昨日のアゼルバイジャン戦は、不満も多かったにしてもいろいろ発掘もあった良いゲームだったと思う。先ず、パスなどにキレがあって、ボールが良く回ったこと。ボール保持率が6割近く、シュート数が相手の3倍強というのがそれを示している。不満は、前半早いうちに得点がなかったこと、あの相手、このゲームなら4点ほど入っても良かったはずだ。が、なんと言っても最大の収穫は、3人の新人が初めて見えたこと。なかでも、東京の高橋秀人と柏・酒井は重要な戦力になると観た。
特に初めての出場時間が45分にもなった高橋の活躍は、ほとんどの人の目にとまったのではないか。キープ力があり、縦パス、スルーパスなどボールをさばく戦術眼、技術もあって、おまけに脚も速そうだ。あのチームでもう何度も出ているように見えたのは、僕だけではないはずだ。流石、躍進東京の不動のボランチと言えるし、長谷部・遠藤の後継者がやっと見えたと僕は思ったものだ。ボランチとして万能の彼と、ドイツでの実際の対戦ゲームでマークを任された香川をさえも完全に抑え切ってしまった細貝。この二人が長谷部・遠藤の後ろに控えているというのは、なんとも心強いことだ。なお細貝は、相手が強くなるにしたがって不可欠になるボランチだと思う。
なお高橋自身は昨日のできを、まだまだ不満と、こう語っている。ヤフースポーツから、スポーツナビの記事である。
【 「やっぱり自分らしさも出せなかったし、いろんなところでもっと突きつめていかないと、(代表の)ピッチに立つレベルではないと思う。ただ45分、出られたことを前向きにとらえて、クラブに戻ってもこの経験を常に頭に入れながら、もっとこうしようという基準を大事にして、FC東京も個人としても成長できるように勝負していきたいと思います。
(中略)
(出る前に監督から言われたことは?)所属クラブでやっているプレーをやってくれと言われて、いろんな選手からもそういうことを言われたし、本田圭佑さんとかが、『色々言われていると思うけど、自分のプレーばっかりやればいい。周りを気にせずのびのびやれ』と言ってくれたので、ピッチの中では(細貝)萌さんとかもすごい気をつかってくれたりもしたので、そういうコミュニケーションという点では仲間のつながりを感じました。ただ、プレー的には良くなかったので、また戻って来られる様にクラブでしっかり結果を残したいと思います」 】
ここでは余談であるが、同じヤフースポーツから岡のゲーム後談話も紹介しよう。チーム全体を責任持ってみている、やはり素晴らしい選手だと改めて思い直した。自分の得点のことは何も語らず、まるで監督談話のようではないか。ぼーっとした顔をしているのに。中田英寿でさえここまで語ったかどうか?!確かまだ、26歳になったばかりだ。
【 「代表は左でどうしてもボールを持つので、右サイドはシンプルにやるべきかなと思っていた。右サイド(でのプレー)は久しぶりだったが、徐々に慣れていった。あとはボールを持ったときにどう展開していくか。やっぱり、右も左も攻撃できて、日本は強くなると思う。日本の生命線はパスのクオリティーなので。
(本田圭祐が入ったことで)ボールが落ち着く。でも、頼ってしまってはダメなので。預けながらも、どこからでも仕掛けられたほうがいい。圭佑頼みになったら成長は止まる。空いたとしても使わなかったり、そういうのも必要なのかなって思う。こういう相手だから今日は勝てたけど、カウンターでも戻りきれなかった場面があったので、次はもっと引いてプレッシャーも厳しいし、カウンターを狙ってくるだろうから。
(最終予選本番に向けて)自分としては90分やれたのが収穫。チームとしてはパスのクオリティーがまだまだですね。左で作って右に来てシュートとか、それが両サイドできないといけない。ただ、左で攻撃する分、右は絞ってカウンターを防ぐことが、今日はできたので本番でもあり得るかなと。(長友)佑都も(香川)真司も攻撃的になったときに右サイドはちょっと絞り気味で攻めて、そういうところでボールを奪えていたので、左の特徴を考えて、右でバランスを取りました」 】