OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

哀しい妖精のシンシア

2016-09-20 17:21:41 | 歌謡曲
■哀しい妖精 / 南沙織 (CBSソニー)
 
南沙織というよりも、これこそシンシアの名曲名唱と決めつけたくなるのが本日掲載のシングル盤A面収録の「哀しい妖精」です。
 
何故ならば、作曲、つまり曲メロを提供したのがジャニス・イアンであり、それに松本隆が日本語の歌詞を乗せたという制作過程が後に明らかにされてみれば、まさに洋楽歌謡のセオリーがそこにある以上、シンシア以外にこれを歌えるアイドルシンガーは存在しえない!
 
それほど、この「哀しい妖精」は南沙織の持ち歌の中でも屹立したシングル曲であり、歌謡曲の歴史の中でも、ちょうど発売された昭和51(1976)年秋頃から急速に勢いを増していたニューミュージックという新種に対するアイドルシンガーからの素敵な回答!
 
サイケおやじには、そのように思えましたですよ♪♪~♪
 
なにしろ、まずはアコースティックギターをメインにした演奏が曲メロにジャストミートしていますし、特にAメロのコード進行が歌謡フォークの黄金律という事は、如何にも日本人好みなところに加えて、中サビの力強さとせつなさのバランスにも胸が熱くさせられるんですが、そこに如何にもの松本隆の歌詞が乗っているんですから、たまりません。
 
また、萩田光雄のアレンジがカントリーロック&ポップスのキモを掴みきった秀逸さで、本当に何度聴いても飽きないんですが、もちろんそこにはシンシアならではの伸びのある、そして切迫感が滲む歌い回しがある事は言うまでもないでしょう。
 
いゃ~、実は今日は車の中で何度もリピートして聴くほどに入り込んでしまいましたよ、シンシアの歌の世界に♪♪~♪
 
聞くところによると、シンシア本人もこの「哀しい妖精」がお気に入りだそうですし、だからこそ同年末に特に発売したと思う他はないアルバムが「ジャニスへの手紙」、そしてそこには「哀しい妖精」の原曲「I Love You Best」がジャニス・イアンのオリジナル英語詞で歌われている事にも心底納得です。
 
ちなみに同曲は件のLPでは当然ながらA面のトップに据えられていて、しかもそのイントロ部分には彼女とジャニス・イアンの実際の短い会話が入っているのも、ニクイばかりでしたねぇ~~♪
 
個人的にも、このアルバムはA面が主にジャニス・イアンの持ち歌の日本語カバー、そしてB面が洋楽フォーク&フォークロックの英語詞によるカバーという、なかなか素敵な企画盤でしたので、好きです♪♪~♪
 
それとジャニス・イアンも、まさにこの頃からの3~4年ほどが人気絶頂期であり、殊更我が国ではテレビドラマや映画の主題歌に原曲オリジナルが用いられたりしていましたから、日本人の琴線にふれるメロディを書けるシンガーソングライターだった事は忘れてはならないと思います。
 
しかし、このシンシアの「哀しい妖精」が素晴らし過ぎるが故にというか、サイケおやじは未だにジャニス・イアン本人歌唱によるオリジナル曲「I Love You Best」が入っているレコードを知りません。
 
これはぜひ、皆様から教えていただきとうございますので、よろしくお願い致します。
 
ということで、これを書いている今も、日本には台風が襲来して、各地で大きな被害が続出! 関東地方も帰宅時には大雨の最中という事になりそうですねぇ……。
 
被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
 
そしてこれからという地域の皆様には、注意万全、安全第一ですよねぇ~~。
 
明日は台風一過かもしれませんが、とにかく今はご用心・ご用心!
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ディランの真髄はプロテストソングなのか?

2016-09-19 17:27:28 | Singer Song Writer
George Jackson / Bob Dylan (Columbia / CBSソニー)
 
リアルタイムで初めて買ったボブ・ディランのLPは「新しい夜明け/ New Morning」で、それは昭和46(1971)年という我が国の歌謡フォークブームが盛り上がっていた時期でしたから、サイケおやじとしても納得しての切迫感に酔わされていたところがありました。
 
そして件の「新しい夜明け / New Morning」が思惑以上に聴き易かった所為もあり、また歌謡フォークよりは洋楽のそれが本物!?
 
なぁ~んていう勘違いもあったもんですから、翌年に新譜扱いで発売された掲載のシングル盤も迷わずというか、実は半分近くはミエで買ってしまったのが本当のところです。
 
もちろん、そんなこんなを書いているのは、だいたいがプロテストソングを歌っていると解説されていたボブ・ディランの諸作、あるいは他のフォークシンガーの歌を聴いたところで、英語もロクに分からなかった当時のサイケおやじには猫に小判、馬の耳に念仏だったわけですからっ!
 
ところが、それでもこのシングル盤に入っている「George Jackson」に惹きつけられたのは、すっかりロックスタアに変身(?)していたボブ・ディランが久々にプロテストソングを歌った!
 
等々のマスコミの煽りにノセられてしまったからで、しかもご丁寧にシングル盤の両面に同じ歌がアレンジを変えての収録!?!
 
という、如何にもプロテストな執念を感じた事にもありました。
 
それはわざわざ「Big Band Version」とされたA面がボブ・ディラン(vo,g,hmc) 以下、ベン・キース(steel-g)、レオン・ラッセル(b)、ケネス・バトリー(ds) の他にコーラスが入ったカントリーロックであったのに対し、「Acoustic Version」とされたB面がボブ・ディランの弾き語りという仕様で、率直に言えば、同じ歌を使い回しているのですから、所謂コスパは悪いわけですが……。
 
実はA面が約5分半強、対してB面は3分半強というランニングタイムの違いがミソ!?
 
実はこの「George Jackson」という歌は、黒人の過激政治団体「ブラック・パンサー」の幹部指導者であり、収監中だった刑務所から脱獄を企てたとして射殺されたジョージ・ジャクソンの事件を露骨に、そして大袈裟にっ!?
 
というふうに当時のアメリカの権力者達は決めつけていたところから、しかしボブ・ディランという稀代の詩人がそれを歌う事も妨げられず、そこで作られたレコードにはロングバージョンよりはショートバージョンがラジオ放送でも扱い易いという目論見があったと言われています。
 
しかし、それこそがボブ・ディランの本当の狙いで、なぜならば弾き語りのショートバージョンの方が歌詞がはっきり聴き取れるのですからっ!
 
 朝、目覚めると、涙で寝床が濡れていた
 あいつらが僕の本当に愛する人を殺してしまった
 あいつらが彼の頭を撃ったんだ
 
 神様… 神様…
 
 あいつらがジョージ・ジャクソンを殺したんだ
 
 神様… 神様
 
 あいつらがジョージ・ジャクソンを死の世界へ送ったんだ
 
という歌詞の中身には、もっと複雑な意味合いが隠されているのかもしれませんが、シンプルに聴き取っても、そんな反権力な歌であり、実際の事件現場では看守による集団暴行の嫌疑があるとか、様々に大きな波紋があったようですし、この事件に影響された刑務所の暴動や抗議デモによる騒乱がアメリカでは多発していたとあっては、ボブ・ディランの歌も穏やかには受け入れられないでしょう。
 
何よりも大手レコード会社のコロムビアが発売に踏み切ったという現実にも様々な憶測が渦巻くと思われますから、それだけボブ・ディランは危険分子でありながらも、同時に「お金の成る木」であった証かもしれず、若かった頃のサイケおやじにしてみれば、そんな諸々にもボブ・ディランの凄さを感じさせられたものです。
 
ただし、正直に告白すれば、楽曲そのものや演奏は、他の「ディランの聖典」に比べて、そんなに面白くはありません。
 
未聴の皆様も、特に「Big Band Version」という惹句には、もっとド派手なスワンプロックを期待されるかもしれませんが、実はシンプルでスカスカな演奏には肩すかし……?
 
それでも同時期に発売されていた「グレーテストヒット第二集」から流用されたと思しきジャケ写デザインのカッコ良さ、さらにはしばらくの間、この「George Jackson」が正規LPには未収録になっていた事もあり、シングル盤そのものがコレクターズアイテムになっていたのは、ちょっと嬉しかったです♪♪~♪
 
ということで、現在ではきっちり両バージョン共にCD化されていますので、今となっては何が問題だったのかという疑問も歴史の中の出来事でしょうし、我が国においては、そんな事情や経緯なんて、ますます無関係でありましょう。
 
ただ、それでもボブ・ディランという偉大なシンガーソングライターの虚実に触れんとする時、このシングル盤は案外と有用なのかもしれません。
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岡田奈々の若い季節に胸キュン

2016-09-18 17:58:53 | 歌謡曲
若い季節 / 岡田奈々 (NAV / キャニオン)
 
ここんとこ、ドロドロした話ばっかり書いてしまったんで、今日は気分一新!
 
すっきり爽やか、そしてせつなくも胸キュンの青春時代を回想するアイドルソングを朝イチに聴いてみました。
 
それが昭和51(1976)年夏に発売された岡田奈々のシングル盤A面曲「若い季節」でして、松本隆の綴った歌詞は完全に女の子の目線の、それこそ「隣の男の子」ではありますが、逆説的にサイケおやじが若かったリアルタイムの青春時代を憧れと共に描き出すという、流石の冴えがニクイばかりですし、佐藤健の附したメロディは歌謡フォークのポップス的展開で実に好ましい仕上がりなんですねぇ~♪
 
また、瀬尾一三のアレンジがアップテンポの西海岸系ロックの雰囲気を滲ませつつも、歌謡曲の黄金律やオールディズ風味を上手く塗したところはプロの仕事の決定版!
 
ですから、岡田奈々の正統派アイドル歌唱、そのちょっぴり甘えた節回しと大人への背伸びフィーリングのバランスが本当に素晴らしく活かされているように思うばかりです♪♪~♪
 
もちろ彼女が人気絶頂だった頃の勢いも感じられますが、何よりも歌詞の中に「深夜放送」とか「UFO」、「隣の下宿」「ブルース・リー」等々の、まさに昭和50年代という、それもひとつの青春を表す言葉が入っているのは、既に21世紀の今にして、なかなか懐かしく、彼女の歌声共々に胸がキュンキュンしてしまうなんてのは、すっかり中年を通り越しての初老の男の境涯でしょうか。
 
でも、悲しくはないんですよ、この歌を聴いていてもっ!
 
むしろ若かった頃のエネルギーがちょっぴりでも蘇って来るような気分にさせられるんですねぇ~、サイケおやじは。
 
なんたって、ついついギターを抱えて、イントロのフレーズをいっしょに弾いてみたりしてますから、いやはやなんとも、お恥ずかしい。
 
う~ん、それにしても佐藤健は素敵なメロディを書いてくれますねぇ~~♪ ここでは瀬尾一三の秀逸なアレンジとの相性もバッチリという感じですが、いかがなものでしょう。
 
ちなみに佐藤健はこの当時、公私共にタッグを組む大橋純子とのコラボレーションも上り坂の勢いでしたからねぇ~~、キーボードプレイヤーとしてのみならず、ソングライターとしての才能も流石の証であり、所謂「ワークス」物のアンソロジーが強く望まれます。
 
ということで、やっぱり今日も世相は騒がしく、怖い事件も多発しておりますが、そんな時にこそ、キュートな女性アイドルの歌がジャストミートすると思うのは罪深いでしょうか?
 
そんなに深刻に考える必要もないところに、彼女達の歌の必要性があるとしたら、本日は岡田奈々の「若い季節」が大正解だったと言い聞かせているのでした。
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汚れた世界に秋風の恋はせつなく

2016-09-17 17:17:41 | Pops
秋風の恋 / England Dan & John Ford Coley (Big Tree / ワーナーパイオニア)
 
昨夜は新潟市までプロジェクションマッピング国際コンペのリハーサルを見に行って来ました。
 
未だ準備段階とはいえ、なかなか見応えがあったことは言わずもがな、しかし個人的には「幻燈」という懐かしいアイテムとの関連性に共感するところもあり、必ずしも最新のテクノロジーだけで酔わされたわけではありません。
 
むしろ、江戸川乱歩が十八番にしていた世界、往年の少年探偵団の物語で怪人二十面相がビルの外壁に大きな影絵を投影したような、そうしたワクワクドキドキの幻想性に惹かれてしまいましたですねぇ~~♪
 
ところで、その会場で現地の知り合い数人から仕入れた話ではありますが、新潟県では近々、知事選挙が行われる予定でありながら、自民党や市町村会をバックにした候補者1名だけが出馬表明しているだけで、最初は4期目を目指していた現職の泉田知事が直前でいきなり立候補を取りやめたというのに、民進党や共産党でさえも候補者を出せないという異常事態だとか!?
 
う~ん、県知事選挙で無投票なんてことがあるなんて、しかも新潟県は東京電力の原発が稼働停止中で、現職知事は再稼働に猛烈に反対していたというわけですから、なにやら簡単に推察も易い目論みが感じられてしまいます。
 
まあ、何かと泉田知事にも事情があるみたいなんですが、結局のところ、県内ではそれなりに強い基盤を築いている民進党に恥辱を!?
 
なぁ~んていう狙いがあるんじゃ~ないでしょうかねぇ~。
 
つまり泉田知事だって、自民党に担がれていたわけだし、原発再稼働に反対を貫いたところで、地元経済へのマイナス要因とか諸々を考慮すれば、頑なな国への反逆(?)も官僚出身の泉田知事にしてみれば、なかなか「孝ならんと欲すれば忠ならず」という心境だったのかもしれません。
 
そして、ならば自民党への恩返しというか、それでなくとも党首選挙で揺れまくっている民進党への一撃を画策しても不思議ではないでしょう。
 
結果として、民進党は新潟県知事選挙に独自の候補を擁立出来ないというテイタラクを晒したようですから……。
 
なんだか、とんでもない状況ってのは、日本中にあるもんですねぇ~~~!?
 
そこで本日は、そんなこんなのドロドロやモヤモヤを霧散させるべく、昨夜の帰途にカーステレオから流れてきた秋の洋楽ポップスの人気曲をご紹介致しましょう。
 
それが同ジャンルでは「シーモンの涙 / Simone」のヒットでお馴染みのイングランド・ダンとジョン・フォード・コリーが1976年、ついに本国アメリカで大ブレイクを果した「秋風の恋 / I'd Really Love To See You Tonight」であります。
 
あぁ~~、この爽やかな哀愁が漂うカントリー系AORポップスの心地良さは、フックの効いたサビの展開もニクイばかりですし、主役コンビのボーカル&ハーモニーは、まさに王道路線の黄金律がテンコ盛り♪♪~♪
 
こういう歌こそが、エバーグリーンなスタンダードヒットなのだと実感されると思います。
 
ということで、皆様は三連休をどのようにお過ごしになられるのでしょう。
 
台風も襲来しそうですし、仕事の予定も厳しく、あれやこれやも仕切りがつかず、墓参りも当然ながら、殊更気になるのが大相撲というのも、まあ今は平和の証と思うばかりです。
 
願わくば天変地異やドロドロした権力の話は、もう御免です。
 
最後になりましたが、冒頭に述べた新潟のイベントは19日からが本番だそうですので、よろしくです。
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September Rain は冷たいか

2016-09-16 19:15:19 | 歌謡曲
September Rainに消されて / つちやかおり (東芝)
 
あまりにも天変地異、自然災害が頻発するので、どうにも「雨の歌」は憚られるとはいえ、それでもご紹介したいのが本日掲載のシングル盤A面曲「September Rainに消されて」です。
 
まあ、なにやらジャケ写だけを見ると、ほとんどジュニアアイドルのイメージビデオみたいですが、中身はきっちりアイドル歌謡の王道ソングが刻まれた、これが昭和58(1983)年9月に出されたつちやかおりの人気作だと思うんですよねぇ~~♪
 
それは、作詞:竜真知子&作曲:松尾一彦の提供する、曲タイトルどうりに哀愁の秋の歌の決定版♪♪~♪
 
しかも、つちやかおり持ち前の内向的な節回しとナチュラルな哀しみが滲む声質が存分に活かされた山田秀俊のアレンジも秀逸でしょう。
 
当時のアイドル歌手の中では、そうしたマイナーな感性をウリといっては語弊もありますが、所謂明るく・楽しく・ぶりっ子で♪ みたいな「お約束」の定番路線ではなかったところが、つちやかおりを忘れられないアイドルにしているとしたら、この「September Rainに消されて」は今こそもっと聴かれるべき歌じゃ~ないでしょうか。
 
ちなみに作曲を担当した松尾一彦は全盛期オフコースのギタリストとして知られているのが一般的かもしれませんが、派手さも程好いフィーリングの気の利いたメロディを書けるソングライターとしても流石の才能があって、昭和50年代後半から当時のアイドルやニューミュージック系のシンガー等々に多くの楽曲を提供していますので、気になる皆様はチェックしてみて下さいませ。
 
それと松尾一彦のもうひとつのキャリアとしてサイケおやじが記憶しているのは、オフコース加入前にやっていたジャネットというバンドの話で、なにがど~なったのかは知る由もありませんが、長髪からの断髪式をテレビのバラエティでやってしまった、つまりは所謂ツッパリバンドへのイメチェン企画だったんですが、持ちネタは歌謡ロックというか、むしろベタベタの歌謡曲とフォークの不自然な結婚みたない楽曲だったという、そんな笑えない話も昭和40年代後半~昭和50年代前半における日本のロックの現状……。
 
ですから、そんなせつないプロモーションをやらされていたバンドのメンバーが後にオフコースという超売れっ子グループに入って、爆発的な人気を得たという立志伝中の人物が松尾一彦かもしれず、実は正直、前述した断髪式ばっかりを覚えていたサイケおやじにしてみれば、松尾一彦がそんなこんなの艱難辛苦を乗り越え、大成功したと知った時には、妙な共感と羨ましさを覚えてしまいましたですねぇ~~。
 
緩和休題。
 
ということで、話は変わりますが、先日来の豊洲新市場騒動のあれやこれやは、マスコミによって連日多方面から関係者や識者が引っ張り出されながら、事態の真相や経緯の輪郭がますます薄くなるばかりの印象で、特に石原都政での副知事からそのまんま横流れして次の知事になった猪瀬直樹のトンチンカンな責任転嫁論は噴飯物!
 
東京オリンピックの招致から各関連施設の建設等々に密接に繋がっている築地市場の移転について、あんたが一番知っているなんてこたぁ~、トボケようのない事実でしょう。
 
だから豊洲新市場の工事落札率についても、99パーセント以上の驚異的な数字が出たり、それらを落札した企業体とオリンピック関連施設を作っているところが重なっているというのも、なにか解せないわけですよ。
 
おそらくは今頃、誰を生贄にして逃れようか等々を画策中の都庁職員の首には、冷たい風が……。
 
お役人様の世界も厳しい……、なぁ~んて同情はする気にもなりませんが、せめて冷たい雨の中で汚染された土砂でも片付けてからにして欲しいもんです。
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ワンツースリーでスピードつけて!

2016-09-15 20:34:16 | Rock
1-2-3 / Len Barry (Decca / テイチク)
 
過言ではなく、今やオールディズの定番であり、元祖ブルーアイドソウルの大ヒットに比定されるのが、レン・バリイが1965年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「1-2-3」です。
 
とにかくイントロから強烈なドラムスと痛快なホーンセクションに導かれ、切迫感の滲む高いテナーボイスによる歌い回しが実にソウルフルなもんですから、初めてラジオでこれを聴いた時のサイケおやじは、てっきりレン・バリイは黒人だと思いましたし、サウンドそのものが当時世界を席巻していた所謂モータウンサウンドがそのまんまでしょう!
 
それが昭和41(1966)年の話で、以降のサイケおやじは、とっても調子が良い「1-2-3」という曲と歌っているレン・バリイという歌手が気になっていたわけですが、まさか白人だったとは思いもよらず、レコード屋に飾ってあった掲載のシングル盤に邂逅した時は驚きましたですねぇ~~~!?!
 
しかし、実質的にレン・バリイのレコードを買う経済的余裕も無いままに時が流れたのは言うまでもありません。
 
件のシングル盤がサイケおやじの手元に入ったのは既に昭和50(1975)年、折しも本格的にオールディズ趣味に目覚めた頃でして、中古屋における猟盤活動ではそれもんメインで漁っていた獲物のひとつだったんですが、そんなこんなの蒐集過程で知っていくレン・バリイの活動履歴には、納得させられる事が度々でした。
 
それはレン・バリイが「1-2-3 」の大ヒットを放った時には決して新人ではなく、それ以前にダヴェルズと名乗るボーカルグループでリードを歌い、「Bristol Stomp」等々のイカシたダンス系のヒットを出していたという実績があり、しかもサイケおやじは前述したとおり、オールディズ趣味に染まった中で好きになっていたのが、そのダヴェルズが演じた「Bristol Stomp」だったもんですから、類はなんとかを呼ぶってやつでしょうかねぇ~~♪
 
追々知る事なった話ではありますが、レン・バリーの出身地たるフィラデルフィアは後に通称「フィリーソウル」のホームグランドになったほど、ダンスミュージックが盛んな地域だったそうで、だからこそ様々に素敵な歌や演奏が昔っから作られていたと言われていて、それゆえに白人のレン・バリイが黒っぽく歌えたのも自然の成り行きなのかもしれません。
 
また、これまた後に見たレン・バリイの実演映像では、そのアクションにジェームス・ブラウンの物真似が入っている印象がありましたし、本人が長身だというのも結果オーライだったような気がします。
 
ちなみにホール&オーツも少年時代はレン・バリイのファンだったとかで、そう言われてみれば、ダリル・ホールの歌いっぷりにはレン・バリイが入っている気がしますが、いかがなものでしょう。
 
ということで、今日は昨夜からの仕事の流れでグリグリに責められたもんですから、思わず景気の良い歌をっ!
 
てな勢いで、この「1-2-3」を取り出しました。
 
この勢いを大切にしようっ!
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ひびわれる…

2016-09-14 17:21:37 | 歌謡曲
心のひびわれ / 片平なぎさ (東芝)
 
連日世間を騒がせている諸問題、特に東京都の豊洲新市場のデタラメ工事、それに関わる都庁職員の勝手極まる仕切りは、都知事や議会、都民や関係者を騙した詐欺としか言いようがありませんよねぇ~~!
 
きっちり有識者からの提言を基に作られていたという計画書があったからこそ、東京都はお金を出したわけだし、議会もそれを承認し、都民もそこで保証されていたはずの「安全」を信じる他は無いという、至極当たり前の事を平気な顔で裏切っていた担当職員には厳正なる処罰が求められます。
 
そして追及されるべきは、誰が首謀者か?
 
という真相と共に、何人ぐらいの関係者が、それを知っていたのか?
 
哀しいかな、そんな取り調べさえも必要になってくるでしよう。
 
今度のインチキでは、少なくとも百億円以上のお金が他に流用されているという疑惑も報道されていますが、その真偽とは別に、納税者を欺いて、屁とも思わない態度の都庁職員の公僕としての意識は、相当に罪が重いんじゃ~ないでしょうかねぇ~~。
 
また、もうひとつ呆れたというか、蓮舫とかいう民進党の女性代議士が党代表選挙に立候補すれば、対立候補やマスコミが、その彼女の「二重国籍」を問題視して騒ぐのは、まあ、それなりに大義名分はあるんでしょうが、ここでサイケおやじがダメだなぁ~~!
 
と思うのは、問題になっている「二重国籍」が法律に抵触しないという判断が出ているのであれば、むしろ「台湾籍」をあっさり棄て去り、日本人に成りすますが如き姿勢が???
 
個人的には、むしろそ~ゆ~立場を利用して、台湾や中国と話が出来ると思うんですけどねぇ~~!?
 
過去の報道をひっくり返されてみれば、蓮舫その人は与党時代に自分の晴れ姿を母国に報道してくれる台湾や中国のマスコミを喜々として受け入れていたわけですから、それを今回の無意味なツッコミに「自分は日本人だっ!」とか「台湾籍はきっちり抜きました」云々じゃ~、これまたあまりにも国民や諸外国をバカにしているでしょう。
 
台湾や中国の人達の気持ちは、丸っきり見下されたようなもんですよ。
 
それに気づかず、ブレた発言ばっかりしているようなバカ女を代表に選ぼうとしいる民進党は、ますますお先真っ暗……。
 
つまりは自公政権に対抗しうる政治勢力のエネルギーが低下し、結果的に国民は「選択」する権利を奪われてしまうことに繋がりかねないのです。
 
そりゃ~、民進党は、それだけの存在と言ってしまえば、ミもフタもありませんが……。
 
あぁ~ぁ、連日そんなこんなの、心がひびわれるような話ばっかりじゃ~、せつないですねぇ~~。
 
そこでふっと思い出したのが、片平なぎさが昭和52(1977)年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「心のひびわれ」というのはベタでしょうか。
 
作詞:さいとう大三&作編曲:神保正明が提供したのは、恋人に裏切られた女心の悲しい心情であり、片平なぎさは幾分恣意的と思われる、暗い節回しで地味な曲調を歌っています。
 
ところが、それがジャケ写の爽やかな雰囲気とは違和感があるのも、また事実……。
 
どうやら彼女が持っている某飲料水メーカーの主力商品のCMタイアップ曲だったとすれば、もっと明るい歌でも良かったと思うんですが、きっとサイケおやじが知らず、気づきもしない真相がそこにあるのかもしれませんねぇ~~。
 
ということは、冒頭から述べて来た豊洲新市場や二重国籍問題にも、当事者しか知らず、同時に他者には知る必要もない、真に大切な深~い事情があるんでしょうか……?
 
それが良い方向へ作用するものならば、今回の騒動や心配は庶民の杞憂で終わる可能性もあり、もちろん片平なぎさは、一切関係ありません。
 
むしろ、そんなバカ話のついでに持ち出された彼女には、当然ながらサイケおやじの独断と偏見に基づく妄想があるわけですから、謝らなければなりません。
 
うむ、時の流れと人の身は……。
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天才ポールが前を向いたら

2016-09-13 17:49:01 | Beatles
Goodnight Tonight c/w Daytime Nightime Suffering / Wings (Parlophone / 東芝)
 
殊更大衆音楽の世界においては、常に流行の最先端を作り出し、あるいはその流れに遅れないような努力を求められるのがスタアの証だとすれば、時には無理を承知の悪足掻きをやらかして醜態を……!?
 
なぁ~んてことも決して珍しくないのが、この世の厳しさでしょう。
 
しかし、流石は元ビートルズという矜持、そしてロック&ポップスの天才であるポール・マッカートニーには、そんな常識(?)は通用しないと確信されられたのが、1979年春に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「Goodnight Tonight」でありました。
 
だって、これが当時の洋楽では主流のひとつであった所謂ダンスビートを強く意識した作りになっていたんですよねぇ~~♪
 
皆様ご存じのとおり、ポールが率いるウィングスは1976年の全米巡業をライブ活動の頂点としながら、翌年には実質的な活動停止からメンバーも愛妻リンダと子分のデニー・レインだけという布陣に戻り、それでもシングル曲「夢の旅人 / Mull Of Kintyre」のウルトラメガヒットを放ち、さらにはアルバム「ロンドン・タウン」を発表していましたから、なかなか堂々とした存在感を示していたわけですが、どうにもやっている音楽全体が湿っぽいというか、まあ、それもポールならではの美メロ主義に彩られた胸キュン路線とはいえ、サイケおやじとしては、もうちっとは派手なものを望んでいたところへ出たのが、この「Goodnight Tonight」だったんですから、その逆ベクトルの激しさには仰天して浮かれさせられましたよ♪♪~♪
 
なにしろいきなりイントロからスパニッシュ調のギターが鳴り響き、続けてディスコビートでシンコペイトするベースが出るというツカミはOK!
 
そして如何にものポール節とでも申しましょうか、シンプルにしてキャッチーな曲メロを甘めに節まわすポール&ウィングスのボーカル&コーラスが実にニクイばかりで、しかもこれまたウィングスでしかありえないギターの間奏やリフの用い方、さらにはイントロからの発展形のようなスパニッシュなフレーズやラテンのリズムも取り入れたお遊び風演奏パートの彩、そしてついにはテクノっぽい味わいまでもちょっぴり最後には滲ませてしまうという、これぞっ! サービス満点の仕上がりなんですが、実はそんな分析なんてのは無意味なのが、この「Goodnight Tonight」の本当の魅力だと思います。
 
もっと素直にビートにノッて、メロディと歌を楽しんで欲しいというのが、ポール・マッカートニーという天才の狙いでしょう。
 
実は後に知った事ではありますが、「Goodnight Tonight」には既に2年ほど前からポール・マッカートニーが単独で制作していたデモトラックが基にあったそうで、最初はさらに強力なディスコバージョンだったと言われていますが、だとすれば同曲ロングバージョンの12吋シングルが発売されたのも当然だったわけで、もしかしたらそっちが本命だった!?
 
という妄想も禁じ得ないほど、とにかく大ヒットという結果はオーライ♪♪~♪
 
しかし、続けて世に出たウィングス名義のアルバム「バック・トゥ・ジ・エッグ」が、その明快さを受け継ぎながらも、個人的には些か中途半端な内容だった事を思えば、シングルオンリーで発表された「Goodnight Tonight」の突発的な傑作性は、折しも活発に動き出していたニューウェィヴ勢に対するポール・マッカートニーからのメッセージカードだったような気さえするほどなんですが、その意味でB面に入れられた「Daytime Nightime Suffering」が、まさにポール・マッカートニーだけのメロディフレーズや十八番のリズムアレンジを繋ぎ合わせたような、そのお気楽(?)な起伏が往年の作風になっているのは嬉しい誤算なんでしょうかねぇ~~♪
 
あぁ~、これだからポール・マッカートニーは天才だと思うばかりです。
 
ちなみに久々のウィングスには新メンバーとしてローレンス・ジュバー(g) とスティーヴ・ホリー(ds)  が入り、プロデュースにもビートルズ所縁のジョージ・マーティンの弟子だったクリス・トーマスが参画しているのも要注意なんですが、クリス・トーマスについては書きたい事が沢山あるので、今日はここまでとさせていただきます。
 
ということで、これで目が覚めたとは思いたくないんですが、ついにポール・マッカートニーは翌年、自己流畢生のニューウェイブ&テクノ必殺曲「Coming Up」を出すという大暴挙も、それがサイケおやじにしても素直に嬉しくなるほど受け入れてしまった前段には、「Goodnight Tonight」という全く素敵な予行演習があったからかもしれません。
 
近年は「ビートルズ」という伝統芸能で我々を楽しませる偉大な天才に、もう一度、この頃の前向きな姿勢を望みたくなるのは偽りのない気持ちです。
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土居まさるとカレンダーの思い出

2016-09-12 17:08:07 | 歌謡曲
カレンダー / 土居まさる (エレック)
 
昔のニュース映像フィルム等々に接すると、現代と決定的に違うなぁ~、と思ってしまうのが、ナレーションの語り口でしょう。
 
それが何時頃から今のような日常的(?)なスタイルに変わったのか?
 
という素朴な疑問を考察する時、サイケおやじは昭和40年代に登場して忽ち絶大な人気を集めたラジオDJの土居まさるを比定したくなるんですが、いかがなものでしょう。
 
少なくともサイケおやじと同世代の皆様であれば、その時代に文化放送で流れさていた深夜番組「セイ!ヤング」、そして後年はテレビに進出しての「TVジョッキー(日本テレビ)」等々における、カジュアルな雰囲気で語りかけ、ラジオやテレビの前の我々をすんなりと共感させてしまう話術は、様々な意味で忘れられていない思います。
 
そして殊更ラジオの深夜放送という、昭和40~50年代の文化の発信地を社会全般に認識させた功績は言わずもがな、そこからもっと多様なブームを発生させた中で、ラジオのアナウンサーでもスタアになれる!?
 
という、まさに今に繋がる社会的地位の確立は、その一例として平たく言えば、自らが歌手としてレコードを出し、それを関わりのあるマスコミ媒体を使ったとはいえ、立派にヒットさせてしまったという結果から、次なるブームの萌芽を導いたという、ひとつ間違えばキワモノ芸人すれすれの評価と裏腹の活躍だった!?
 
という評価もございましょう。
 
そこで本日掲載したのは、その土居まさるが最初に吹き込んでヒットさせた歌謡ボサノバの名曲「カレンダー」をA面に入れたシングル盤で、しかも制作&発売元が後に吉田拓郎や泉谷しげる等々のレコードを出して爆発的な歌謡フォークブームを牽引したエレックレコード、その第一弾作品という意義も大きなものです。
 
実は「エレック」という会社は本来は出版社だったらしく、各種の通信教育も手掛けていたところから、その課程の作詞作曲講座として最優秀作品に選ばれた作詞:のなかみやこ&作曲:三嶋清正による「カレンダー」をレコード化するにあたり、白羽の矢(?)が立てられたのが既に昭和44(1969)年には人気DJになっていた土居まさる!
 
という経緯があるそうで、必然的に「エレックレコード」というインディーズレーベルを立ち上げての発売は、なかなかベンチャー企業としての意気込みも熱いものが今も感じられます。
 
もちろん、これがそれなりに売れたことから経営も先行きが明るいとの判断で、以降はアングラ系フォークシンガーや学生グループをプロに引き入れてのデビュー企画、レーベル主導のコンサートライブ「唄の市」開催等々の戦略が大当たりして、さらなるレコード売り上げの上昇になっていった事は我が国芸能史に刻まれているところです。
 
また、そういうブームと連動していたというか、当時のフォークシンガーがラジオ深夜放送のDJに起用され、ますます人気を沸騰させていったという相乗効果も、やはり最初に土居まさるが提唱したDJスタイルがあればこそ、シンプルにレコードを流して、時事の話題を語るというのは過去の遺物(?)であり、ラジオのリスナーからのリクエストの他にも、時には悩み相談も書かれていたハガキを紹介し、さらにはラジオドラマ的コントやゲストを招いてのフリートークという、もはや決して音楽だけを楽しむのがラジオの役割ではないという、大胆な方向転換を導いたひとりが、土居まさるという稀代のタレントだったように思います。
 
肝心の楽曲「カレンダー」は既に述べたとおり、歌謡ボサノバのアレンジになっていて、編曲はジャズギタリストの沢田駿吾が担当しただけにバックの演奏も流石にオシャレ♪♪~♪
 
そして皆様ご推察のとおり、土居まさるの歌唱は決して上手いとは言い難い朴訥とした味わいに徹しているのが意図されたものなのか、サポートシンガー(?)の女性ボーカルの存在が眩しいほどに素敵です♪♪~♪ また同時に中盤で入る土居まさるの「語り」が流石の存在感で、妙にトーシロっぽいフィーリングを狙ったとしたら、これは頭脳的大勝利なのでしょうか。
 
まあ、こ~ゆ~ところは皆様に実際に聴いていただきたいところです。
 
ということで、しかし土居まさるは不治の病で還暦を前に早世……。
 
もしも生き続け、活動を継続していたら、今の大衆文化はもうちょっと別な方向へ?
 
等々と思う事も度々です。
 
最後になりましたが、サイケおやじが社会へ出てからの仕事場の先輩が、この「カレンダー」を宴会芸として歌いたがったんですが、その頃はこれがカラオケに無く、既に学生時代にバンドをやっていた事がバレていたサイケおやじに伴奏の命令が下されたものの、実はサイケおやじはボサノバのリズムギターが苦手なもんですから、苦し紛れにリズムボックスを持ち込んで、なんとか体裁だけは繕ったという前科もありました。
 
うむ、やっぱり「カレンダー」は思い出を作るものですねぇ~~。
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アラン・パーソンズ・プロジェクトの胸キュンソング

2016-09-11 18:19:02 | Rock
Don't Answer Me / Alan Parsons Project (Arist / 日本フォノグラム)
 
大衆音楽は分かり易さが大切な要素なので、楽曲もそうですが、演じている側に大上段に構えた印象が最初っからあろうものなら、それは所謂聴かず嫌いに陥るなんてことは少なくありません。
 
例えば本日掲載のシングル盤の主役たるアラン・パーソンズ・プロジェクトは、我が国ではプログレに分類されていた時期もあったほど、ある意味では誤解された存在であり、また発売されるレコード、殊更アルバムには大袈裟な邦題が附され、そのジャケットデザインも勿体ぶった感じの作品が多かったというマイナス要因(?)があった事は否めません。
 
しかし、そりゃ~、確かにアルバム全体の構成とか、凝った音作りにはそれなりの威厳のようなものが感じられ、何よりもロック&ポップスグループの形態を標榜していながら、バンド名(?)に「プロジェクト」なぁ~んていう親しみの無い単語が用いられているのであれば、致し方ないという理解もありますが、実際に提供されていた楽曲は素晴らしく良く出来た温故知新な作品が多かったのも、また揺るぎない真実だったわけで、それを世に知らしめたのが、例えば本日掲載のシングル盤A面曲「Don't Answer Me」です。
 
なにしろこれが1984年の発表でありながら、そのメロディはオールディズ風味の胸キュンフィーリングがいっぱいですし、音作りそのものが往年のフィル・スペクターが十八番の「音の壁」を強く意識したものなんですから、たまりません♪♪~♪
 
皆様ご存じのとおり、その頃は音楽のビートそのものがデジタル化へ進行しており、それに伴って曲メロそのものからもハートウォームな感じが薄れていった中にあって、この「Don't Answer Me」が実はライブ活動をやらず、極言すればスタジオに「引き籠り」で作品を出し続けて来たグループによって提供されたというのは、産業ロックの素晴らしさを逆説的に証明してしまった感がありましたですねぇ~♪
 
それはアラン・パーソンズ・プロジェクトが本職はレコーディングエンジニアのアラン・パーソンズと裏方のソングライター兼ボーカリストだったエリック・ウルフソンの出会いからスタートし、最初はプロデュース業に関わるアラン・パーソンズを企画やマネージメントでサポートするエリック・ウルフソンという役割分担だったそうですが、そうやって進めていく仕事の中でパイロットやアンブロージア等々の諸作がヒットした実績から、いよいよ1976年に自分達の最初のアルバム「怪奇と幻想の物語 / Tales Of Mystery And Imagination」を発表するや、以降約10年間に充実したレコードを出し続け、そこにはアラン・パーソンズ(key)、エリック・ウルフソン(vo) の他に前述したパイロットからデヴィッド・ペイトン(b)、ビリー・ライオール(key)、また後に10CC に参加するスチュアート・トッシュ(ds) やイアン・ベアンソン(g) 等々が助っ人に入り、このあたりはアラン・パーソンズ・プロジェクトの個性(?)のひとつであるビートルズっぽさの秘密かもしれませんが、それというのもアラン・パーソンズはキャリアの重要なポイントにビートルズのアルバム「アビイ・ロード」と「レット・イット・ビー」の制作現場にアシスタントとして関わっていたのです。
 
それと凝った音作りについてはピンク・フロイドの大ベストセラーLP「狂気 / The Dark Side Of The Moon」への参加が大きいようで、しかし逆に言えば、そうした才能と技量をアラン・パーソンズがしっかり持っていたという証でしょう。
 
さて、そこであらためて「Don't Answer Me」は正直、決して新鮮な試みではないところに深味があるというか、間奏でメル・コリンズが吹いてくれるサックスの音色やフレーズ、エコー過多寸前の音の壁から自然に浮き上がってくるようなアコースティックギターの響き、さらにはオールディズな曲メロに心温まるボーカルの節回し等々、この雰囲気作り(?)の本気度の高さに元祖フィル・スペクターの胸中は如何ばかりかと!?!
 
なぁ~んて不遜なことまでも思わざるをえないのが、サイケおやじの本音ですよ♪♪~♪
 
そして、これは常々言われ続けているんですが、ジェフ・リンが率いるエレクトリック・ライト・オーケストラとの親近と相違については、もちろんリスナーやファンの十人十色の感性が優先されるとはいえ、個人的にはサンダ対ガイラというか、どちらがどっちと決めつける事は致しませんが、それぞれに永遠の命たるビートルズの遺伝子を受け継ぐ存在なればこそ、宿業の深さや重さが魅力の一端になっているんじゃ~ないでしょうか。
 
当然ながら、我が国には「Don't Answer Me」をパクった楽曲がかなり出されていることは言わずもがなでしょう。
 
ということで、なんだか道を踏み外した暴言戯言へ話が進んでしまって、我ながら焦っています。
 
でも、そんな気分にも、このアラン・パーソンズ・プロジェクトが演じる「Don't Answer Me」の癒しは絶大♪♪~♪
 
実は歌詞の内容は相当に不条理な愛情というか、煮詰まった恋愛から逃げ出したい男と何とか続けていきたい女の擦違う感情が歌われているみたいなんですが、「Don't Answer Me ≒ もう言わないでくれ」と泣きそうになっているとしか思えない、その男の流され方にこそ、サイケおやじは強く感情移入したくなりますねぇ……。
 
う~ん、今日は胸キュンです。
コメント (1)
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