OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

電気仕掛けのおばあちゃん

2014-12-29 15:51:34 | 日本のロック

エリクトリックおばあちゃん / ザ・スパイダース (フィリップス)

昨日は賓客を迎えに某飛行場へ行きましたが、案の定、年末ラッシュで現場はゴッタがえし、おまけに先方の到着が中途半端に遅れたもんですから、いやはやなんとも、あんまり似合わない疎外感に苛まれ……。

で、そんな時、ふっと心を過ったのが本日掲載のシングル盤A面曲「エリクトリックおばあちゃん」でした。

ほら、例の「どしてらべなぁ~、どしてらべなぁ~~」というフレーズが決して消え去ることのない、昭和45(1970)年末にヒットしたスパイダース最後のシングル曲ですよっ!

あぁ~~、この調子の良さは、当然ながら作詞:麻生ひろし&作曲:かまやつひろしによるバンドオリジナルではありますが、ご存じのとおり、元ネタはジャン&ディーンの「パサディナのおばあちゃん / The Little Old Lady From Pasadena」である事は有名な真相ですし、そのサーフサウンドポップスを日本固有のGSロックに有意転換させたあたりは、メンバー各々のキャラが際立っていたスパイダースならではの仕上がりですよねぇ~♪

もちろん歌の中身は、孫の顔を見たくて、気軽に津軽を飛び出してきたイケイケなおばあちゃんの物語ですから、コミックソングである事に間違いはないんですが、そこは堺正章という稀有のタレントが聴かせてくれる天才的な「味」ゆえに、なかなか素敵な日本語のロックになっているように思います。

ちなみに当時のスパイダースはリーダーの田辺昭知がドラマーを引退してマネージメントに専念し、代わって前田富雄が参加していたことからでしょうか、ジャケットデザインにグループショットは使われず、イラストをメインにして、メンバーの独立ポートレートを小さく配するという、如何にも解散直前の状況を表しているようです。

さて、しかし「おばあちゃん」と云っても、既に50代で孫がいる女性は珍しく無いわけで、しかも現代の我が国じゃ~、彼女達の多くは、それなりに若々しいファッションに身を包み、ヘアメイクも同様ですからねぇ~~~、「おばあちゃん」と呼ばれることは痛し痒しなんでしょうか……。

冒頭の話に戻れば、漫然と空港ロビーの人混みを眺めていると、家族での移動の情景の中で、明らかに「お若い」おばあちゃんが大勢でありまして、そんな彼女達へこそ、スパイダースの「エリクトリックおばあちゃん」を捧げたい気持ちになりました。

うむ、年寄りは疎まれるより、「良い」存在でありたいものですねぇ、はい。

コメント (2)
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