒り、反発している)がセクシュアリティや冒頭で起きる大事件とどれだけ関わりがあるのかが、画面からは知ることができない。友人に流されるままにドラッグに手を出し、誘われるがままに身体を売るのに、まったく何の躊躇も迷いもないのがなぜなのかもわからない。彼がいったい何に抑圧され、葛藤しているのかがぐりには最後まで理解できなかった。
それでもなんとなく観ていて自然につりこまれていくのはやっぱり、主人公ミンのキャラクターによるところが大きいと思う。主演俳優の名前がよくわからないんだけど、これが笑っちゃうくらい劉燁(リウ・イエ)そっくりなんだよ(笑)。もろそのまんま小柄で細面の劉燁って感じで、目つきや仕草や身のこなしまで似ている。あの頼りなさそうでいて力強いような不思議な眼差しで上目遣いに相手をじっと見つめる表情なんて瓜二つです。一見純朴なよーでばっちりとエロなとこなんかも同じ。

それでその彼を登場人物全員がとにかくどうにかしたくてしたくてしょうがなくて、そして結果的にずぶずぶと泥沼に巻き込まれてく、とまあそんなよーな話です。ええ。救い、ないですね(笑)。
いや、ホントなのよ。だってルームメイトのサイラスはミンのせいでヤンにタレこまれてお縄になっちゃうし、ヤンはミンにどんだけ尽くしてもせいぜい金づる程度にしか思われてない。クンはミンと離れられないばっかりにせっかく更生しかけた道を踏み誤るし、クンのガールフレンド・ジャッキーでさえミンのせいで恋人との将来を棒にふってしまう。ミンがそれだけ魅力的とゆーか、小悪魔的とゆーことなんだろーけど、映画そのもののスタンスが「悪魔的な美青年の裏道人生」的な雰囲気ではないのが中途半端に思える。それならそれで割りきってやってくれた方が観てる方はラクなんですけどね。

この映画も音楽がチープ。とゆーか音響設計自体がチープ。予算がないのはわかるけど、環境音くらいちゃんと入れてほしかったです。なんかもっそい、つくりかけの途中の映像を見せられてるみたいで落ち着かないったらありゃせんですよ。


ネットに落ちてた撮影現場の画像。右がサイラス役、左がミン役。劉燁やんけ。違うけど。でも服装までもがー。ぷぷぷ。

先日観た4本もそのうち日を改めてレビュー書こうと思います。あれだけじゃいくらなんでもねー。と反省中。
ところで今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭、サイトにゲスト情報がほぼまったく載ってない。フライヤーもしかり。なんで?どーゆーことなんでしょー?まあいいけどねえ・・・。