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新聞の片隅に載ったニュースから(38)   大西五郎

2012年07月20日 19時13分24秒 | Weblog
大西さんの「新聞の片隅に載ったニュースから(38)」です。   らくせき

   原発の新増設は困難 連合、政策見直し案(2012.7.20朝日新聞)

「労働組合の中央組織で、民主党最大の支持団体である連合は19日、東日本大震災の発生を
機に検討していたエネルギー政策の見直し案を発表した。電力供給を安定させるため
既存の原発の再稼動を認める一方、新増設は困難とし、中長期的に依存度を下げる
べきだとした。ただ、電源の構成比の目標は示さなかった。9月に正式に決める。
連合は大震災までは原発は電力の安定供給に欠かせないと位置づけていた。
見直し案では、現在、停止中の原発については、安全対策の強化や国民の理解を
前提に再稼動を認めた。一方、原発の新増設は、「現時点では困難」との認識を示し、
「着実に進める」としていた従来の表現から方向転換した。電源構成については
再生可能エネルギーを原子力に代わる柱にする必要があるとした。
古賀伸明会長は昨年10月の定期大会のあいさつで、「最終的には原子力に依存しない
社会を目指していく必要がある」と「脱原発依存」を宣言していた。傘下の労組には、
より強硬な脱原発論もあったが、電力の安定供給や国内雇用維持の観点から、
現政権の方針に近い見直し案になった。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  
原発の新増設は「現時点では困難」というのはどういう意味なんでしょう。よく分りません。
「困難だ」というのは「すべきでない」というのではなくて、素直に読めば「新増設すべきだと
思うが、今は反原発、原発再稼動反対の声が強いので、それを押して新増設を主張するのは
困難な状況だ」という意味にとれます。

連合は、「民主党内原発推進派の母体」(2011年6月18日付け中日新聞「特報」)の電力総連
(全国電力産業労働組合総連合、電力会社と関連企業の従業員の組合員22万人)を
主要組合として抱えています。電力総連は「数多くの組合員が原子力の職場で働いて
おり、日本のエネルギー政策の一翼を担っているということに自信と誇りを持っています」
「(福島第1原発の事故も)原因が分っていないのに、原子力発電を見直すべきかどうかの
議論はできない」というような主張を繰り返して、原発推進の立場をはっきりさせてきました。
また「新聞の片隅に載ったニュースから」の21号で紹介したように、東京電力労組の
新井委員長は中部電力の集会で福島第1原発の事故について「(東電に)不法行為は
ない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思って
やってきた」「次の選挙では、原発の反対する民主党候補者推薦を出すかどうかを
厳密に判断していく」と述べました。

記事では「傘下の労組には、より強硬な脱原発論もあったが」とありましたが、むしろ
大震災後も原発擁護の主張をしている電力総連の影響力の方が強く、昨年の定期大会での
古賀会長の「脱原発依存宣言」も後退して、「再稼動容認」の方針を決め、新増設については
曖昧な表現にしたと考えたほうが正しいように思います。
                                       大西 五郎
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保安院の大罪(79)「形式だけの悪業務」 文科系

2012年07月20日 13時41分46秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨日(78)”なんとあほな!”へのコメントを、こう書いた。
『何度でも言うが
 何度でも言うが、福島原発事故の国民から見た第1の犯人は、原子力「安全」保安院。80年代から幅をきかせ始めた規制緩和の新自由主義世界では、会社が法の目をくぐり抜けようとすることなんか、ある意味「織り込み済み」。これを見張るお役所こそ抜かりがあってはならぬはずなのである。そのために税金使って給料もらってきたのではないか。
 それを原発推進官庁の経産省の中に保安院を作るわ、元福島県知事の福島原発悪戦苦闘から「原子力保安院こそ粗悪原発隆盛への大狢」ととっくの昔に断罪されていたわ! 保安院に関わった連中は皆、いまや凶悪な確信犯だったのである。こうして、国会事故調報告に言う「人災」とは、何よりも保安院の成せる業ということだろう 』

 さて、本日の中日新聞にもこういう観点から目を引く記事があった。中日を読めない全国の方々にお伝えしたい。3面の『志賀 見逃された「活断層」』。昨日に引き続き本日も活断層問題を扱い、以下、活断層の定義、見逃されてきた経過、誰が悪かったか等を見ていくことにする。

 活断層の定義はこういうもの。「12~13万年以降に地震を起こした断層」。なお断層とは地層の切れ目のことで、その切れ目によって上下にずれる等大きな段違いが生じているものを言う。そして、北陸電力が志賀1号機について1987年にまとめた「原子炉設置許可申請書」の中から、今回問題になった図面が見つかったという。新聞記事中で解説を務める渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)が、この図面を見てこう語っている。
『「これが活断層でないと思っているとしたら、その人に委員を務める能力はない」と批判する』
「志賀原発直下の断層」という図面が載っているが、下から順に大きく4層に分かれている。安山岩、12~13万年前の砂礫2層、11万年前以降の砂礫1層、赤色土壌と。そして問題はここ。安山岩の向かって左半分が中央でがたんと落ちているのである。このがたんと落ちている切れ目、ずれ面の部分が「断層」であり、上の新しい地層との関係で「活断層」と定義できるらしい。

 さて、これがどういう経過で以下に見るように3回もあったチェック機会を無事通過したのか。第1回目は建設時88年にあった合計5回の原子力安全委員会の専門委員会。専門学者たちの提案で、議論なく原案了承となったらしい。2回目は2号機が作られる前の97年。そして3回目としては2008年の安全性現地調査を含んだ「再審査」というもの。97年は詳しい調査をしたようだが、88年同様にパス。08年に至ってはこの活断層は初めから調査対象には入っていなかったという。
 どうしてこんなことが起こったのか。国会事故調も報告していた「安全監視側に(自己)規制」という事前工作が働いたのだろう。そういう「人災」ということである。明白な誤魔化しである。だからこそ、前述の渡辺教授にもこう語らせ、記事はこう終わっている。
『「責任は原子力安全・保安院と原子力安全委員会にもある。いまになって電力会社を叱りとばすのはおかしい」と話す。
 形式だけの審査を長い間続けてきたツケを払うときがやってきたようだ』

「形式だけの審査」、保安院がやるのはいつもこんなことばかりだ。天下りなどのためにかグルになって確信犯を決め込み、ばれると電力会社の首を取る。元福島県知事佐藤栄佐久氏冤罪事件の発端も、こういうものだった。福島原発の事故記録証拠改ざんを県側から社会問題化したら、東電会長、社長ら最高幹部の首が飛んだ、と。なおその際、保安院はこんなことまでを敢行していた。記録改ざんの内部告発者の氏名を東電に通報していた! 詳細は、当ブログ拙稿、「知事抹殺」1~5(11年9月9日~13日参照)。どこまで腐った、酷い役所なのだ!
コメント (6)
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