OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

こ~ゆ~濃さも黛ジュンですよ

2016-09-10 17:16:57 | 歌謡曲
途はひとつ / 黛ジュン (フィリップス)
 
昭和40年代後期に出された黛ジュンのレコード諸作は、歌っている楽曲の中身はもちろん、そのジャケ写にも濃厚なイメージが強烈で、例えば「時は流れる」「とても不幸な朝が来た」「雪が降るのに」「裸足の妖精」と続いて、いよいよ昭和47(1972)年夏に発売された本日掲載のシングル盤は、いきなりジャケットに写る彼女のポートレートがっ!?!?
 
もう、これはビッチというよりも「お水」な感覚とでも申しましょうか、実際当時のキャバレーとかピンサロには、こういう雰囲気のホステスさんが大勢入ってらっしゃいましたよねぇ~~♪
 
もちろん職業に貴賤は無いわけですし、サイケおやじだって大好きな場所なんですが、それにしても彼女が大ブレイクした頃の「ミニスカの女王」的な実力派アイドルシンガーという位置づけからすれば、なんとも大人の世界にどっぷりの黛ジュンが未だ青少年だったサイケおやじには脂っ濃い感じがして……。
 
正直、もうこのあたりでファンをやめようかと思ったほどです。
 
そして作詞:千家和也&作編曲:筒美京平が提供した肝心のA面「途はひとつ」にしても、妙に演歌っぽいというか、もちろんこの頃の筒美京平が十八番のフィリーソウル系の味わいは、ストリングスの使い方やイントロからのリズムアレンジの妙にも顕著なんですが、ホーンセクションのカウンターのフレーズや曲調そのものが黛ジュンよりも奥村チヨか小川知子あたりにジャストミートしそうな雰囲気なんですよねぇ……。
 
ただし、如何にも黛ジュンという、ある意味ではネチッコイ節回しの魅力はしっかり発揮されていて、殊更サビにおける歌いっぷりには、ノー文句でシビレさせられるのも確かです♪♪~♪
 
なによりもアップテンポのAメロからちょいとブレーキが効いたサビに入る場面転換(?)の上手さは流石の一言!
 
う~ん、やっぱりファンはやめらんないですよぉ~~♪
 
と、サイケおやじは頑なな決心を、ここに新たにしたというわけです。
 
まさに「途」は「ひとつ」ってやつですよ、はい♪♪~♪
 
ということで、最近の黛ジュンは一時懸念された声の病気も癒えたようで、もちろん全盛期のような歌唱は無理とはいえ、それなりに活動を再開させているようですし、実兄・三木たかし譲りの作曲家としても彼女の名前を確認出来るようになったのは喜ばしい事です。
 
そして彼女が残した音源の数々も、東芝時代の公式レコーディングは箱物に纏められて復刻されていますし、フィリップス移籍後の代表曲もベスト盤としてCD化されておりますので、これからは秘蔵(?)映像も含めての包括的なアンソロジーを待つばかりという気持ちは、彼女の全てのファンならずとも、歌謡曲愛好者には切なる願いでしょう。
 
ちなみに「秘蔵映像」に関しては以前に東芝から復刻されたCD&DVD抱き合わせのベスト盤に幾つか収録されていますので、つまりはその拡大版を望むわけですが、既に皆様ご推察のとおり、サイケおやじが一番に観たいのは、フィリップス期前半の「ケバケバしい」時代の黛ジュンであります。
 
所謂「三つの願い」が叶うならねぇ~~~。
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マラケッシュ急行にノセられて

2016-09-09 18:28:56 | Rock
マラケッシュ行急行 / Crosby, Stills & Nash (Atlantic / 日本グラモフォン)
 
1969年に公式デビューしたクロスビー・スティルス&ナッシュ=CS&Nは所謂スーパーグループ登場と大いに喧伝され、翌年にはニール・ヤングも参加してのCSN&Yに発展するや今日まで、大衆音楽史にその名を刻するほどの成功を収めた事から、あたかも前述したデビュー期の盛り上がりは凄かった!
 
と思われがちな存在かもしれませんが、サイケおやじのリアルタイムの記憶では、少なくとも我が国においては決して大騒ぎになるような事はありませんでした。
 
実際、元バーズのデイヴィッド・クロスビーや元ホリーズのグラハム・ナッシュはともかくも、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスって??!?
 
つまり失礼ながら、スティーヴン・スティルスを知っていた我が国洋楽ファンは極めて少なかったと思うんですが、いかがなものでしょう。
 
また、前述したバーズにしろ、ホリーズにしろ、その頃には既に「世を過ぎた」バンドという不遜な扱いが、どうにも自然な感じさえありましたからねぇ……。
 
そもそも「スーパーグループ」という業界用語(?)が使われ出したのは、同じ年にデビューしたエリック・クラプトンとステービィー・ウィンウッドが手を組んだブラインド・フェイスがその代表格であり、もちろんそっちは世界的に爆発的な注目を集めたという現実の前に、CS&Nは如何にも地味ぃ~な印象しかなくて当然と思うばかりです。
 
ところがそんなある日、偶然にもサイケおやじがラジオで耳にしたのが本日掲載のシングル盤A面曲「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」で、これがなんともホンワカムードの心地良いポップス曲だったもんですから、あぁ~~、これが洋楽雑誌なんかでちょっぴり取り上げられていた、元バーズと元ホリーズの残党が組んだグループの歌と演奏なのかぁ~~♪
 
そんな如何にもラジオが現代のインターネットのような役割を果たしていた時代ならではの感慨がありまして、もちろん以前にも書いたとおり、今となっては洋楽に目覚めた少年期からのサイケおやじにとっては、バーズとホリーズはビートルズよりも先に好きになった存在という正直な気持ちの再燃だったような気がするほどです。
 
そこで肝心の「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」はグラハム・ナッシュの自作曲で、アップテンポで浮遊するキャッチーなメロディと軽快なドラミングやオルガンの音色、さらにはハイトーン主体のコーラス&ハーモニーワークが本当に爽やかな仕上がり♪♪~♪
 
あぁ~~、これぞっ!
 
バーズとホリーズの美しき流れの結実にちがいないっ!
 
なぁ~んてことを独善的に思っていたサイケおやじは、しかし同時に些かの勘違いもしていたことは言うまでもありません。
 
それは皆様ご存じのとおり、当時のロックの主流だったサイケデリック&ニューロックでは、グループとしての表現には楽器の演奏が主役になるものが少なからずあり、ハードロックやブルースロックの諸バンドは言うにおよばず、前述したバーズでさえも、ライブの現場では饒舌なギターソロによる長尺な演奏を披露していた中あって、ここまでボーカル&コーラスを前面に出したCS&Nは特異な存在と思われがちで当然だったはずが、実は彼等も殊更デイヴィッド・クロスビーとスティーヴン・スティルスは楽器の演奏にも堂々の自己主張を持っていて、それがギターの変則チューニングであったり、ジャズ系代理和音の使用やモード手法の導入等々、決して一筋縄ではいかないという音作りは侮れない事がサイケおやじにも追々と分かってきたもんですから、もう大変(?)です。
 
このライトタッチのポップス曲という印象の「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」にしても、それを彩るハーモニーの深さと奥行きは一瞬、どこが主旋律なのか、ちょいと惑わされるほどの感覚が大きな魅力の源なんじゃ~ないでしょうか。
 
また、CS&N及びCSN&Yが大ブレイクした頃は、同時にシンガーソングライターという自作自演のミュージシャンが表舞台で活躍し始めた事もあり、我が国でも歌謡フォークの大きなブームがそこに連動していましたから、エレキよりはアコースティックなギターが音楽好きの若者には必須のアイテムとなってみれば、前述したとおり、デイヴィッド・クロスビーやスティーヴン・スティルスが十八番の変則チューニングが市民権(?)を得たかのように大流行!
 
その研究がプロはもちろん、アマチュアでも盛んになり、加えて音楽雑誌には特集までもが掲載されてしまえば、CS&Nが一番人気で解説されていましたですねぇ~~♪
 
しかし、そんなこんなはサイケおやじの稚拙な文章では伝わりにくいと思いますので、ひとつオススメしたのが、デイヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュが組んでいたクロスビー&ナッシュが実演する「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」で、残念ながら公式バージョンよりはブートによる映像や音源に接してみれば、意図的にシンプルに演じているであろうグラハム・ナッシュのリードボーカルとギターに寄り添うデイヴィッド・クロスビーの天才的なハーモニー感覚に酔わされてしまいますよ。
 
そして、だからこそ、グラハム・ナッシュが親しみ易い楽曲を提供出来るという好循環が成り立つように思いますし、極言すればデイヴィッド・クロスビーやスティーヴン・スティルスが作る、思い入れの強い歌ばっかりだったら、決してCS&Nの人気沸騰は無かったと思うばかりです。
 
最後になりましたが、ここに歌われている「マラケッシュ」とは説明不要、モロッコにあるイスラム文化の芸術的観光都市であり、もちろん未だサイケおやじは訪れたことはありませんが、少年時代に聴いた「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」には、その目的地への漠然とした憧れを抱き、地図帳を広げては何時か……、なぁ~んていう気分になりましたですねぇ~♪
 
そ~ゆ~気持ちの昂ぶりを招来するのも、音楽の大切なパワーかもしれません。
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水虫の思い出

2016-09-08 17:35:25 | 歌謡曲
水虫の唄 / ザ・ズートルビー (東芝)
 
水虫は未だ特効薬が無いとされるやっかいな病気らしく、苦しめられている皆様も大勢いらっしゃると思いますが、不肖サイケおやじも若い頃には大いに痛めつけられました。
 
なんたって高校生の頃からのバイク好きだったもんですから、17歳の夏には一丁前にライダーブーツもどきの革製長靴を履いていたのが運の尽きというか……。
 
実はそれは同じ趣味があったサイケおやじの亡父が、自分のバイク仲間から調達してきた由緒ある(?)ものだったんですが、もちろん中古というか、所謂「御下がり」ですからねぇ、そんなものを夏でも愛用していたサイケおやじが水虫に感染してしまったのも無理からん話でしょう。
 
もちろん、様々な市販薬や医者の処方箋にも頼ったんですが、ど~にも疼きが収まらずに過ごした青春時代でありました。
 
さて、そこで本日のお題は、そんなこんなの気持ちを代弁してくれたような日本の名曲「水虫の唄」でありますが、これが流行っていたのは昭和44(1969)年前後のラジオの深夜放送がメインで、掲載したザ・ズートルビーのバージョンの他、当時のニッポン放送の深夜番組「オールナイトニッポン」の人気DJだった亀渕昭信=カメと斉藤安弘=アンコーのデュエットバージョンが、なかなか人気を集めていましたですねぇ~~♪
 
サイケおやじと同世代の皆様であれば、思わず懐かしさが胸に蘇るんじゃ~ないでしょうか?
 
等々、何時もの独断と偏見ではありますが、とにかく親しみ易いメロディと皮肉っぽい歌詞のコントラストが大ウケだったわけで、特に甘~い青春の物語と水虫という厄介者を掛け合わせたコミックソングというには勿体無いほどの狙いが秀逸でしょう。
 
で、最初に全国的に知られたのは件のザ・ズートルビーのレコードでしたが、これがイントロからベートーヴェンの「田園」が用いられ、おまけに曲サビにはメンデルスゾーンの「春の歌」をそのまんまい使い回すという、本気のパロディ感覚が尚更に曲全体の覚えやすさを強調しているあたりは、今でも侮れない感覚だと思います。
 
そしてその作詞作曲は山田進一であり、さらにここでは補作詞:足柄金太&補作曲:河田藤作というクレジットが残されている事から、シングル盤ジャケットのパロディ性感度の高さを鑑みても、ザ・ズートルビーと名乗るグループは最初っから覆面プロジェクトだという推察も易いところでした。
 
結論から述べさせていただければ、これは説明不要と申しましょうか、フォーク・クルセダーズがその正体であり、楽曲そのものは、名前は失念してしまったんですが関西フォーク界の某学生グループのオリジナルだったそうで、そこに足柄金太=北山修と河田藤作=加藤和彦が手を加えて仕上げたものという真相があったのです。
 
ちなみにジャケ写に登場している4人組にしても、そう言われればあまり変装(?)になっていないフォーク・クルセダーズの3人に「正体不明の誰かさん」を交えてのバンドスタイルを強調した作りになっているのも、まさに「アングラ・ラブ・ソング」というキャッチコピーにはジャストミートですよねぇ~~♪
 
そこで気になる「正体不明の誰かさん」とは諸説ある中で、一番有力なのはその頃のフォーク・クルセダーズにイラストを提供していたデザイナーの小林勝氏と云われていますが、真相は如何に?
 
しかし、テレビ等々でフォーク・クルセダーズがこの「水虫の唄」を演じた事があったのかは、サイケおやじには記憶がありません。
 
というかザ・ズートルビー、つまりフォーク・クルセダーズのバージョンがヒットしたのは昭和43(1968)年秋頃からだったんですが、前述したとおり、翌年になると「オールナイトニッポン」のDJコンビ=カメ&アンコーが自分達のバージョンのレコードを流しまくり、それが何時しかオリジナルヒットの如き思い込みを誘発させてしまったような気がするんですねぇ……。
 
それはカメ&アンコーのバージョンには、どうにもホロ苦い「語り」のパートが入れられていた事にも大きな要素があったんじゃ~ないでしょうか。
 
また、サイケおやじは本当のオリジナルバージョンである、作者の山田進一が在籍していたという関西の某学生フォークグループのレコードは持っていませんし、その現物も見たことがないもんですから、そんなこんなもセールス面から判断するわけにもいかず、そこで個人的には掲載したザ・ズートルビーのバージョンに一番の愛着があるわけです。
 
ということで、最後になりましたが、現在のサイケおやじは水虫に悩まされることは全くありません。
 
つまり完治したと思うわけですが、その方法というのが、全くの偶然でありまして、それは学生時代の終わり頃、成り行きで就職が内定していた仕事先の手伝いというか、アルバイトの延長ではありますが、某所にあった薬品倉庫の整理に駆り出され、そこは薄暗く、しかも土足厳禁という所だったので、必然的に裸足で様々な薬瓶をあっちこっちに移動させたり、分類していたところ、どうにも床が何かで濡れていて、滑ったりするほどの湿気が!?
 
しかし、それが足に寄食していた水虫菌には大敵だったのでしょう、そこで10日間ほど働いていたら、何時の間にかサイケおやじの足から水虫が失せたようで、自然治癒とは申しませんが、以降はせっせと医者から処方してもらった薬を塗ったり、しつっこく足を洗ったりして現在に至っているというわけです。
 
う~ん、あの場所を湿らせていた液体の正体はなんだったのか?
 
それは現在でもサイケおやじの大きな疑問のひとつであり、もしもそれが分かったら、水虫の特効薬として大儲け出来るんじゃ~ないか!?
 
等々と夢想しているのでした。
コメント (7)
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帰途迷走

2016-09-07 19:21:33 | Weblog

実は昨日からの出張で、予定では本日昼過ぎに帰れるはずが……!?

急展開の仕儀により、仕事が縺れてしまい、やっとさっきから帰り道は遠かったっていうわけです。

本日の1枚は休載ご理解下さいませ。

それと皆様からのコメント、お返事が大幅に遅れて、誠に申し訳ございません。

きっちり拝読させていただき、気力を充実というご厚情に心から感謝申し上げます。

失礼致しました。

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ジェフ・ベックの今も昔もピュアハート

2016-09-06 18:14:53 | Rock
Steelin' c/w Chuckles / The Allstars featuring Jeff Beck (Immediate / 東芝)
 
最近は自分の齢を感じる事も度々というサイケおやじにとって、ジェフ・ベックの老いてますます盛んというよりも、萬年青年の如き活動には素直に感服するばかりで、今年も若き共演者を率いての新作アルバムを出していますし、なによりも昔とイメージが変わらないルックスと佇まいは驚嘆の一言です。
 
一般的なイメージとしてはロックスタアなんかは、きっとセックス・ドラッグ・ロケンロールという日常の積み重ねだろうという認識なんでしょうが、他にもストーンズの面々等々も含め、ジェフ・ベックも節制と鍛錬を持続させてきたんじゃ~ないでしょうか。
 
そして、そうだとすれば、まさにギターの求道者!
 
さて、そこで本日掲載したのは、そんなジェフ・ベックの若き日の演奏が記録された音源をカップリングしたシングル盤で、これが我が国独自のブツなのかは定かではありませんが、とにかく日本で発売されたのは昭和44(1969)年頃だと思われます。
 
しかし、実際にレコーディングされたのは1964年8月と言われており、初出はイギリスで纏められたLP「ブルース・エニタイム Vol.3 (Immediate)」に収録されての事らしく、それが1968年晩秋でしたから、つまりは主役のジェフ・ベックがヤードバーズを経て第一期ジェフ・ベック・グループを結成し、最初のアルバムを出した直後ということは、まさにスタア街道を驀進中の勢いに乗じた企画盤!?
 
そ~ゆ~推察は易いところです。
 
しかし、これはサイケおやじが後に知った事なんですが、このジェフ・ベックの音源に限らず、前述したLP「ブルース・エニタイム」のシリーズに収録されていたトラックの数々は、1960年代初頭から活性化していた英国の若手ミュージシャン達によるブルース演奏の実践から録音されていたものであり、まずはそれを集めたのはストーンズのデビュー期からのマネージャーだったアンドルー・オールダムでした。
 
ただし、それは決してアンドルー・オールダムだけの作業ではなく、協力者としてブルースに造詣の深いマイクとリチャードのヴァーノン兄弟!
 
そうです、そのヴァーノン兄弟こそが、英国産ブルースロックの大ブームを導いた偉人であり、殊更マイク・ヴァーノンは自らのレーベル「ブルーホライズン」を設立し、チキン・シャックを売り出し、同時にフリートウッド・マックやサボイ・ブラウンという同系のグループも含めた、通称「ブリティッシュブルースの三大バンド」を手掛けた眼力(?)は特筆されるものです。
 
で、とにかくもブルースに賭ける情熱の発露として記録された音源の数々はアンドルー・オールダムの手元に集められ、前述したシリーズ企画のLP「ブルース・エニタイム」を自身が立ち上げたイミディエイトから発売し、それが同時進行的に盛り上がっていたブリティッシュロック上昇期の勢いとの相乗作用もあって、大いに注目を集めていた事にはサイケおやじも当時の洋楽雑誌で接していたんですが、その頃の乏しい小遣いでは、なかなかレコードも買えずに幾年月……。
 
もちろん、我が国のラジオ洋楽番組でも、未だそこまでマニアックな歌や演奏は流れる事も稀で、裏を返せば、もっともっと放送しなければならない(?)曲が山ほどあったというのが真相でしょう。
 
ですから、サイケおやじが件の「ブルース・エニタイム」の諸音源を本格的に聴いたのは、既に1970年代も2~3年が過ぎた頃で、あらためて述べるまでもなく、クラプトン・ベック&ペイジというブリティッシュ三大ギタリストの貴重音源を端座して鑑賞するという姿勢が求められる中での邂逅でありました。
 
そして今、ここで書き連ねている諸々を知るようになったのも、同時期以降の事です。
 
とお断りしたところで、肝心の掲載盤の音源については、まずレコーディングの名義が決して「ジェフ・ベックとオール・スターズ」ではなく、原盤では「The Allstars featuring Jeff Beck」になっていることに注目すれば、その「オール・スターズ」の構成メンバーが大いに気になるところでしょう。
 
結論から述べさせていただければ、件の「オール・スターズ」とは、英国におけるブルースやR&Bの立役者ともいうべきハーモニカ奏者のシリル・デイビスが率いていたバンドの残党であり、実はシリル・デイビスは1964年初頭に白血病で早世したという伝説の存在……。
 
そのキャリアは同ジャンルでは一方の雄であったアレクシス・コナーと1962年、ブルース・インコーポレイテッドを結成し、そのグループにはブライアン・ジョーンズ、ミック・ジャガー、ジャック・ブルース、エリック・バードン等々、後のブリティッシュロックを創生していく優れた人材が去来していたのですが、シリル・デイビス本人は直ぐにそこを抜け、自らが単独リーダーとしてシリル・デイビス・オールスターズを結成したのは揺るぎない事実です。
 
ところが前述したとおり、シリル・デイビスが病に倒れたために公式に残されたレコーディングは極めて少なく、そこで再出発を図るためでしょうか、残されたバンドメンバーが新規に録音セッションを敢行した時の音源がアンドルー・オールダムの管理下に入り、前述「ブルース・エニタイム」に収録されて世に出たという経緯があるようです。
 
さて、そこでようやく掲載したシングル盤に収録の音源について、参加したのはニッキー・ホプキンス(p)、クリフ・バートン(b)、カルロ・リトル(ds) の3名がシリル・デイビス・グループからの生き残りで、その彼等が頼んだプロデューサーがジミー・ペイジ!
 
もちろんギタリストとしてのプレイも見込んでの要請だったんですが、しかしジミー・ペイジが起用したのは親しい関係だったジェフ・ベック(g) だったという経緯があるなんですねぇ~~!?
 
そしてレコーディングされた幾つかの音源の中から選ばれた5曲が「ブルース・エニタイム Vol.3 (Immediate)」に収録され、さらに特にジェフ・ベックがメインのトラック2曲が、このシングル盤にカップリングされたというわけですから、決して所謂ハードロックやヘヴィメタルを期待してはなりません。
 
A面の「Steelin'」は一応ジミー・ペイジの作曲とクレジットされていますが、 極めてヘッドアレンジ一発のブルースインストジャムで、ミディアムスローな展開の中でスライドを用いたジェフ・ベックのギターが特有の浮遊してエキセントリックな感覚を披露していますよ♪♪~♪
 
ニッキー・ホプキンスの如何にもブル~スっていうピアノも良い感じの2分50秒が楽しめます。
 
ちなみにこの演奏は、イギリスでは1965年に発売されたヤードバーズのシングル盤「ハートせつなく / Heart Full Of soul」のB面に収録された「Steeled Blues」の原曲とされていますが、そこではしっかりジェフ・ベックとキース・レルフの共作とクレジットされているあたりが如何にもでしょうか。現在では様々なヤードバーズ関連のオムニバス盤に収録されている同曲と聴き比べるのも一興かと思いますが、個人的にはヤードバーズのバージョンに重心の低さがあるので、尚更のロックっぽさは感じるものの、浮遊感という気持ちの良さに関しては、こちらが好きです。
 
緩和休題。
 
一方、B面の「Chuckles」は、これまた作者がジミー・ペイジとされてはいますが、その実態はアップテンポのR&Rインストで、チャック・ベリーのスタイルに影響されたジェフ・ベックのギターは流石に鋭さの片鱗を滲ませていますし、ニッキー・ホプキンスのピアノが、これまた楽しいぃ~~♪
 
う~ん、盛り上がったところでフェードアウトしてしまうのが勿体ない、僅か2分半ほどの演奏ですが、これはこれで何度も聴きたくなる仕上がりだと思うばかりです。
 
ということで、繰り返しますが、決してへヴィロックではなかったので、これを初めて聴いた若き日のサイケおやじは物足りなさを感じたのが本当のところです。
 
なんたって、ベック&ペイジの共演による「幻の名盤」と喧伝されていたのですからっ!?
 
しかし、時が流れ、それなりに様々な音楽に接して来た現在のサイケおやじにとっては、殊更ジェフ・ベックのような老成という言葉が似合わない偉人に眩しさを感じるばかりです。
 
そういうピュアな心意気みたいなものが、常にジェフ・ベックの音楽からは伝わって来るところこそ、この偉大なギタリストの真髄かと思うのでした。
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残暑の中の相本久美子

2016-09-05 18:27:58 | Weblog
お熱いのはお好き? / 相本久美子 (CBSソニー)
 
いゃ~、台風の所為の蒸し暑さなんでしょうか、それにしても昨夜は寝苦しかったと感じた皆様も大勢いらっしゃったんじゃ~ないでしょうか?
 
本来なれば今の時期、秋の歌のあれやこれやを書きたいところなんですが、こんな異常気象じゃ~、キャッチーな夏の歌で爽快感に浸りたいという気分を本日は優先させてのご紹介として、ど~ですかぁ~、掲載したシングル盤のジャケ写の雰囲気は♪♪~♪
 
主役たる相本久美子はサイケおやじと同世代の皆様ならば必ずや忘れ難いアイドルでしょう。
 
なんたって土居まさるが司会をやっていた頃の「TVジョッキー(日本テレビ)」では、あの「白いギター」のアシスタントしてミニスカ姿も眩しい可愛らしさは不滅であり、程好いスレンダー系のボディスタイルと和やかにしてキュートな面立ち、さらには臨機応変な会話の上手さは本当にイヤミがありませんでしたから、雑誌のグラビアや表紙、そして芸能人水泳大会も含む活躍は、それこそ野郎どもがノー文句で好きになる相本久美子の絶対的な魅力です。
 
それは現在、孫もいる年代となった彼女であっても、失せる事の無い真実として認識されているわけで、かなり今でも「ぶりっ子」しているところがナチュラルに思えるんですから、可愛さ余って憎さ百倍ってのは、相本久美子の真骨頂かもしれません。
 
で、そ~ゆ~わけですから、アイドル時代からの彼女の活動には当然ながら歌手としての履歴もあって、実は最初にデビューした時は「近藤久美子」の芸名で、それが昭和49(1974)年頃だったらしいんですが、特段のヒットも出せないまま、2年後に「相本久美子」に改名してからの大ブレイクは、前述した「TVジョッキー」のアシスタントが契機だったような記憶があります。
 
しかし、それでも歌手としてのヒットが出せなかったのは、今となっては不思議の一言……。
 
綺麗な節回しが出来るほどに歌唱力も安定していましたから、シングル盤だけでも10枚以上は出していて、それらの楽曲も秀逸でしたし、アルバムも充実作が残されているんですけどねぇ~~、何故だっ!?
 
という思いがサイケおやじには本当に強いです。
 
さて、そこで肝心の掲載シングル盤A面曲「お熱いのはお好き?」は昭和54(1979)年初夏に発売された、これが作詞:松本隆&作曲:穂口雄右、そして編曲:大村雅朗という、当時のヒットメーカートリオから提供されたニューミュージック系サンバ歌謡とでも申しましょうか、なかなか素敵な仕上がりなんですよ♪♪~♪
 
それは決して明るいばかりじゃ~なくて、絶妙のマイナーメロディも織り込まれ、リズムの躍動感を活かした饒舌な歌詞の構成と展開が、おそらくは意図的であろう、幾分レイドバックした相本久美子の節回しにはジャストミートですよ♪♪~♪
 
いや、と言うよりも、それは良い意味での「不真面目さ」が滲む歌詞、また楽曲の企図されたところを理解した彼女の意思によるものと思いたいです。
 
あぁ、この衣装の開いた胸元も大いに気になる彼女のジャケ写を眺めつつ聴く歌の心地良さ♪♪~♪
 
ということで、早く涼しくならないかなぁ~~、という願いは毎年残暑への嘆きであり、これが真冬ともなれば、全く逆の夏を待ち望むんですから、人間という生き物は身勝手の極み……。
 
まさにそれゆえに先日来の天災が降りかかったとは思いたくもありませんが、自然に身をまかせる他はないのが運命だとしても、せめて心の豊かさだけは失いたくないものです。
 
そして音楽が、その一助になれば♪♪~♪
 
最後になりましたが、前述したとおり、相本久美子は大ヒットと称賛されるような歌が出せなかった所為でしょうか、残された音源の再発状況が全く芳しくないようです。
 
願わくば、当時の映像共々に纏まった復刻を強く望んでいるのでした。
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蘇るジャズ者魂

2016-09-04 19:55:12 | Jazz
Sonny Rollins Trio & Horace Silver Quintet Zurich 1959 (TCB = CD)
 
さて、先日書いたとおり、借りているトランクルームの不備確認に赴いた機会に、ネット等々で注文していながら開封もせずに放置していたブツを幾つか持ち帰ったんですが、その中のひとつが本日ご紹介の発掘音源CDです。
 
なんとっ!
 
ソニー・ロリンズとホレス・シルバーという、モダンジャズ最盛期に圧倒的な人気と実績を残した名プレイヤーが、各々自らのバンドを率いての欧州巡業の最中、スイスのラジオ局のスタジオで放送用に残した音源をカップリングしてあるんですねぇ~~!
 
しかも録音データを確認すると、それが1959年3月5日なんですから、両者共に全盛時代の演奏が堪能出来るにちがいないっ!
 
というワクワク感は、まさに音楽を聴く喜びの助走に他なりません。
 
☆Sonny Rollins Trio
 01 I Remember You
 02 I've Told Every Little Star
 03 It Could Happen To You
 04 Oleo
 05 Will You Still Be Mine?
 まず前半はソニー・ロリンズ(ts) が率いるトリオの演奏で、他にメンバーはヘンリー・グライムス(b) とピート・ラロッカ(ds) が脇を固めているんですが、皆様ご存じのとおり、当時のソニー・ロリンズはさらに自由な発想でアドリブ主体の演奏を志していたという目論みからすれば、ここで聴かれる5曲は何れもがソニー・ロリンズの天才性を堂々と証明するトラックばかりです。
 もちろん、「自由な発想」と言っても、闇雲なフリージャズなんかに走る事は決してなく、ソニー・ロリンズならではのリズムの「外し」を用いたテーマメロディの柔軟な解釈や瞬間芸的に紡ぎ出されるアドリブフレーズの妙、さらには主題曲構造を決して逸脱せずにリスナーを仰天させるが如き、不意打ちの快感のような展開を堪能させてくれるあたりは、まさにモダンジャズの醍醐味を提供するソニー・ロリンズの存在証明でありましょう。
 そして演目それぞれについては有名スタンダードが4曲と自身の代名詞的なオリジナル「Oleo」ということで、その詳細は省かせていただきますが、アップテンポでドライヴしながら独特の歌心を発散させる「I Remember You」、緩急自在な「I've Told Every Little Star」 、中盤まで無伴奏ソロで聞かせるスローな「It Could Happen To You 」、豪放にして軽妙洒脱なユーモア感覚も交えた「Will You Still Be Mine?」には、わかっちゃ~いるけどノセられてしまうツボがきっちり刺激されてしまいますし、悠々自適な「Oleo」こそは、ソニー・ロリンズが演じてこその輝きが否定出来ません。
 また、共演のヘンリー・グライムスのベースワークも秀逸で、豪胆と繊細のコントラストが素晴らしく、同時にピート・ラロッカの叩き出すポリリズムっぽいドラミングのビートの芯をしっかりサポートする働きも侮れませんよ。
 ちなみにジャズ史的には、この巡業直後にソニー・ロリンズは活動を縮小停止しての所謂「雲隠れ」という転換潜伏期に入り、1962年録音のLP「(RCA)」で第一線に復帰してからはフリージャズも視野に入れた賛否両論の演奏形態に変化変身していることから、あくまでもハードパップというモダンジャズの最高に美しいスタイルが爛熟寸前で楽しめるここでの音源は、ソニー・ロリンズのファンならずとも、全世界のジャズ者には絶好のプレゼントだと思います。
 気になる音質もモノラルミックスながら良好で、実は音源そのものは昔っから出回っていたんですが、それはラジオ放送からエアチェックだったと推察も出来るほどの差異が感じられますので、この復刻CDは放送局に保存されていたマスターテープが用いられているのでしょう。
 あぁ~、こんなに素晴らしい演奏を披露していたソニー・ロリンズが一時的にせよ、逼塞してしまうなんて、当時の天才は何を考えていたのか、凡人のサイケおやじには不可解極まるのでした。
 
☆Horace Silver Quintet
 06 Nica's Dream
 07 Cool Eyes
 08 Shirl
 09 Ecaroh
 10 Senor Blues
 さて、こちらのホレス・シルバー・クインテットの音源も同日に録音された演奏で、メンバーはホレス・シルバー(p) 以下、ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)、ジーン・テイラー(b)、ルイス・ヘイズ(ds) という、今では夢の顔ぶれこそは、ホレス・シルバーが爆発的な人気を誇っていた時期の傑作LP「フィンガー・ポッピン(Blue Note)」レコーディング直後ということですから、ガッツ溢れる演奏はお約束、と書きたいところなんですが……。
 ど~にも、こちらの期待が大き過ぎたのかイマイチ、熱気に欠ける印象が否めません。
 実は、この前のソニー・ロリンズの演奏パートもそうだったんですが、放送用録音と云っても、決して公開セッションではなく、スタジオには観客が入っていないもんですから、そんな状況がマイナス方向へと作用していたとしたら、何かしら勿体無い気がするほどです。
 また演目もホレス・シルバーの代表曲のひとつとして以前以降何度も録音され、常にライブの現場でもやっていたであろう「Nica's Dream」はともかくも、「Cool Eyes」「Senor Blues」、そしてリズム隊だけで演じられる「Shirl」の3曲は、1956年11月に全く別なフロント陣で録られたLP「6 ピーシズ・オブ・シルバー(Blue Note)」からのプログラムですし、「Ecaroh」にしても、1950年代初頭に作られ、リーダー自身がこれまた何度かレコーディングも残しているという、つまりは当時のステージでは、このあたりが定番だったという真相が失礼ながら、今日のリスナーには手慣れた印象を与えているのかもしれません。
 しかし、それは同時に贅沢な戯言である事も確かであって、これほど安定したハードパップを現代で聴けるという僥倖は、そんなにあるもんじゃ~ないでしょう。
 やっぱり、文句をタレるのはバチアタリってもんだと、痛切に反省している次第です。
 
ということで、久々にガチンコで聴いたジャズは、やっぱり良いですねぇ~~♪
 
この勢いで、未開封のブツに手を伸ばしておりますので、追々にご紹介していきたいと思っています。
 
よろしくです。
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レイシーさん、こんにちは

2016-09-03 19:59:57 | 歌謡曲
可愛さはちょっぴりセクシー c/w 三杯の珈琲 / 恵レイシー (日本ビクター)
 
セールスには話術の上手さが必須とされますが、つまりは相手を「その気」にさせる弁舌の巧みさと書けば語弊もございましょうが、サイケおやじをすっかり「その気」にさせてくれるのが出張の度に訪れる某地方都市の中古屋の店主でして、実は本日掲載したシングル盤も、その手に気持ち良くノセられた結果として、手元にやって来た1枚です。
 
歌っている恵レイシーは知る人ぞ知るという、なかなかマニアックな人気者で、それというのも近年、このシングル盤のB面に入っている「三杯の珈琲」がセクシー歌謡のオムニバスCDに収録され、一躍メジャー(?)な存在に成り上がったという経緯があり、しかし昭和52(1977)年に発売された肝心のレコードそのものが、リアルタイムでは、ほとんど売れていなかったという幻想がありますからねぇ~~、サイケおやじにしても、現物に接したのは前述した中古屋の店頭が最初でありました。
 
しかも、件の店主が「なかなか入ってこない珍盤で、この機会を逃すと云々」、Not A Secand Time という猟盤活動における至言で忠告(?)してくれるもんですから、完全に「その気」にさせられたのが、つい先日の事でありました。
 
また、言うまでもなく、恵レイシーという幻の歌手のルックスやプロフィールにじっくりと(?)接してみると、彼女は決してハーフではなく、本名が山路緑という、和歌山県出身の当時は現役の女子大生だったとか!?
 
うむ、そんなこんなもありまして、失礼ながら如何にもB級感が強い面立ちが不思議と愛おしいですよ♪♪~♪
 
で、いよいよ全く聴いた事も無かった作詞:埜村悦&作編曲:松原曽平が提供のA面曲「可愛さはちょっぴりセクシー」に針を落としてみれば、なかなかオシャレなフレンチポップス系のメロディが心地良く、しかも歌詞のキメが
 
 レイシ~ ファンシ~ セクシ~ ラララ~♪
 
てなもんですから、自分の芸名を歌い込んでいるという味付けの濃さが、たまりません。
 
ライトタッチの演奏パートにちょっぴりエコーの効いたボーカルが、曲タイトルどおりにセクシーな雰囲気を狙っているんでしょうか、賛否両論はあろうとも、個人的には憎めません。
 
一方、既にカルトな有名曲になっている作詞:夏山登&作編曲:松原曽平によるB面収録の「三杯の珈琲」は、初めて聴いた時から、なんでこれがセクシー&お色気歌謡なのか?
 
という疑問を抱き続けいたわけですが、サイケおやじとしては、ある種のコミックソングとして受け入れているもんですから、ここまでと致します。
 
気になる皆様は、ぜひともご自分の耳と感性でご確認下さるよう、お願い申し上げます。
 
ということで、この世には、こ~ゆ~ブツがまだまだどっさり存在しているにちがいありませんから、サイケおやじとしては精進を重ねる以外に道はなく、同時に「その気」にさせられる機会も大切したく思います。
 
ただし、問題なのは、そこで我欲をどのように抑制出来るか、そして適正な判断力を維持できるかについては、なかなか意思の強さを求められるわけでして……。
 
そんなこんなも人生の修行かもしれないなぁ~、と思っているのでした。
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これで残暑をブッ飛ばせ!

2016-09-02 19:09:17 | Winter Family
Good Love In San Diego 1974 FM Radio Broadcast / Johnny Winter (Iconography = CD)
 
近年は「Live Bootleg Series」とか、ジョニー・ウィンターもまた長いキャリアを有する人気者ならではのアーカイヴ商法でファンを一喜一憂させていますが、既に鬼籍に入られた事もあるんでしょうか、ますます様々な音源や映像が流通している現状には、それが故人の意思とは別なものであったとしても、サイケおやじは素直に感謝の気持ちで接するばかりです。
 
と、初っ端から神妙な態度で書き始めてしまった本日の拙稿は、しかしご紹介のCDを聴きながらという実情からしても、冷静さを保てるほどの余裕はありません。
 
なにしろジョニー・ウィンターの歌と演奏が、本当に熱いんですねぇ~~♪
 
それがCDに記載されたデータを信じるかぎり、1974年にサンディエゴで行われたライブ音源をメインに、ボーナストラックもサービスされた本日ご紹介のブツの凄さです。
 
 01 Good Love
 02 Bad Luck Situation
 03 Stone County
 04 Silver Train
 05 Jumpin' Jack Flash
 06 Johnny B. Goode
 
まず上記の6曲が件の1974年の演奏とされるもので、メンバーはジャケット等に記載はありませんが、ジョニー・ウィンター(vo,g)以下、フロイド・ラドフォード(g)、ランディ・ジョー・ホブス(b,vo)、リチャード・ヒューズ(ds) という当時のレギュラーバンドの顔ぶれだと思います。
 
つまり、説明不要ではありましょうが、当時のジョニー・ウィンターは諸事情から、それまで一緒に活動する事も多かった弟のエドガー・ウィンターや相方看板ギタリストのリック・デリンジャーと袂を分かち、自らが信ずるブルースやロケンロールへ独立独歩という姿勢を顕著にしていたとファンには思えた時期であり、それが1976年には「狂乱のライブ / Captured Live! (Columbia)」という爆発的なロックアルバムに結実する、まさにその過程のある日のステージが、ここに聴かれるというわけですからねぇ~~♪
 
とにかくド頭から「ジョニィ~ウィンタァ~~~!」というMCに導かれて始まるミディアムアップのブルースロック「Good Love」のグルーヴだけで、サイケおやじはシビレが止まりませんよっ!
 
実はこの音源はアナログ盤時代からブート化されていた優良人気ソースで、サイケおやじもカセットテープで所有し、聴き狂っていた前科があったんですが、そこでは些か団子状だったミックスが、このCDではきっちりステレオミックスに分離された聴き易さがあって、左チャンネルから真ん中寄りにジョニー・ウィンター、右チャンネルにフロイド・ラドフォードのギターがクッキリと聴き分けられるのも楽しいところでしょう。
 
う~ん、あらためて感じるのはジョニー・ウィンターのブチ切れは言わずもがな、フロイド・ラドフォードのサイドプレイの堅実な貢献があればこそのバンドコンビネーションは、流石はプロのバンドという纏まりです。
 
ご存じのとおり、フロイド・ラドフォードはエドガー・ウィンターのバンドから横流れ的に入ったと思われますし、例えば2曲目の「Bad Luck Situation」で弾いているギターソロも単調で面白味が無いというのが正直な感想ではありますが、あえてスタアの脇役という立場を貫くという姿勢もプロの証かもしれません。
 
逆に言えば、フロイド・ラドフォードに限らず、ランディ・ジョー・ホブスとリチャード・ヒューズにも、そうしたプロ根性が強く感じられ、だからこそジョニー・ウィンターのギターが天衣無縫に大暴れ出来ているんじゃ~ないでしょうか。
 
そう思えば続く明るいロック曲「Stone County」における、殊更後半で十八番の展開を披露するジョニー・ウィンターにも得心がいきますねぇ~♪
 
さて、実はこの音源には大きなウリがあり、それが「Silver Train」に「Jumpin' Jack Flash」という、ストーンズから直伝(?)のブルースロック&ロケンロールの狂乱大会で、鬼気迫るスライドとフィンガーピッキングの合わせ技をたっぷりと堪能させてくれる「Silver Train」は、なんとっ!
 
12分半近い大熱演ですから、特に中盤からドラムスだけをバックに弾きまくるジョニー・ウィンターの神業に身も心もグッと惹きつけられ、悶絶してしまいます♪♪~♪
 
うひぇ~~、こんなアップテンポで、これほどのウルトラ技が出せるなんて、恐ろしいですっ!
 
また、ボーカルのダーティな色気とでも申しましょうか、それもブルースやロックの本質のような気がしています。
 
その意味で、お待たせしましたっ!
 
狂乱するリスナーを煽る、例の「ロッケンロォ~~ル!」の掛け声一発で始まる「Jumpin' Jack Flash」も痛快至極で、バックを務める3人のロックグルーヴも申し分ありませんし、思わず一緒にお馴染みのリフを弾いてみたくなる衝動を抑えきれない皆様もいらっしゃるにちがいありません。
 
だって、サイケおやじが既にそ~ですからっ! 恥ずかしがっている場合じゃ~ありませんねぇ~♪
 
ですから、これまたジョニー・ウィンターのステージでは定番化していたR&Rの古典「Johnny B. Goode」が全力疾走しているのは当然が必然であり、あぁ~~、こんなライブステージに生で接していたリアルタイムの現場のお客さんが羨ましくてなりませぬっ!
 
そして既に述べたとおり、当時の録音として音質が良好ですから、現代のモニターミックス直みたいなブートに慣れているお若い皆様にも、これが「1970年代ロックの音」として楽しんでいただけると思います。
 
まあ、欲を言えば、おそらくは大会場だった所為もあるんでしょうが、観客からの拍手や声援がオフ気味なんで、ライブならではの臨場感が足りないという実態もあるんですが、まあいいか♪
 
さて、ここから記すのは、気になるボーナストラックについてなんですが、不覚にもサイケおやじは初めて聴く音源であり、だからこそ、このブツをゲットしたという真相も……。
 
 07 Hey Joe
 08 Mississipi Blues
 09 Bony Moronie
 
結論から述べれば、まずこの3曲には明らかにサイドギターが参加しておらず、録音された会場も小さいホールかライブハウスみたいな所という雰囲気が濃厚です。
 
しかもジョニー・ウィンターのギターやボーカルの音の響きが、この前に収録されている6曲と決定的にちがうんですよ。
 
また、ブルースハーモニカが入る演奏もありますから、もしかしたらジョン・パリス(b,hmc) &ボビー・トレロ(ds) と組んでいた1980年代以降のトリオ編成期の音源かもしれません。
 
しかし、このCDのサブタイトルにもあるとおり、こっちもFMラジオ放送用の音源と言われれば、そのとおりの聴き易さがありますので、モノラルに近いミックスではありますが、なかなか素直に楽しめますよ。
 
それはジミ・ヘンドリックスが十八番だったへヴィロックの古典「Hey Joe」の混濁した熱気、そこで緩急自在に呻きまくるギターの凄みは、ジミ・ヘンドリックスとは似て非なるというよりも、ジョニー・ウィンターの天才的なブルースロックの衝動と感性から弾き出されものだと思います。
 
その意味で尚更に黒人ブルースにどっぷりの「Mississipi Blues」は、ユルユルのギターにドロドロしたボーカルというジョニー・ウィンター流儀の弾き語りがシブい旨味に溢れておりまして、その場の観客共々にハートウォームな雰囲気の良さがたまりません♪♪~♪
 
前述した、おそらくはジョン・パリスかもしれないハーモニカも良い感じ♪♪~♪
 
あぁ、これが16分もやってくれるブルースロックの桃源郷でありますよっ!
 
そして告白すれば、サイケおやじは、こ~ゆ~スタイルのフィンガーピッキングによるブルースギターは出来ないので、本気で練習しようという意欲に駆り立てられてしまいます。
 
さらに演奏は後半からドラムスも入った展開となり、グッと重心の低いミディアムテンポのグルーヴが、これまたエレクトリックなブルースの素晴らしさを伝えてくれるんですから、このまんま昇天しても悔いは無いと思えるほどですねえ~♪
 
それでもオーラスの「Bony Moronie」で炸裂する熱血ロケンロールのラフな歌と演奏には、その「なげやり」な感じが如何にもの雰囲気で、すっかりお疲れの後には、もう一丁、打ち上げが楽しみぃ~~~♪
 
みたいな巡業続きの終わりなき日常が記録されているような気がして、憎めません。
 
ということで、ここにご紹介した音源は掲載したCD以外にもタイトルやジャケットデザインを変えた別業者からのブツも幾つか出回っているんですが、サイケおやじが、あえてこれをゲットしたのは皆様ご推察のとおり、多分レスポールで熱演中のジョニー・ウィンターのショットに惹かれたからに他なりません。
 
1970年代中頃からのジョニー・ウィンターは、例えば前述したアルバム「狂乱のライブ / Captured Live! (Columbia)」等々のジャケットにも写っているように、ファイヤー・バードが多かったように思いますのでねぇ~♪
 
まあ、それはそれとして、残暑厳しき日々も続きそうですが、ここはジョニー・ウィンターが全盛期の音源でも鳴らし、燃え盛るブルースロックの熱気に汗ダラダラの我慢大会の如く、逆の発想でスッキリしようではありませんかっ!
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大野雄二+前野曜子=コブラ

2016-09-01 19:25:40 | 歌謡曲
コブラ c/w シークレット・デザイアー / 前野曜子 (日本コロムビア)
 
テレビ番組の主題歌には一聴して忘れ難い曲が多くて、そこから大ヒットが出るのは今も昔も変わらない真実でしょう。
 
そして当然ながら、所謂ヒットチャートに入らなくとも、その番組と共に何時までも視聴者の心に残り続けるメロディーや歌声が夥しく存在するのも、また事実!
 
ましてや、それがお気に入りの歌手やミュージシャンによって演じられたものであるならば、後は自ずとそれが聴けるレコードをゲットさせれるのも自然の摂理ということで、本日掲載したのは少年ジャンプに連載されていた寺沢武一のSF漫画「コブラ」を原作として昭和57(1982)年秋からフジテレビ系列で放送されていたアニメ「スペースコブラ」の主題歌とエンディングテーマをカップリングしたシングル盤です。
 
いゃ~、なんたって歌っているのがペドロ&カプリシャスの初代ボーカリストとして大活躍した前野曜子ですからねぇ~~~♪
 
しかも作詞が冬杜花代子に作編曲が大野雄二! なんですから、サイケおやじには極上のプレゼントでありましたですよ♪♪~♪
 
実はアニメ本篇の音楽を担当したのは羽田健太郎だったということから、そこではクラシックや現代音楽からの引用バリエーションも散見され、また生真面目にモダンジャズな感じとか、失礼ながら個人的にはそれほど宇宙海賊コブラという、時として下世話な本音を吐露する主人公にはちょっぴりミスマッチな印象もあったもんですから、尚更に如何にも大野雄二の提供するサスペンスフュージョン歌謡とでも呼びたいような音楽世界にシビレてしまったわけで、繰り返しますが、なんたって前野曜子のボーカルですからねぇ~~~♪
 
まずはA面「コブラ」からして、これがズバッとサスペンスタッチな疑似「ルパン三世」のイントロからアップテンポの曲構成は、テンションの高い演奏パートとメロウなムードも疎かにしていないメロディ展開が実に心地良く、前野曜子も持ち前のナチュラルなハスキーボイスを交えつつ、ハートフル&セクシーな節回しを全開させ、リスナーを心底酔わせてくれるますよ♪♪~♪
 
あぁ~、当時も今も、これに何度も繰り返し針を落としてのリプレイは言わずもがな、未だカセットテープが現役だった時代ですから、片面30分のトラックいっぱいに10回ほどダビング録音を繰り返しては懐かしのウォークマンやカーステレオで聴きまくったものでした。
 
それはB面に収録されたエンディングテーマの「シークレット・デザイアー」も同様で、こちらもまた大野雄二が十八番のオシャレ系4ビートを用いたジャズ歌謡なんですが、英語詞も交えた前野曜子の歌の上手さがあればこそ、アニメドラマ本篇の余韻共々に、せつなくも儚い夢を追う主人公というよりも、現実世界に生きている我々の心象風景を憧れへと導くほどの感情移入を呼び覚ましてくれんですねぇ~♪
 
なぁ~んて、書いている自分が気恥ずかしくなるほどの思い入れはサイケおやじが何時もの事ではありますが、前野曜子が大野雄二の楽曲を歌ってくれたという、それだけでもウルウルしてしまうほどの気持ちの昂ぶりは今も継続中というわけです。
 
ちなみに原作となったSF漫画「コブラ」の主人公は確か平凡なサラリーマンが、実は左腕が念力を照射するサイコガン(!?)の宇宙冒険野郎で、その記憶が消えたり蘇ったりしながら敵を倒していくという痛快な物語だったんですが、特筆すべきは作画タッチが所謂アメコミ風でしたから、登場する女性キャラクターの衣装もボンデージ系やセクシーファッションが多く、加えて当然ながらグラマーな妖艶美を前面に出していたという好ましさ♪♪~♪
 
それが昭和57(1982)年頃に公開された劇場版はともかくとしても、こっちのテレビ版では原作ではお約束だったヌード場面等々はもちろん無く、どうにか前述したボンデージ系のイメージが、かろうじて残されていたのはギリギリのサービスだったように思いますが、今となっては結果オーライじゃ~ないでしょうか。
 
リアルタイムで堪能されたファンであれば、様々な感慨をお持ちでありましょうし、未体験の皆様には劇場版もテレビ放送版も既にDVD化されておりますので、機会があればお楽しみ下さいませ。
 
もちろん、この前野曜子の歌を含むサントラ音源集もCD化されていますよ。
 
最後になりましたが、例によって妄想してしまうのが、実写版「コブラ」の制作希望であり、サイケおやじとしてはメジャーなグラビアモデルやセクシー女優をたっぷり登場させる方向性に期待するところなんですが、もちろん懸念するのは制作側の煮え切らなさであり、登場キャラクターのイメージが損なわれていれば、それで全てが台無しになるというミエミエの結果です。
 
うむ、これはこれで、ここで留めておくべきかもしれませんねぇ……。
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