大西さんの「新聞の片隅に載ったニュースから(17)」です。らくせき
「機密費6億3000万円 野田内閣発足から半年で」(2012.5.19毎日新聞)
「政府は18日の閣議で、野田内閣発足後の昨年9月から2月の半年間で、
官房機密費として6回にわたり計6億3000万円を支出したとする答弁書を決定した。
共産党の塩川鉄也衆議院議員の質問趣意書に答えた。
菅前内閣の昨年4月から8月まででも、6回で計6億円を支出。
11年度の官房機密費の未使用額は2176万円で、4月に国庫に返納した。
藤村修官房長官が9月をめどにまとめる方針を示している機密費使途の
公開基準については『内閣総務官室を中心に、論点の整理や諸外国の
状況把握等を行なっている』と説明するにとどめた。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
官房機密費は正式には官房報賞費と呼ばれ、国政の運営上必要な場合、
内閣官房長官の判断で支出されるもので、情報収集などの費用とされていますが、
支出には領収書を添付する必要がなく、会計検査院による監査も免除されています。
今回の毎月1億円ずつの支出もその内容は明らかにされていません。
宇野内閣の官房長官であった塩川正十郎氏は「外遊する国会議員に選別として
配られた。政府が国会対策のため、一部野党に配っていた。」などと話しています。
また、宮沢内閣時代には政治家のパーティ券の購入費に当てられたり、
小渕内閣時代に複数の政冶評論家に盆暮れのあいさつ代などで数百万円が
渡されていたことも明らかになっています。
そして2009年8月の総選挙で自民党が敗れ、民主党政権が生まれることが
明らかになった同年9月河村建夫官房長官によって2億5000万円が
引き出されたことも明らかになっています。
政権から離れることになった官房長官から誰に渡されたのでしょうか。
その支出にどんな必要性があったのでしょうか。
民主党は野党時代に機密費の公開を政府に求めていましたが、
政権に就いたら「オープンにしていくことは考えていない」と態度を変え、
世論の非難を浴びました。このため、一定限度の時間が経った案件など、
どの程度を公開するか検討するとしていました。
なお今回質問趣意書に回答したことは、朝日新聞も12行のベタ記事で、
中日新聞は官内閣の分を含め支出年月日と額を報じています。
しかし一番詳しい毎日新聞でも、26行の記事です。
マスコミは、高知県警や北海道警など警察の捜査報償費が裏金化されていることを
明らかにする突っ込んだ取材をしていますが、半ば公然の秘密ともいわれている
官房機密費の問題になると嗅覚が鈍くなるのでしょうか。
社会部と政治部の体質の違いなのでしょうか。
実態解明に力を注いで欲しいと思います。
大西 五郎
「機密費6億3000万円 野田内閣発足から半年で」(2012.5.19毎日新聞)
「政府は18日の閣議で、野田内閣発足後の昨年9月から2月の半年間で、
官房機密費として6回にわたり計6億3000万円を支出したとする答弁書を決定した。
共産党の塩川鉄也衆議院議員の質問趣意書に答えた。
菅前内閣の昨年4月から8月まででも、6回で計6億円を支出。
11年度の官房機密費の未使用額は2176万円で、4月に国庫に返納した。
藤村修官房長官が9月をめどにまとめる方針を示している機密費使途の
公開基準については『内閣総務官室を中心に、論点の整理や諸外国の
状況把握等を行なっている』と説明するにとどめた。」
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官房機密費は正式には官房報賞費と呼ばれ、国政の運営上必要な場合、
内閣官房長官の判断で支出されるもので、情報収集などの費用とされていますが、
支出には領収書を添付する必要がなく、会計検査院による監査も免除されています。
今回の毎月1億円ずつの支出もその内容は明らかにされていません。
宇野内閣の官房長官であった塩川正十郎氏は「外遊する国会議員に選別として
配られた。政府が国会対策のため、一部野党に配っていた。」などと話しています。
また、宮沢内閣時代には政治家のパーティ券の購入費に当てられたり、
小渕内閣時代に複数の政冶評論家に盆暮れのあいさつ代などで数百万円が
渡されていたことも明らかになっています。
そして2009年8月の総選挙で自民党が敗れ、民主党政権が生まれることが
明らかになった同年9月河村建夫官房長官によって2億5000万円が
引き出されたことも明らかになっています。
政権から離れることになった官房長官から誰に渡されたのでしょうか。
その支出にどんな必要性があったのでしょうか。
民主党は野党時代に機密費の公開を政府に求めていましたが、
政権に就いたら「オープンにしていくことは考えていない」と態度を変え、
世論の非難を浴びました。このため、一定限度の時間が経った案件など、
どの程度を公開するか検討するとしていました。
なお今回質問趣意書に回答したことは、朝日新聞も12行のベタ記事で、
中日新聞は官内閣の分を含め支出年月日と額を報じています。
しかし一番詳しい毎日新聞でも、26行の記事です。
マスコミは、高知県警や北海道警など警察の捜査報償費が裏金化されていることを
明らかにする突っ込んだ取材をしていますが、半ば公然の秘密ともいわれている
官房機密費の問題になると嗅覚が鈍くなるのでしょうか。
社会部と政治部の体質の違いなのでしょうか。
実態解明に力を注いで欲しいと思います。
大西 五郎