■Complete Live At Jorgie's 1961 / Donald Byrd - Pepper Adams Quintet (Solar = CD)
これまたネットで注文していながら、既に3年以上も梱包を解いていなかったブツの中からのご紹介です。
それはドナルド・バード(tp) とペッパー・アダムス(bd) という、ハードパップ愛好者にはお馴染みのコンビが組んでいた実際のレギュラーバンドによるライブ音源集で、実は収録されている全5曲はアナログ盤時代にブートで聴かれていたトラックばかりなんですが、LP片面ずつという制約から、その全てが1枚物に纏められてはおらず、しかもレコードの塩ビ素材そのものが悪かった所為もあって、せっかくの力演が些か勿体無い扱いになっていた印象がありました。
ところが今回の再発では、CDというメディアの特質を活かしての全曲纏め収録は当然ですし、アナログ盤ではカットされたいたと思しきパートの復活(?)やデジタル作業による音質の改善が顕著ですから、いよいよじっくりと楽しめるのは高得点♪♪~♪
しかも録音がセントルイスの「Jorgie's」という店における1961年6月24日のライブステージで、メンバーは前述したとおり、ドナルド・バード(tp) &ペッパー・アダムス(bs) の双頭リーダー以下、ハービー・ハンコック(p)、クリーブランド・イートン(b)、セオドア・ロビンソン(ds) という顔ぶれは、まさにハードパップの王道から所謂新主流派への過渡期を踏まえた演奏を楽しませてくれますよ。
01 Jorgie's
如何にも新主流派というムードが横溢したハービー・ハンコック以下のリズム隊が思わせぶりな露払いを演じた後、いよいよ登場するドナルド・バード&ペッパー・アダムスがやってくれるのは、1959年にブルーノートに吹き込んだ名盤アルバム「バード・イン・ハンド」に収録されていた「Witchcraft」だと思うんですが、いかがなものでしょう。
と書いたのも、実はこのタイトルの曲は、ここでのライブセッションから約3ヶ月後にブルーノートでスタジオ録音が行われ、人気アルバム「ロイヤル・フラッシュ」に収録されていますが、なんとなくテーマメロディが異なっている印象が……。
しかし、十八番のキメを使ったバンドの纏まりの良さがありますから、ドナルド・バードが緊張と緩和の構成を活かしたアドリブを展開すれば、ペッパー・アダムスもハード音色で迫ってきますが、やはり優先してハービー・ハンコックの新しい感覚に惹きこまれてしまうあたりは、後の歴史を知っていればこその感慨とばかりは言えないでしょう。
また、クリーヴランド・イートンのベースワークも秀逸で、輪郭がはっきりしたピチカートプレイは必聴! この人は後にラムゼイ・ルイスのグループやカウント・ベイシー楽団でも活躍した名手なので、要注意かと思います。
あぁ~、ミディアムテンポで、このテンションの高さが素敵ですねぇ~♪
如何にも新主流派というムードが横溢したハービー・ハンコック以下のリズム隊が思わせぶりな露払いを演じた後、いよいよ登場するドナルド・バード&ペッパー・アダムスがやってくれるのは、1959年にブルーノートに吹き込んだ名盤アルバム「バード・イン・ハンド」に収録されていた「Witchcraft」だと思うんですが、いかがなものでしょう。
と書いたのも、実はこのタイトルの曲は、ここでのライブセッションから約3ヶ月後にブルーノートでスタジオ録音が行われ、人気アルバム「ロイヤル・フラッシュ」に収録されていますが、なんとなくテーマメロディが異なっている印象が……。
しかし、十八番のキメを使ったバンドの纏まりの良さがありますから、ドナルド・バードが緊張と緩和の構成を活かしたアドリブを展開すれば、ペッパー・アダムスもハード音色で迫ってきますが、やはり優先してハービー・ハンコックの新しい感覚に惹きこまれてしまうあたりは、後の歴史を知っていればこその感慨とばかりは言えないでしょう。
また、クリーヴランド・イートンのベースワークも秀逸で、輪郭がはっきりしたピチカートプレイは必聴! この人は後にラムゼイ・ルイスのグループやカウント・ベイシー楽団でも活躍した名手なので、要注意かと思います。
あぁ~、ミディアムテンポで、このテンションの高さが素敵ですねぇ~♪
02 6 M's (Blues In 3/4)
タイトルどおり、変則テンポを用いたアップテンポのブルースということで、イントロからファンキーな雰囲気を提供するリズム隊に呼応するべくジワッと登場してくるフロントコンビのテーマ吹奏♪♪~♪
もう、このあたりだけで気分はすっかりハードパップにどっぷりですよ♪♪~♪
しかもドナルド・バードのアドリブは何時もの安心印、続くペッパー・アダムスも心地良いマンネリ感という和みの展開が、ハイテンションなリズム隊の勢いに押されていくという、これが実にたまらない展開で、出しゃばり寸前のハービー・ハンコックのピアノと手堅いツッコミで煽りまくりのセオドア・ロビンソンのドラミングには熱くさせられますねぇ~♪
ちなみにこの曲も前述した「ロイヤル・フラッシュ」にスタジオレコーディングのバージョンが収録されていますが、そこでの落ち着いた感じのテイクに比べると、やはりライブならではの熱気が強く出ている結果はオ~ライ♪♪~♪ 嬉しくなります。
タイトルどおり、変則テンポを用いたアップテンポのブルースということで、イントロからファンキーな雰囲気を提供するリズム隊に呼応するべくジワッと登場してくるフロントコンビのテーマ吹奏♪♪~♪
もう、このあたりだけで気分はすっかりハードパップにどっぷりですよ♪♪~♪
しかもドナルド・バードのアドリブは何時もの安心印、続くペッパー・アダムスも心地良いマンネリ感という和みの展開が、ハイテンションなリズム隊の勢いに押されていくという、これが実にたまらない展開で、出しゃばり寸前のハービー・ハンコックのピアノと手堅いツッコミで煽りまくりのセオドア・ロビンソンのドラミングには熱くさせられますねぇ~♪
ちなみにこの曲も前述した「ロイヤル・フラッシュ」にスタジオレコーディングのバージョンが収録されていますが、そこでの落ち着いた感じのテイクに比べると、やはりライブならではの熱気が強く出ている結果はオ~ライ♪♪~♪ 嬉しくなります。
03 Hush
これまた当時のドナルド・バード&ペッパー・アダムスの代名詞とも言うべきゴスペルファンキーなヒット曲ですから、堂々の盛り上げ演奏はお約束以上!
もちろん、ここでもリズム隊の熱血な煽りは物凄く、極言すればガサツなところこそが黒人ジャズの魅力であるならば、ここではそれが全開でしょう♪♪~♪
そしてさらに味わい深いのが、リズム隊だけの演奏となる終盤のパートで、ここではファンキーと新主流派の幸せな結婚というか、ソウルフルなピアノを披露するハービー・ハンコックが瞬時に勿体ぶったムードに転じたり、そこにドラムスとベースが入り込んでのハードパップに引き戻し作戦という鬩ぎ合いがニクイです。
そして前曲同様、この「Hush」も件のアルバム「ロイヤル・フラッシュ」にスタジオバージョンが入っていますので、聴き比べも楽しいところです。
これまた当時のドナルド・バード&ペッパー・アダムスの代名詞とも言うべきゴスペルファンキーなヒット曲ですから、堂々の盛り上げ演奏はお約束以上!
もちろん、ここでもリズム隊の熱血な煽りは物凄く、極言すればガサツなところこそが黒人ジャズの魅力であるならば、ここではそれが全開でしょう♪♪~♪
そしてさらに味わい深いのが、リズム隊だけの演奏となる終盤のパートで、ここではファンキーと新主流派の幸せな結婚というか、ソウルフルなピアノを披露するハービー・ハンコックが瞬時に勿体ぶったムードに転じたり、そこにドラムスとベースが入り込んでのハードパップに引き戻し作戦という鬩ぎ合いがニクイです。
そして前曲同様、この「Hush」も件のアルバム「ロイヤル・フラッシュ」にスタジオバージョンが入っていますので、聴き比べも楽しいところです。
04 Amen
そして続くのが、またまたゴスペルファンキーな人気曲♪♪~♪
既に1959年にブルーノートの傑作人気アルバム「フェゴ」にて発表済みでしたので、おそらくは当時のステージでは定番プログラムだったと思われますから、例え手慣れた雰囲気があろうとも、聴いているこっちは、それこそが希望する高い満足度ってやつでしょう。
当然ながら、ここでもリズム隊メインに聴いてしまうのがサイケおやじの本性であります。
そして続くのが、またまたゴスペルファンキーな人気曲♪♪~♪
既に1959年にブルーノートの傑作人気アルバム「フェゴ」にて発表済みでしたので、おそらくは当時のステージでは定番プログラムだったと思われますから、例え手慣れた雰囲気があろうとも、聴いているこっちは、それこそが希望する高い満足度ってやつでしょう。
当然ながら、ここでもリズム隊メインに聴いてしまうのがサイケおやじの本性であります。
05 Like Someone In Love
オーラスは、そんな気分を増幅させてくれる絶妙のプレゼントとして、リズム隊だけのピアノトリオによる人気スタンダードの素敵な快演と書きたいところなんですが……。
正直、ここまでの演目でのテンションの高さが些か感じられず、なんとなく普通っぽいのが物足りないところです。
しかし、時代を考慮すれば、これはこれで新しいフィーリングが滲む演奏なんでしょうし、中盤のベースソロで何度か客席が湧くという、音だけ聴いていては分からない現場の雰囲気の良さは、如何にも日常的なライブの味わいでしょうか。
ピアノトリオだけにしては10分を超える長い演奏ですが、それなりに退屈せずに聴けると思います。
オーラスは、そんな気分を増幅させてくれる絶妙のプレゼントとして、リズム隊だけのピアノトリオによる人気スタンダードの素敵な快演と書きたいところなんですが……。
正直、ここまでの演目でのテンションの高さが些か感じられず、なんとなく普通っぽいのが物足りないところです。
しかし、時代を考慮すれば、これはこれで新しいフィーリングが滲む演奏なんでしょうし、中盤のベースソロで何度か客席が湧くという、音だけ聴いていては分からない現場の雰囲気の良さは、如何にも日常的なライブの味わいでしょうか。
ピアノトリオだけにしては10分を超える長い演奏ですが、それなりに退屈せずに聴けると思います。
ということで、全篇で57分弱の収録時間は、アッという間に聴かされてしまうほどで、本当のモダンジャズに接しているという気持ちにさせられました。
そしてジャケ写には特に「Featuring HERBIE HANCOCk」と記載されている事に偽りはありません。
つまりドナルド・バードとペッパー・アダムスは従来どおりでも、ハービー・ハンコックがリードしているであろうリズム隊の積極的な働きにより、新旧が見事に融合した演奏が熱いんですよっ!
音源としては決して新発掘ではありませんが、こうしてCD化されているのであれば、未聴の皆様には、この機会にぜひっ! とオススメしたく思います。