昨日の毎日朝刊に期せずして、日本共産党の名前が入っている4つの記事が載っていた。これらなどから、表題のことをうかがってみるというのが、今回の趣向である。それぞれの見出しは、こうだ。
①2面の連載【日本が変わる6「時代遅れ」の日本医師会 】の文中、「日本医労連」関連で一つ。
②2面【思いやり予算見直し】 これは、志位委員長の代表質問関連である。なお、代表質問自身は6面に【詳報】があった。
③5面には、小さい記事だが【■真剣に聞いてくれた 志位和夫共産党委員長】とある。
①はまず、日本医師会代表に自民党政権が与えてきた、中央社会保険医療協議会の委員枠3人が新政権ではなくなりそうだと述べる。そこから日医の政治団体「日本医師連盟」が、自民党1党支持の撤回を決め、与野党中立に軸足を移したと報じられている。他方で労組の方はという、そんな文脈から来る当該部分を抜粋する。
『 「皆さん、本当に政治と社会が変わった感じがしますね」。22日、東京・日比谷公園で開かれた日本医労連など医療関係者の10団体・組合の集会。来賓の小池晃・共産党政策委員長の呼びかけに、参加者約5000人が盛大な拍手で応えた。
集会には、いままでも出席していた共産、民主、社民各党の国会議員に加え、自民党に近い日本看護協会の幹部が出席した。日本歯科医師会も初めて連帯のメッセージを寄せた 』
③は短いから、全文を転載する。
『 「真剣に聞いてくださったと思う。前の方々(自民党)は、私の場合、口汚いヤジが多かった」(29日、自身の衆院代表質問に対する民主党新人議員と小泉チルドレンの反応を比較して)』
この志位氏記者会見発言を朝日新聞は、また違った側面から伝えている。それが昨日のネット虫さんの投稿素材になった、【共産「何でも反対」決別 志位氏「揚げ足取りせぬ」宣言】である。抜粋してみよう。
【 「揚げ足取り、何でも反対という立場ではない。今までとはスタンスが違うんです」。共産党の志位和夫委員長は29日、衆院代表質問後の記者会見で「揚げ足取り」からの決別を宣言した。
志位氏は代表質問で政権交代が実現したことを「日本の政治にとって前向きの大きな一歩」と歓迎。会見でも事項政権下とは違って「現実に政治を前に動かしたい」と語り、鳩山政権を「後方支援」する姿勢を鮮明にした 】
さて、新政権に対するこの「後方支援」宣言は国民の要求に合致していて良い。なんせ自民党でさえがこの新政権のことを「社会主義的な高福祉高負担社会になる。『イギリス病』に陥るだろう」と批判するほどなのだから。
そう認めるとここで即座に、次の大きな問題が生ずる。共産党は、同じ野党時代の民主党に対して己を「確かな野党」と呼んでいたのではなかったか。ついこの前の東京都議選までそうだったはずだ。それを衆院選前に「建設的野党」と呼び替えたその延長が、この「後方支援」宣言と言える。
民主党新政権はこうして、日本共産党に希望を与えたとは言えるが、共産党の役割を奪ってしまい、これを埋没させたとも言えないだろうか。一方は大躍進しているが、他方は戦後珍しい危機にあるように見える。絶好の出番に、なぜだったのか?
これで、この「新政権の威力」シリーズは終わりにします。