■海の底でうたう唄 / モコ・ビーバー・オリーブ (東芝)
四季折々、それぞれに聴きたくなる歌がある事は、ひとつの幸せと思います。
で、本日のサイケおやじはそんな気分の後押しされて、モコ・ビーバー・オリーブが昭和44(1969)年末に発売した掲載のシングル盤を取り出しました。
もちろん、お目当ては収録A面曲「海の底でうたう唄」でして、作詞:尾崎きよみ&作曲:関口真人、そして編曲:青木望が提供したのは、儚い夏の思い出を想起させられるメルヘンチックな歌謡フォークですから、秋も深まりゆく今の季節にはジャストミート♪♪~♪
そしてサイケおやじには、高校時代の思い出も重なるわけでして、と言っても甘くせつない恋愛模様なんかじゃ~決してありません。
拙ブログでも度々書いてきたように、その頃のサイケおやじは学内同好会のバンド組に入れてもらっていたんですが、当時は圧倒的な歌謡フォークの大ブームでしたから、そこでもフォーク組は人数も多く、男子も女子も和気藹々、フォークギターを弾きながら、歌ったりハモッたり、それはそれは仲良しグループ交際的なところに見えましたですねぇ~~。
それは何故か……、と申し述べさせていただければ、当然ながらエレクトリックな楽器でドラムスも入っているバンド組はロックは英語か、日本語か? なぁ~んていう不毛な議論もあったぐらいですから肩身も狭く、人数も少なく、落ち込んだ時にはサイケおやじも入れて3人だけだった苦節もあったんですよ……。
で、そんな頃の秋には文化祭で、いよいよ同好会も晴れの舞台に出られる段取りにはなったものの、イマイチ気勢も上がらず、漫然と練習していたある日、フォーク組の練習場所の前を通った時に流れてきたのが、この「海の底でうたう唄」でして、しかもギターを弾きながら歌っていたのが産休で休んでいた某教師の代用として来ていた、ちょっと訳有りっぽい女性教師でありました。
なんか、一説によるとオールドミスっていう話も耳に入っていたんですが、それはそれとして、彼女はなかなか清涼な声の持ち主で、ギターもそれなりに上手かったんですよっ!?!
サイケおやじは我知らず、その場に立ち止まって聴き入ってしまったのは、今も鮮烈な記憶です。
どうやら、これは後で知ったことではありますが、彼女は大学時代にフォークソングの活動をしていたそうで、あちらこちらの集会でも歌っていたというのですから、人を惹きつける上手さは当然だったんですねぇ~~♪
ただし当時、純情だったサイケおやじは、ど~しても彼女に話しかける勇気も無く、代用期間中にはちょくちょくフォーク組に顔を出していた彼女の歌を何かと言い訳を捻り出しては聴きに行っていたという、懐かしくも恥ずかしい思い出があるのでした。
そして当然ながら、2ヶ月ほどで去ってしまった彼女の行方は、その後全く知る由もありません。
ですから、この「海の底でうたう唄」を聴きくなったり、聴いたりする時は必ず彼女を思い出してしまいます。
まあ、それも片思いとか恋愛感情云々ではなく、結局はイジケていたバンド組の一員としての卑屈な憧れだったと思うばかりです。
失礼致しました。