■裏町マリア / 町田義人 (ポリドール)
世間はすっかりクリスマスモードに入っていますが、昔っからサイケおやじは、なんでキリスト教徒でもない日本人が、大挙して騒ぐのか?
という原理主義(?)に陥っていまして、まあ、今ではユダヤ人だってクリスマスパーティーに集まるわけですから、何かの大義名分を得て、堂々と遊びまくる事に意義を唱える愚も潔いとは言えません。
そこでせめてもの抵抗とでも申しましょうか、本日は昭和日本人の心ともいうべき演歌と欧州教会音楽の不思議な融合が達せられた、昭和57(1977)年発売の「裏町マリア」です。
それはサイケおやじがあれこれ稚拙な筆を弄するよりも、とにかく作詞:山口洋子&作曲:むつひろし、そして編曲:京健輔が作り出した歌の世界が、モロに演歌でありながら、そのバックコーラスにはチャールズ・クロザット・コンヴァースが作曲した讃美歌の「312番 / 星の界」が配されているという、なにか非常な「あざとさ」も、意図がわかんらん!?
最初に聴いた瞬間、そんなふうにサイケおやじは感じたほどです。
しかし、これを堂々と披露しているのが元ズー・ニー・ヴーの町田義人であればこそ、常軌を逸する寸前のネチネチした節回しがジャストミートの快感で、聴くほどにクセになってしまうんですねぇ~~♪
それは「裏町マリア」が当時放送されていたテレビドラマ「ムー(TBS)」の劇中挿入歌であった事も重要で、本篇が如何にも久世光彦の演出らしい逆説的な纏まりに走っていたところに使われるには、これほど破天荒な歌もないと思われます。
ただし、これがあえて件の「ムー」に用いるために企画制作されたのか否かは、ちょいと知る由もありません。
ですから、サイケおやじがクリスマスの今の時期に聴きたくなってしまうのは、天邪鬼的楽しみのひとつとご理解いただければ幸いでございます。
最後になりましたが、ここんとこの宴会シリーズでは若い者からの寄付要請が続き、現実的に三か所も仕事の掛け持ちをやっている身としては、いやはやなんともの散財モード……。
以前はそんなビンゴ大会にはサイケおやじ選定のロマンポルノ名作DVDセットとか、現物を提供していましたが、最近は優良なブツも無いので、とりあえずゲンナマというのも、情けないです。
あぁ、「裏町マリア」が身に滲みますねぇ。