■Polk Salad Annie / Elvis Presley (RCA / 日本ビクター)
エルヴィス・プレスリーが本格的な歌手活動に復帰した事を伝えるドキュメント映画「エルヴィス・オン・ステージ」の中でも、特にサイケおやじを仰天させたのが、本日ご紹介の「Polk Salad Annie」でした。
それは曲メロがほとんど無いに等しい、所謂トーキング・ブルース調の歌唱でありながら、要所で炸裂するリズム隊のツッコミやR&B風のホーンセクションの咆哮が激しいアクセントとなって、エルヴィス・プレスリーのボーカルと見事なコラポレーションを築き、さらに例の腰の動きも含めた大袈裟とも言えるアクション!
あぁ、それがあまりにも凄すぎて、映画というスクリーンの中であったとしても、こんな事をやっている歌手をサイケおやじは初めて見たっ!
それが正直な感想でしたが、もちろんその場を全て仕切っているのはエルヴィス・プレスリーに他ならず、実際、件の映画の中でもハイライトの1曲であったと思います。
そして中古ながら掲載したシングル盤をゲットした時、今度は作者たるトニー・ジョー・ホワイトという、今ではスワンプロックの有名人を知る事になるのですが、リアルタイムのアメリカでは、むしろソングライターとして注目されていたようです。
しかしエルヴィス・プレスリーに自作曲を歌ってもらえるという栄光は、やっぱり凄い事ですよねぇ~~。
また、本当に時代にマッチしながら、常に良い曲、自分に合った曲を求め続けたエルヴィス・プレスリーの歌手としての本分も流石じゃ~ないでしょうか。今となっては、あまりそうした点は顧みられないのかもしれませんが、個人的にはまさに「キング」と称されるポイントのひとつだと思っています。
ということで、既に皆様もご推察のとおり、本日の1枚はトニー・ジョー・ホワイトに繋ぐ前置きでありまして、それはエルヴィス・プレスリーに対する不遜とは重々承知……。お叱りは覚悟しております。
ただし、決してエルヴィス・プレスリーのバージョンを軽んじてはおりませんし、映画でも圧倒された例のド派手なアクションとソウルフルな歌声は、永遠にサイケおやじの脳裏から消えさる事はないでしょう。
と、最後まで見苦しい言い訳ではありますが、これはひとりでも多くの皆様に接していただきたい、必見の名演名唱だと思っています。