■ウラトビサスケ '78 c/w 不確実性の時代 / 山川ユキ (ミノルフォン)
今となっては様々なジャンルが乱立する昭和歌謡曲の中にあって、例えばディスコ歌謡ならば、これもなかなか面白く聴けるのが、昭和53(1978)年夏に発売された本日掲載のシングル盤かと思います。
なにしろ歌っているのが忘れじの山川ユキ!
そして楽曲を提供したスタッフが作詞作曲:かまやつひろし&編曲:澤健というクレジットが両面で確認出来れば、そのアクの強さ、味付けの濃さは保証付♪♪~♪
とにかくA面「ウラトビサスケ '78」からして、イントロから典型的なソウル&ディスコな雰囲気が横溢する演奏で、タメの効いたシャープなドラムスやズバズバのベース、フィリーなストリングス&コーラスのバックを従えて歌う山川ユキのボーカルは、なんとっ!
フェイクしたエフェクターを用いたというか、今で云うところのアニメ声が濁ったようなラップ系リズム唱法とでも申しましょうか、それでいて如何にも「らしい」山川ユキの個性がグリグリに出まくっているんですから、これまで彼女の歌に親しんでいるほど惹きつけられてしまうんじゃ~ないでしょうか。
しかも歌詞の内容が、文字どおり「猿真似」が得意の子猿の話とか、ほとんど意味不明の言葉遊びみたいなノリで貫かれているんですから、たまりません♪♪~♪
う~ん、これって山川ユキの幅広い歌の実力があっての企画なんでしょうかねぇ~~♪
ちなみに作者のかまやつひろしは翌年に出した自己名義のLP「スタジオムッシュ」の中でセルフカバーしていますが、それはさらにファンク性感度の高い演奏にコミカルなラップという仕上がりですので、聴き比べも楽しいところではありますが、山川ユキのバージョンにあえて「78」と附っているところからして、かまやつひろし本人は以前から狙っていたものなのかもしれません。
その意味でB面収録の「不確実性の時代」が、アップテンポの正統派ディスコ歌謡に仕上がっているのは特筆物なんですが、しかし、よくよく聴いてみれば、これまた既に確立していた流行のディスコ歌謡のパロディとも受け取れるような!?
もちろん、失礼ながら、ヒットしなかったレコードではありますが、これがあってこそ次作シングル曲「ケリ」が傑作になっているのは言わずもがな、本当に山川ユキは残してくれた音源全てが素晴らしいですよっ!
確かシングル盤4枚と例のCM曲「カメラのさくらや」しか公式レコーディングを知らないサイケおやじですが、次の機会にはシングル曲「真夜中ロック」をご紹介しますね。
ということで、本当に昭和歌謡曲は間口が広く、奥底も知れませんが、だからこそ最高に面白く、その中に山川ユキのような歌手が出て来てくれたからこそ、ますます楽しいジャンルだと思います。
良い時代は何時までも続いて欲しいものですねぇ~~♪