■The Visit / Pat Martino (Cobblestone)
ギタリストのステータスのひとつが「早弾き」にあるとすれば、パット・マルティーノこそは、その権化!
とにかくアドリブフレーズは乱れ打ちの如く正確無比という、まさに二律背反の境地に達した天才であり、寸時の緩みも感じさせないところは近づき難い印象の人物である事は、掲載したLPのジャケ写からも存分に伝ってくるんじゃ~ないでしょうか。
いゃ~、本当にジャケ写だけ見ていると、これがジャズのレコード?
なぁ~んていう疑問さえ抱いてしまうほどで、実はサイケおやじにしても、最初にこのジャケ写に邂逅した時はてっきりサイケデリックフォーク(?)かラガロック系のアルバムみたいな印象だったんですが、ワンテンポ置いて確認にすれば、そこには「Pat Martino」なるご尊名があり、しかもわざわざ「Inspired by and dedicated to Wes Montgomery」と但し書き(?)までもが記載されていたのであれば、あとは自ずと神妙に鑑賞する他はありますまい。
録音は1972年3月24日、メンバーはパット・マルティーノ(g) 以下、ボビー・ローズ(g)、リチャード・デイビス(b)、ビリー・ヒギンス(ds) という硬派な面々です。
A-1 The Visit
パット・マルティーノ自作の変拍子、おそらく 6/8 拍子と思われますが、このメンバーにとっては何の躊躇も無くスイングしまくるんですから、痛快な怖さに震えてしまいます。
全く淀みも緩みも感じさせない速射フレーズでアドリブを続けるパット・マルティーノを巧みにサポートするボビー・ローズのサイドプレイも流石ですし、かなり目立ってしまうリチャード・デイビスのベースは当然ながらアコースティックですから、本当にジャズ性感度の高い演奏だと思います。
う~ん、フェードアウトが残念ですねぇ~~~。
A-2 What Are You Doing The Rest Of Your Life?
どっかで聞いたことがある美しいテーマは多分、ミッシェル・ルグランの作曲かと思いますが、しっとりしたムードを大切に内気な片思いの如くメロディを綴っていくパット・マルティーノは、随所でオクターヴ奏法や思わせぶりなピッキングを用いて、このスローな曲展開でも全く飽きさせませんよ♪
また、ここでもサイドギターのボビー・ローズが地味な名演と思います。
どっかで聞いたことがある美しいテーマは多分、ミッシェル・ルグランの作曲かと思いますが、しっとりしたムードを大切に内気な片思いの如くメロディを綴っていくパット・マルティーノは、随所でオクターヴ奏法や思わせぶりなピッキングを用いて、このスローな曲展開でも全く飽きさせませんよ♪
また、ここでもサイドギターのボビー・ローズが地味な名演と思います。
A-3 Road Song
ご存知、ウェス・モンゴメリーの自作自演が超有名の決定版ではありますが、それゆえに数多のミュージシャンが演奏している中にあって、パット・マルティーノは矢鱈な早弾きはせず、むしろじっくりと偉大な先達に憧れと畏敬の念を抱いたような落ち着いたプレイがニクイばかり!
もちろん演奏が進むに連れて十八番の三連&六連フレーズ、執拗な反復フレーズの完全披露はお約束で、このあたりはグラント・グリーンが得意技の「針飛びフレーズ」とは似て非なる、まさにパット・マルティーノの真骨頂でありましょう。
いゃ~~、それにしても楽曲そのものが最高に素敵ですよねぇ~~♪
パット・マルティーノも実に楽しそうにオクターヴ奏法をやらかすんですから、もう……、何にも言えません ♪♪~♪
ご存知、ウェス・モンゴメリーの自作自演が超有名の決定版ではありますが、それゆえに数多のミュージシャンが演奏している中にあって、パット・マルティーノは矢鱈な早弾きはせず、むしろじっくりと偉大な先達に憧れと畏敬の念を抱いたような落ち着いたプレイがニクイばかり!
もちろん演奏が進むに連れて十八番の三連&六連フレーズ、執拗な反復フレーズの完全披露はお約束で、このあたりはグラント・グリーンが得意技の「針飛びフレーズ」とは似て非なる、まさにパット・マルティーノの真骨頂でありましょう。
いゃ~~、それにしても楽曲そのものが最高に素敵ですよねぇ~~♪
パット・マルティーノも実に楽しそうにオクターヴ奏法をやらかすんですから、もう……、何にも言えません ♪♪~♪
B-1 Footprints
これまたモダンジャズの名曲と申しましょうか、ウェイン・ショーターが書いた如何にものモードメロディを原曲のイメージどおり、ミディアム・スローで演じていますから、セッション参加メンバー全員の実力も存分に楽しめる仕上がりです。
それは基本がブルースと思われる曲展開の中で、拘りのないフレーズを積み重ねるパット・マルティーノ、所謂新主流派どっぷりのベースでアドリブもバッキングも容赦ないリチャード・デイビス、繊細さとグルーヴィな感覚を両立はさせたビリー・ヒギンズのドラミング、さらに隙間を埋めていくボビー・ローズのサイドギターも上手いの一言!
まさにジャズ者歓喜の名演じゃ~ないでしょうか。
終演間際に炸裂するリチャード・デイビスのアルコ弾きには悶絶!
これまたモダンジャズの名曲と申しましょうか、ウェイン・ショーターが書いた如何にものモードメロディを原曲のイメージどおり、ミディアム・スローで演じていますから、セッション参加メンバー全員の実力も存分に楽しめる仕上がりです。
それは基本がブルースと思われる曲展開の中で、拘りのないフレーズを積み重ねるパット・マルティーノ、所謂新主流派どっぷりのベースでアドリブもバッキングも容赦ないリチャード・デイビス、繊細さとグルーヴィな感覚を両立はさせたビリー・ヒギンズのドラミング、さらに隙間を埋めていくボビー・ローズのサイドギターも上手いの一言!
まさにジャズ者歓喜の名演じゃ~ないでしょうか。
終演間際に炸裂するリチャード・デイビスのアルコ弾きには悶絶!
B-2 How Insensitive
これまたご存知、アントニオ・カルロス・ジョビンの耳に馴染んだボサノバ曲ですから、油断は禁物!?
テーマメロディを静かに歌わせつつ、ハッと気づけば、パット・マルティーノは何時の間にか独自にテンポアップした解釈で例の端正な乱れ打ち! 細かいフレーズを積み重ねるアドリブフレーズは、そのピッキングも凄いと思うばかりです。
B-3 Alone Together
オーラスはジャズ者御用達のスタンダード曲ですから、正統派4ビートのハードバップを聴かせてくれます。そして当然ながら、テーマ演奏からしてオクターヴ奏法の大盤振る舞いということは、アルバムの主題のひとつでもあろう「dedicated to Wes Montgomery」でしょうか。
さらにアドリブパートでの早弾きも爽快にして熱くさせられる、これぞっ! パット・マルティーノの素晴らしさ、凄さに圧倒されてしまいますよ。
無暗に熱血じゃ~ないところが、たまりません ♪♪~♪
ということで、ジャケ写のイメージに狂わされると肩透かし的な内容かもしれませんが、モダンジャズのギターアルバムとしては実に秀逸で、ジャズ喫茶の大音量で聴くも良し、自宅で深夜独りヘッドホンで鑑賞するのも格別という名盤と思います。
パット・マルティーノには弾きまくった名演&名盤が多数あり、例えば「ライブ!」とか「イースト」等々、ロックファンにもアピールする人気アルバムは確かに凄いと思いますし、サイケおやじも大好きです。
と、同時に、このアルバムの様に幾分内省的な雰囲気が滲んだ演奏も、またパット・マルティーノの真実かもしれません。
最後になりましたが、ここで的確なサイドギターを担当しているボビー・ローズは隠れ名手として再評価を望みます。そして実はプロデューサー的な仕事もやっているらしく、ソウルジャズの分野での暗躍(?)も幾枚かのレコードに残されていますので、追々にご紹介しようと目論んでおります。
秋の夜長にはジャスギターのアルバムがジャストミートですねっ!