OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

?とザ・ミステリアンズの確信

2011-11-11 15:34:04 | Rock

96つぶの涙 / ? & The Mysterians (Cameo / 日本ビクター)

度々書いてきましたが、楽曲が先にあっての「実態の無いバンド」による狙い撃ちのヒットは業界の常套手段であったのが、ひとつのロケンロール!?!

しかし、それを逆手に活かしたのが本日ご紹介の覆面バンド(?)が如き、クェスチョンマークとザ・ミステリアンズでした。

なにしろ件のシングルヒット曲「96粒の涙 / 96 Tears」は、日本盤ジャケットに代表されるピクチャースリーヴからして、美女を登場させたムード系イージーリスニングの趣ながら、中身はパンキッシュなオルガンをキャッチーなキメに使ったサイケデリックロックなんですから、これほどの確信犯は無いでしょう!

もちろんサイケおやじは昭和42(1967)年のリアルタイムにラジオで聴いて、それこそハートを鷲掴みにされ、さらにレコード屋でシングル盤を見た瞬間、その落差の大きさに唖然とさせられた記憶が今も鮮烈です。

実はクェスチョンマークとザ・ミステリアンズは当時の洋楽雑誌でも、それほどはっきりした写真が無かったようで、一応はリードボーカルが「?」という人だったんでしょうが、確かサングラス姿だったような……。

そしてバンドは5人組ながら、その詳細もわからず、これはきっとスタジオミュージシャンによる「実態の無いバンド」だと、1970年代までのサイケおやじは思い込んでいました。

ところがクェスチョンマークとザ・ミステリアンズは、最初っから立派にオリジナルのバンドが存在しており、メンバーはルディ・マルチネス(vo)、ボビー・ボールダマラ(g)、フランク・ロドリゲス(org)、フランク・ルーゴウ(b)、エディ・セラート(ds) の面々が堂々と全てをやっていた事実を後に知ってみれば、自らの不明を恥じいるばかりです。

というよりも、この「96粒の涙 / 96 Tears」の作者でもあるルディ・マルチネスが匿名性を打ち出すという手法に拘り、自らを「?」と名乗っているところに幾分の「あざとさ」があったにせよ、結果的に大ヒットとなれば、それは所謂「勝てば官軍」ってやつでしょうか。

また楽曲のキャッチーさ、そして演奏そのもののシンプルな構成はアマチュアバンドの御用達でもあり、それはジョン・ロードやキース・エマーソンは無理でも、それなりにキーボードの見せ場が作れるというポイントも嬉しいところでした。

ということで、クェスチョンマークとザ・ミステリアンズは、まあ、これだけで終わってしまった感があるものの、それでも「96粒の涙 / 96 Tears」はロックの古典曲になっていると思います。

個人的にも絶対に忘れられる事の無い名曲名演と信じておりますし、なによりも相当に頭の良いバンドだったんじゃないかと思う事も、疑惑というにはあまりにも凄いと感じている次第です。

それもこれも、結局はひとつのロケンロール!?!

コメント (2)
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