■ハロー・チャーミング / 朝加真由美 (CBSソニー)
掲載したのは朝加真由美がアイドル時代の最後の1枚と思われるシングル盤で、しかも彼女がアシスタントを務めていた「オールスター家族対抗歌合戦」のエンディグテーマ曲という別格の扱いだった「ハロー・チャーミング」がA面!?
と書く他はなかったのは、失礼ながら相変わらず彼女の歌唱力が???
なもんですから……。
しかし、それでも作詞:さいとう大三&作曲:佐藤健、そして編曲:高田弘によるプロの仕事は流石に素晴らしく、ちょっとユーモラスなオチが利いた歌詞に溌剌チャーミングなメロディ、さらには演奏パートの要所でスライド、もしかしたらトーキング・モジュレーターを使ったかのようなギターサウンドの隠し味もニクイばかりのアレンジには耳を奪われてしまいます。
と同時に朝加真由美の声質というか、ルックスには色っぽい風情が隠しようもないのとは逆に、歌いっぷりがブリブリのぶりっ子歌謡という倒錯性が♪♪~♪
このあたりの感じ方は例によってサイケおやじの変態性の証なんでしょうが、それでもジャケ写に登場している朝加真由美は既にしてセクシーなお姉様ですよねぇ~~♪
ちなみに前述したトーキング・モジュレーターとは、当時のジェフ・ベックやピーター・フランプトン、ジョー・ウォルシュ等々が使っていたことで知られるようになったエレキギターのアタッチメントのひとつで、そこから伸びているホースを口に加え、呼吸と発声を組み合わせて振動させた空気を増幅するという仕掛けになっていて、サイケおやじも日本製のマクソンを今でも愛用しているという、ちょっぴり好き嫌いがある道具です。
手入れをしっかりしていないとホースの中にカビが発生したり!?
ということで、これは如何にも発売された昭和51(1976)年らしいと言えば勘違いかもしれませんが、前述したトーキング・モジュレーターの使用に関しては、その頃のロックでは流行の一端でもありましたし、正統派アイドルの仕事先としてのテレビ番組アシスタントという、所謂「感じの良さ」が優先される立場としての彼女の存在の確かさも相まって、レコード蒐集の趣味には格好のブツかもしれません。
ただし、毎日聴くという作業(?)は必要が無いという事も正解であり、時折に取り出してジャケットを眺め、中身のレコードの手触りだけを楽しむのも、決して悪い事じゃ~ないかと思えば、なかなかイヤミな自分に嫌悪感も……。
うむ、奥の細道は、またまだ続きそうです。