★風仲間、林田さんからのメール。大賛成です。(ネット虫)
国際オリンピック委員会(IOC)総会が2009年10月2日にコペンハーゲンで開かれ、2016年夏季オリンピック(五輪)の開催都市がブラジル・リオデジャネイロに決定した。ブラジルは成長著しいBRICsの一角であり、南米初の開催という記念すべき五輪となる。
東京も開催地に立候補していたが、決選投票にも残らずに落選した。五輪開催への国民の支持率が他候補都市と比べ低かった点が敗因とされる。日本の夏季五輪招致は名古屋がソウルに敗れた1988年五輪、大阪が北京に敗れた2008年五輪に続いて3連敗である。招致活動にも多くの税金が使われており、立候補の妥当性も含めた根本的な分析と反省が不可欠である。
筆者はは東京落選を歓迎する。
そもそも東京は立候補すべきではなかった。東京の招致活動は国民の支持が低調であるにもかかわらず、石原慎太郎・都知事に代表されるように一部が異様なほどに熱意を示したことが特徴である。
この背景には1964年東京五輪の「成功体験」があると考えられる。1964年の東京五輪は一般に日本の復興と成長を象徴する出来事として語られることが多い。日本経済にオリンピック景気をもたらしたとも説明される。
しかし、1964年東京五輪は手放しで絶賛できるものではなかった。早くも五輪終了直後に新聞では自省する記事が掲載されている。朝日新聞は「天声人語」で「世界一豪華な体育館はできたが、その一方では、住宅地に住む人間は、下水道さえ持っていない」と指摘した(1964年10月30日)。また、毎日新聞は同年10月26日から31日まで連載記事「東京……これから」で公害対策や下水の完備などオリンピック事業のかけ声から取り残され、忘れ去られた問題を特集した。
立派なハコモノは完成したが、福祉が貧困で取り残された国民が放置される点は現代に通じる日本の問題点である。1964年東京五輪自体がハコモノ行政・土建国家という日本の否定すべき方向性を体現したものであった。
2016年五輪招致における東京の最大のアピールポイントは環境への貢献であった。しかし、環境への貢献は五輪開催地にならなくても可能である。鳩山政権が温室効果ガス25%削減を打ち出したように日本が環境で貢献できる範囲は幅広く存在する。五輪招致の推進者達が真に環境問題について考えているならば、別の分野での環境への貢献を期待する。
国際オリンピック委員会(IOC)総会が2009年10月2日にコペンハーゲンで開かれ、2016年夏季オリンピック(五輪)の開催都市がブラジル・リオデジャネイロに決定した。ブラジルは成長著しいBRICsの一角であり、南米初の開催という記念すべき五輪となる。
東京も開催地に立候補していたが、決選投票にも残らずに落選した。五輪開催への国民の支持率が他候補都市と比べ低かった点が敗因とされる。日本の夏季五輪招致は名古屋がソウルに敗れた1988年五輪、大阪が北京に敗れた2008年五輪に続いて3連敗である。招致活動にも多くの税金が使われており、立候補の妥当性も含めた根本的な分析と反省が不可欠である。
筆者はは東京落選を歓迎する。
そもそも東京は立候補すべきではなかった。東京の招致活動は国民の支持が低調であるにもかかわらず、石原慎太郎・都知事に代表されるように一部が異様なほどに熱意を示したことが特徴である。
この背景には1964年東京五輪の「成功体験」があると考えられる。1964年の東京五輪は一般に日本の復興と成長を象徴する出来事として語られることが多い。日本経済にオリンピック景気をもたらしたとも説明される。
しかし、1964年東京五輪は手放しで絶賛できるものではなかった。早くも五輪終了直後に新聞では自省する記事が掲載されている。朝日新聞は「天声人語」で「世界一豪華な体育館はできたが、その一方では、住宅地に住む人間は、下水道さえ持っていない」と指摘した(1964年10月30日)。また、毎日新聞は同年10月26日から31日まで連載記事「東京……これから」で公害対策や下水の完備などオリンピック事業のかけ声から取り残され、忘れ去られた問題を特集した。
立派なハコモノは完成したが、福祉が貧困で取り残された国民が放置される点は現代に通じる日本の問題点である。1964年東京五輪自体がハコモノ行政・土建国家という日本の否定すべき方向性を体現したものであった。
2016年五輪招致における東京の最大のアピールポイントは環境への貢献であった。しかし、環境への貢献は五輪開催地にならなくても可能である。鳩山政権が温室効果ガス25%削減を打ち出したように日本が環境で貢献できる範囲は幅広く存在する。五輪招致の推進者達が真に環境問題について考えているならば、別の分野での環境への貢献を期待する。