■星とお月さま c/w バラのささやき / 響かおる (クラウン)
ジャズでもロックでもソウルミュージックでも、そんなこんなの大衆音楽を演じるバンドの花形プレイヤーはギタリストと並んでドラマーでもあった事は、様々なレコードや映画等々を後追い鑑賞される皆様にも納得いただける歴史(?)でありましょう。
その好例として本日ご紹介するのは、昭和43(1968)年8月に響かおるが出した掲載のシングル盤A面曲「星とお月さま」も過言ではなく、全くドラマーが主役のビート歌謡 (^^♪
それは作詞:水沢圭吾&作曲:叶弦大が書き上げた、一聴して底抜けな歌詞の世界に幾分記憶の奥底に眠っていた感も強いメロディが附されたアップテンポのバブルガム歌謡という印象なんですが、小杉仁三のアレンジによる演奏パートのイントロから炸裂するドラムソロ!
そしてノーテンキ寸前の女性コーラスに続いて歌い出す響かおるの声質が恣意的な宝塚調と申しましょうか、勿体ぶったアルトボイスによる節回しが絶妙の味わいなんですねぇ~~♪
もちろん、歌っているうちに黛ジュンのフォロワーたる本領は存分に発揮され、それを煽るのがバックで敲きまくりのドラムスであり、当然ながら間奏でのブレイクにも血が騒ぐ熱血ドラミング (^^♪
いゃ~~、これをやってくれたドラマーの素性は知る由もありませんが、実にカッコイイィ~~んですよ (^^♪
ちなみにナンシー・シナトラには超有名なセッションドラマーのハル・ブレインと共演した「ドラマー・マン / Drummer Man」という、1969年の人気シングル曲がありますが、サイケおやじ的には響かおるの「星とお月さま」に軍配!
気になる皆様には、聴き比べをオススメする次第ですが、それにしても、やっぱりこれも、エレキ~GSブーム期ならではの傑作プロデュース作品として、お楽しみいただきたい名演と思っております (^^)
そして、B面曲「バラのささやき」はA面と同じく、作詞:水沢圭吾&作曲:叶弦大のコンビから提供されたベタベタのマイナーメロディが如何にもGS歌謡ファンにウケるであろう仕上りで、重松岩雄のアレンジも王道路線のミディアムテンポに設定してありますので、響かおるの歌唱も安定した魅力を発揮しているあたりは「ありがちな」ところも確かに散見されるとはいえ、特筆すべきは彼女のボーカルのバックで手の込んだフレーズを弾きまくるエレキギターや効果音っぽい存在感を示すエレクトーン等々、相当に遊び心(?)も強いプロデュースは侮れないものがあるんじゃ~ないでしょうか (^^)
ということで、人工着色したかの様なキッチュなジャケ写ポートレートのデザイン共々に、あらためて昭和40年代の「なんでもあり」感を痛切に思い出しているのでした (^^)