ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

白野の月

2008年10月08日 | 千伝。
小学生の頃に観たNHKの大河ドラマ「源義経」で武蔵坊弁慶が、衣川の合戦で、義経を守る為に盾となり頭や体中に何十本もの矢を受けて立往生した鮮烈なシーンがありました。

翌日、そのシーンが、小学校の教室で話題になったことを思い出します。

はじめて、ドラマの演出、役者さんに想いを馳せた出来事だったかもしれません。

その時の弁慶役の役者さんが、緒形拳さんでした。

そして、その時の演出が、先日亡くなられた吉田直哉さんでした。

東京の愛宕山にあるNHK放送博物館で、民放を交えたシンポジウムがあり、パネラーとして出席、発言されていた吉田さんの在りし日を思い浮かべています。

ところで、高倉健さんが義理人情に耐えて律儀を大切にする寡黙で善人な日本男児を演じるならば、緒形拳さんは鬼畜生の殺人鬼から仏道修行者、警察官まで独特の配分で演じられる役者さんでした。

小生の叔父と雰囲気が似ている緒形拳さんは、親しみのある大好きな俳優の一人でした。

昔、父が、どこでフランス映画を観たのか、折に触れて、よく言い聞かせてくれていたフランスの悲しい恋愛物語がありました。

ある年齢になるまで、それが「ノートルダム寺院のせむし男」の話かなぁと思っていると、実は、大きな鼻を持つ男(シラノ)のこれまた悲しい恋物語でした。

緒形拳さんのひとり舞台「白野」を、観ることが出来ないのが残念です。

お二人さまのご冥福をお祈り致します。

合掌。

今日一日、あなたに沢山好い事がありますように。