■Odell Brown Plays Otis Redding (cadet)
A-1 Hard To Handle
A-2 Try A Little Tenderness
A-3 Let Me Come Home
A-4 I've Been Loving You Too Long
A-5 Any Ole Way
B-1 Good To Me
B-2 Pain In My Heart
B-3 Sitting On The Dock Of The Bay
B-4 Good To Me
B-5 Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song)
A-2 Try A Little Tenderness
A-3 Let Me Come Home
A-4 I've Been Loving You Too Long
A-5 Any Ole Way
B-1 Good To Me
B-2 Pain In My Heart
B-3 Sitting On The Dock Of The Bay
B-4 Good To Me
B-5 Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song)
オルガン奏者のオーデル・ブラウンの我が国での知名度は決して高いとは言えないと思いますが、その演奏スタイルはソウルジャズの愛好者にはグッと惹きつけられる魅力があって云々と書けば、各方面からのお叱りは覚悟しているサイケおやじです。
実は不肖サイケおやじにしても、ほとんどオーデル・ブラウンについては知る事もなく、それでいて気になる存在になったのは、偶然にも聴くことが出来た本日ご紹介のLPによってなんですが、いゃ~~ぁ、それこそがひとつの幸せでありました♪♪~♪
なにしろ演じられているのがアルバムタイトルどおり、ソウルシンガーの大御所にして、このレコードが世に出た1969年には既に不慮の飛行機事故で天国へ召されていたオーティス・レディングが十八番のヒット曲集なんですから、たまりませんっ!
しかも、ここでやってくれているのが、オーティス・レディングがその天才的な歌声と共にあったメンフィス所縁のスタックスサウンド、つまり重心の低いリズム隊と迫力に切れ味を加味したブラス&ホーンセクションのコラボレーションをきっちりそれなりに狙ったものなんですから、オーデル・ブラウンのオルガンプレイからは黒っぽさが遺憾なく発揮されているのもムベなるかなっ!
そして相当にジャズっぽいフレーズや複雑なイントネーションを含んだアドリブも、ストレートに楽しめてしまうのは、プロデュースとアレンジを担当したジーン・バージの流石の手腕と思います。
なにしろ、これは後に知った事でもありますが、ジーン・バージは本職がサックス奏者で、1950年代からソウル畑で活動し、1960年代に入っては様々なR&RやR&Bのヒット曲制作の現場に携わり、有名なところではゲイリー・US・ボンドのトンデヘレヘレでお馴染み「真夜中のロックパーティ / Quarter to Three」とか、同じくフィンガー5の「学園天国」の元ネタである「New Orleans」等々、とにかくこの黒人ロックボーカリストが1960年代に出したレコードの多くで作編曲に関わり、テナーサックスを吹きまくっていたのがジーン・バージで、そのキャッチーな感性が業界で重宝されていた事は、その頃に出回った他の歌手やボーカルグループのレコードに沢山刻まれていますし、そんな流れからチェス&カデットレコードでプロデュースの仕事もやっていたのだと思います。
ちなみにブルース・スプリングスティーンは幼少期からゲイリー・US・ボンドの大ファンで、ついには1980年代にこの憧れのスタアの新作レコードを製作し、嬉々として共演までしていた事は、今やロックの歴史のひとつでしょう。
閑話休題。
で、肝心のこのアルバムは、残念ながらレコードジャケットに演奏メンバーの記載は無いものの、ヘヴィなドラムスや蠢くエレキベースのグルーヴ感が素晴らしく、その現場のセッションプレイヤーの実力も確かだと思います。
と同時に、それゆえに継子扱いというか、当然ながらリアルタイムじゃ~、我が国のジャズファンからは見向きもされなかったと思われますし、所謂レアグルーヴのブームがあった時でさえも、そんなには騒がれなかったのでしょうか、CD化されたという噂も耳にしたことがありません。
実は冒頭に述べたように、サイケおやじが偶然にもこのアルバムを聴けたという場所は1990年代初頭のドイツでの話で、なんとっ!?!
それはおそらく現地でプレスされたドイツ盤LPだったんですから、世界は広いようで狭いというか、良いものには壁も垣根も無いんですよねぇ~~~♪
ということで、もちろんオーデル・ブラウンは他に幾枚ものアルバムを出していますし、セッション参加したレコーディングも相当にあるんですが、ソウルジャズが気になる皆様には、まずはこのLPあたりからお楽しみいただきたいと切に願うのは、全くサイケおやじの老婆心(?)であります。
そしてオーデル・ブラウンというオルガン奏者にシビレるのも、密かな楽しみと思うばかりです。