■赤毛のメリー c/w ダークな瞳 / ザ・ガリバーズ (東芝)
昭和40年代前半に社会現象ともなったGSブーム期には、それゆえに様々な伝説や逸話を残したバンドが有象無象登場しましたが、昭和43(1968)年夏に本日掲載のシングル盤を出してレコードデビューしたガリバーズも、なかなか忘れられない存在です。
それは多瀬正隆(vo)、中村保雄(g)、小柴英樹(g)、平田利男(key)、北久保誠(b)、高橋利昭(ds) というメンバーが当時公表されていた年齢では、16~20歳と若く、それでいてパフォーマンスにド派手なプロっぽさを表現出来ていたというか、モンキーズを目標としていたというだけあって、時にはコミカルでありながら、演奏の纏まりも良く、サイケおやじは実際に見た事はなかったんですが、ステージライブで激した場合にはギターの破壊もやっていたと云われているんですねぇ~~!?!
ですから、ミュージックライフの人気投票ではGS部門で上位にランクされていた時期もあり、テレビや芸能誌への登場も多かったと記憶しています。
で、肝心の掲載盤なんですが、A面「赤毛のメリー」は作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平という、このヒットメーカーコンビにとっては初期の作品になるんですが、ここで聴かれるロック性感度の高さは素晴らしく、アップテンポで炸裂するワウワウなギターとブルースロックなベース、シャキッとしたリズムギターとドラムスのコンビネーションもニクイばかりで、しかも中メロで一転して歌謡フォーク調のメロディ展開をやってしまうあたりが最高なんですねぇ~~♪
もしかしたら、レコーディングにはスタジオセッションのプレイヤーが助っ人に入っているのかもしれませんが、テレビで接した時でも同じ様なガレージっぽい音を出していた記憶がありますから、かなり実力派のバンドだったんじゃ~ないでしょうか。
それは同じソングライターコンビから提供されたB面「ダークな瞳」でも遺憾なく発揮され、まあ……、曲調としてはタイガースの「シーサイド・バウンド」の焼き直しっぽいところは否めませんが、すっきりとしたガレージ感覚は充分にロックしていると思います ♪♪~♪
ところが、ここまで完成度の高いレコードを出したガリバーズは以降、鳴かず飛ばずというか、新曲が出ないどころか、テレビ出演も激減……!?
後に知ったところでは、バンド側と所属事務所の間で意見の相違が拗れていたとか、レコーディング済の楽曲の権利関係諸々の問題とか、あれやこれやからメンバーチェンジや所属事務所からの独立があったそうで、なかなか現実は厳しかったんですねぇ……。
一説によると、ガリバーズには未発表の音源が相当残されているらしく、もしかしたら、既に纏められて流通しているのかもしれませんが、気になる皆様は、とにかく唯一公式に残された掲載盤だけでも、お楽しみくださいませ。
ちなみに以前、GS関連の懐かし系イベントにガリバーズが登場するという話を耳にした事がありましたが、サイケおやじとしては、もう一度だけでも見たいバンドのひとつが、ガリバーズであります。
ということで、何故に本日はガリバーズなのかと問われれば、実は昨日会った某外国人女性が見事(?)な赤毛だったからでして、この「赤毛のメリー」を瞬時に思い出したというだけの話なんですよ (^^ゞ
でも、久々に取り出して聴いてみたら、やっぱりイイんですねぇ~~、これがっ!
やっぱり日本のロックの全盛期はGSブームの頃だったという自説を再認識しているのでした (^^ゞ