OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ミリタリールックが流行っていた頃

2011-11-17 15:34:38 | Pops

Woman, Woman / The Union Gap (Columbia / 日本コロムビア)

1967年頃から突発的なブームになったのが所謂ミリタリーファッションで、これは軍服や軍装を日常的に着用する若者の服装感覚だったんですが、その発端はビートルズの「サージェント・ペパーズ」だったという説も確かにあります。

しかし同時にアメリカが関わっていたベトナム戦争への反対運動、あるいは極右的な愛国主義に傾斜する相対作用だった面も強くあったと思います。

ですから反権力の象徴のひとつだったロックをやっていた連中が意図的にそういう格好をつけるのも、また反動的愛国精神を発露するが如き懐古趣味を貫くのも、全てが時代の許すところだったのでしょう。

例えば本日ご紹介のシングル曲「Woman, Woman」を大ヒットさせたユニオン・ギャップは、掲載ジャケ写でもご覧になれるとおり、アメリカ南北戦争時の軍服を衣装にしていたバンドという印象の強さは、今も薄れていないはずです。

しかも御丁寧にというか、メンバーはゲイリー・パケット=将軍(vo,g)、ドゥワイト・ビーメント=軍曹(key,ts,g)、ケリー・チェイター=伍長(b)、ゲイリー・ウイゼム=兵卒(p)、ポール・ウィートブレッド=兵卒(ds,per) という階級までも決められていたのですから、キワモノ主義も徹底している潔さ!?

もちろんバンド名そのものが、南北戦争時代の古戦場に因んだものらしい、という情報は日本でも洋楽マスコミで伝えられていましたから、現地アメリカでは尚更に強いインパクトがあったんじゃないでしょうか。

それゆえに大らかな歌いっぷりのゲイリー・パケットが、幾分前時代的な香りと流行最先端のサウンドを希釈したプロデュースでスタアになった後、直ぐに俳優へと転身したのも当然だったと思います。

しかし1968年だけでも、「Woman, Woman」に続けて「Young Girl」や「Lady Willpower」等々の大ヒットを放った実績は不滅であり、それらは今もオールディズの定番として和みを提供してくれるんですから、逆に流行物の典型として侮れません。

つまり時代がサイケデリックだとか、前衛だとかが先端とされていた中にあって、ゲイリー・パケットの歌には、王道公式的な安心感があったんじゃないかなぁ~、と思うんですよ。

それは実際、同じ年の我国でもラジオから流れるユニオン・ギャップのヒット曲に、なにかホッとするものを覚えたサイケおやじ自らの素直な思い出気分♪♪~♪

ちなみに欧米ではポール・リヴィアーとレイダース、また日本のGSでもスパイダースジャガーズ等々の人気グループが同時期にミリタリールックでキメていたのも、懐かしいところです。

ということで、ヒット曲は時代と共にあり、また思い出の種として蒔かれるものかもしれませんねぇ~♪ それはゲイリー・パケットに限らず、ロック史的に云々される事もない歌手やグループであればこその責務だとしたら、リスナーやファンはリアルタイムで聴いていた頃を思い出したり、後追いで当時の情景を想像したりする我儘も許されるはず!?

いや、流行歌=ヒットポップスは、それがあっての世界なんでしょうねぇ~~♪

コメント
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