1 ここへの民主党関連拙稿について、日本共産党の支持者らしき方々からよくこんな論議が持ちかけられたかと思います。
まず、イラク給油法の時に、「暫定法の期限切れ、一時撤退などと、民主党が最後までやり切るわけはない」というもの。
次いで、ガソリン税暫定税率のことでも、民主党の「暫定法の期限切れ、税も中断」を「ポーズだけ」と断じ、不信だった方々が多かったかと思います。これらの方々は今「結局元に戻った」ということの方だけを強調されているのではないでしょうか。これもおかしい。
ところで、以上はたった二つのことにすぎませんが、共産党も大歓迎している自公政権崩壊に繋がった大事な出来事でもあったはずですし、今もその火種は残って、来年も問題になるはずのものです。前者は、来1月イラク特措法期限切れ・給油派遣取りやめ問題として。後者は10年予算で暫定税廃止問題として。この後者については例えば昨日の拙稿で、民主党重鎮・藤井裕久氏らに見える民主党の正式見解をご紹介したところです。
こういうように、共産党の方々はどうも色眼鏡なしで民主党の姿勢を見ることができないようだと、そんなことを僕は感じてきました。「確かな野党」路線に即してそうなってきたわけですが、「建設的野党」になったのならば、ここらを少しは変えて欲しいと僕は今、言いたいと思うのですね。
以上の政策全体の根本に関わるような2例では僕が正しかったわけですが、今後の民主党動向について、概括してこう言いたいと思います。
「僕は民主党を、自民党と基本的に同じだなどとは思わないが、そのためにこそこういう点を観ていて欲しい」
僕は、今後の民主党にいくつかの新施策面を期待しています。ですから、そのたびにみなさんと、ここで論争をしなければならないだろうと予測します。これは、その予告編、演習ということにもなるわけです。こんなふうな。
2 甘すぎるという見込み違いもあり得ましょうが、かなり大胆にやってみますね。今後様子を見ながらどんどん直していくべき僕の仮説としての体系なのですが。
①当面すぐの問題では例えば、社民党、国民新党にも閣僚参加を要請すると思う。これはよく言われているように参院過半数にとって彼らが不可欠だからというだけではなく、次の理由によるという視点が大切だと、僕は考えています。自民党長年の「国政と党益の混同エゴ」と対照的な「一定の公正さ」を全般的に打ち出し始めるということ。ちなみに、60年の自民党マンネリ政権の中で培われた「国政と党益の混同エゴ」を民主党にも見ようというのは無理があろうということです。自民党・官僚合同政府には、大企業本位政府だからというだけでは説明しきれない、数々の積み重なった悪があったと思いますから、民主党は随分公正になるはずなのだと僕は思うのです。
なお、この閣僚参加にかんしては、少数政党の方の事情で断るならば、話は別のことだと言っておきたいと思います。
②輸出産業に多少辛くなり、内需産業、医療福祉、農業・食糧自給率、教育、底辺労働者などへの新施策を打ち出しつつ、従来よりも内需的景気回復を図ると思います。これは①に見える変更、転換から来るものという側面もあるのであって、現在マスコミがやっているように自民党末期のバラマキ政策と一緒とだけ見るのは、「見る方のマンネリ」とも言えるのではないでしょうか。
これらの財源という点において、官僚が隠す特別会計をめぐる情報公開闘争から目が離せません。ちょうど、莫大な道路特定財源がいかに浪費されていたかがずっと隠されてきて、参院野党有利下での暫定法の廃止問題攻防からぞろぞろと発見されていったようなものでしょう。
③対米関係が国連関係に移行していく側面が強まると思います。また、中国、アジア重視も始まると思います。関連してなお、日本の軍事強化という側面と、国連への自衛隊協力という側面とを区別するという見解は一定説得力があると、僕は考え、ここでも述べてきたところです。ここでも僕は、こう言っておきたいと思います。「60年の自民党マンネリ政権の中で培われた国政と党益の混同エゴ、それと一蓮托生で行われてきた高級官僚エゴ」のその頂点としての鷹派・森派の天下と民主党とは同じじゃないだろうと言いたいと思います。
④官僚との戦いが長く、厳しく続いていくと思います。特に、100兆以上もの特別会計的なもの、情報公開、格差対策などが主戦場になるでしょう。格差対策については例えば、失業率の官僚的定義の、民意にあったその改訂までが争われるのではないでしょうか。この闘いでは例えば、既に言われ始めたように「国家戦略局」の動きを追い、見つめ続けていきたいと僕は心しています。
他方の官僚の方は、民主党政権が見えた後には、「駆け込み天下り」や「既定の予算案の堅持声明」などと、大わらわのようです。罪状風船のガス抜きのような「内部告発?」も、たびたび出てくるのではないでしょうか?
このせめぎあいでは僕は、前述の藤井裕久氏などには期待しています。自民党政権を倒した立役者の一人だと考えてきましたから。その理由としてということもあって、2日に彼についての随筆を転載したつもりなのです。彼は今、こう言っています。
「細川内閣の大蔵大臣をやったが、わずか10ヶ月で自民党・官僚の奇策によって下野させられてしまった。あのときはせめて、2年は欲しかったと以降痛切に思ったものです」
⑤民主党内部の一部の声を全部のように言うのはためにする議論だと思います。また、過半数ぐらいの声があるというだけで、それが明日にでも実現するというように批判するのも、同じです。党内反対派の声を規約と力で押さえて、表面化させないことを習慣としてきた共産党ですから、こんなことは容易に分かるはずでしょう。自党内3分の1ほどの異論がすぐに実現するものか否か、さらに半分ほどの異論となれば、党を割るような大事件にも発展する時があるとも。
党の声を単一に見せれば、国民の願いが叶うというものでもありません。が、ましてや賛否が単一ではない政策ならば、もっと実現は難しいものでしょう。さらにまして、民主党内部の少数意見が明日にでも実現するように批判するのは、本当に笑止なことではないでしょうか。
3 いずれにしても、こういうことを考えて欲しいです。民主党と「建設」で力を合わせられる側面もでてきたと言い始めるなら、その根拠をどこに見るのかということです。「大企業の党」で基本的には悪く、良いことを始めるように見える場合は「譲歩または策略」でしかないというだけの対し方を変えたのでしょうか。ならば、その根拠を出して欲しいものです。
相手を支配階級の党と決め込み、自分らは「労働者本意、『公的正義の代弁者』が保証されている」というようなそういう理論からこそ、外部から「幹部独善の党」と見られることになってきたのではないでしょうか。
当分資本主義の中でやっていくというならば、資本主義を超越した視点から「抗議」だけをしていても現実は動かせないでしょうから、「建設」にはならないと思います。なお、資本主義の中でやっていくということは、その資本主義の範囲内にその都度生まれる大きな矛盾に目を付け、そのどちらかに味方をし、実現させようというような闘い方も必要なのではないでしょうか。そこを「大企業視点は全て悪」というような、そんな観点が大きな方法論として潜在しているからやはり「抗議」だけになり、何も「建設」できないのだと、僕はよく感じたことがありました。
まず、イラク給油法の時に、「暫定法の期限切れ、一時撤退などと、民主党が最後までやり切るわけはない」というもの。
次いで、ガソリン税暫定税率のことでも、民主党の「暫定法の期限切れ、税も中断」を「ポーズだけ」と断じ、不信だった方々が多かったかと思います。これらの方々は今「結局元に戻った」ということの方だけを強調されているのではないでしょうか。これもおかしい。
ところで、以上はたった二つのことにすぎませんが、共産党も大歓迎している自公政権崩壊に繋がった大事な出来事でもあったはずですし、今もその火種は残って、来年も問題になるはずのものです。前者は、来1月イラク特措法期限切れ・給油派遣取りやめ問題として。後者は10年予算で暫定税廃止問題として。この後者については例えば昨日の拙稿で、民主党重鎮・藤井裕久氏らに見える民主党の正式見解をご紹介したところです。
こういうように、共産党の方々はどうも色眼鏡なしで民主党の姿勢を見ることができないようだと、そんなことを僕は感じてきました。「確かな野党」路線に即してそうなってきたわけですが、「建設的野党」になったのならば、ここらを少しは変えて欲しいと僕は今、言いたいと思うのですね。
以上の政策全体の根本に関わるような2例では僕が正しかったわけですが、今後の民主党動向について、概括してこう言いたいと思います。
「僕は民主党を、自民党と基本的に同じだなどとは思わないが、そのためにこそこういう点を観ていて欲しい」
僕は、今後の民主党にいくつかの新施策面を期待しています。ですから、そのたびにみなさんと、ここで論争をしなければならないだろうと予測します。これは、その予告編、演習ということにもなるわけです。こんなふうな。
2 甘すぎるという見込み違いもあり得ましょうが、かなり大胆にやってみますね。今後様子を見ながらどんどん直していくべき僕の仮説としての体系なのですが。
①当面すぐの問題では例えば、社民党、国民新党にも閣僚参加を要請すると思う。これはよく言われているように参院過半数にとって彼らが不可欠だからというだけではなく、次の理由によるという視点が大切だと、僕は考えています。自民党長年の「国政と党益の混同エゴ」と対照的な「一定の公正さ」を全般的に打ち出し始めるということ。ちなみに、60年の自民党マンネリ政権の中で培われた「国政と党益の混同エゴ」を民主党にも見ようというのは無理があろうということです。自民党・官僚合同政府には、大企業本位政府だからというだけでは説明しきれない、数々の積み重なった悪があったと思いますから、民主党は随分公正になるはずなのだと僕は思うのです。
なお、この閣僚参加にかんしては、少数政党の方の事情で断るならば、話は別のことだと言っておきたいと思います。
②輸出産業に多少辛くなり、内需産業、医療福祉、農業・食糧自給率、教育、底辺労働者などへの新施策を打ち出しつつ、従来よりも内需的景気回復を図ると思います。これは①に見える変更、転換から来るものという側面もあるのであって、現在マスコミがやっているように自民党末期のバラマキ政策と一緒とだけ見るのは、「見る方のマンネリ」とも言えるのではないでしょうか。
これらの財源という点において、官僚が隠す特別会計をめぐる情報公開闘争から目が離せません。ちょうど、莫大な道路特定財源がいかに浪費されていたかがずっと隠されてきて、参院野党有利下での暫定法の廃止問題攻防からぞろぞろと発見されていったようなものでしょう。
③対米関係が国連関係に移行していく側面が強まると思います。また、中国、アジア重視も始まると思います。関連してなお、日本の軍事強化という側面と、国連への自衛隊協力という側面とを区別するという見解は一定説得力があると、僕は考え、ここでも述べてきたところです。ここでも僕は、こう言っておきたいと思います。「60年の自民党マンネリ政権の中で培われた国政と党益の混同エゴ、それと一蓮托生で行われてきた高級官僚エゴ」のその頂点としての鷹派・森派の天下と民主党とは同じじゃないだろうと言いたいと思います。
④官僚との戦いが長く、厳しく続いていくと思います。特に、100兆以上もの特別会計的なもの、情報公開、格差対策などが主戦場になるでしょう。格差対策については例えば、失業率の官僚的定義の、民意にあったその改訂までが争われるのではないでしょうか。この闘いでは例えば、既に言われ始めたように「国家戦略局」の動きを追い、見つめ続けていきたいと僕は心しています。
他方の官僚の方は、民主党政権が見えた後には、「駆け込み天下り」や「既定の予算案の堅持声明」などと、大わらわのようです。罪状風船のガス抜きのような「内部告発?」も、たびたび出てくるのではないでしょうか?
このせめぎあいでは僕は、前述の藤井裕久氏などには期待しています。自民党政権を倒した立役者の一人だと考えてきましたから。その理由としてということもあって、2日に彼についての随筆を転載したつもりなのです。彼は今、こう言っています。
「細川内閣の大蔵大臣をやったが、わずか10ヶ月で自民党・官僚の奇策によって下野させられてしまった。あのときはせめて、2年は欲しかったと以降痛切に思ったものです」
⑤民主党内部の一部の声を全部のように言うのはためにする議論だと思います。また、過半数ぐらいの声があるというだけで、それが明日にでも実現するというように批判するのも、同じです。党内反対派の声を規約と力で押さえて、表面化させないことを習慣としてきた共産党ですから、こんなことは容易に分かるはずでしょう。自党内3分の1ほどの異論がすぐに実現するものか否か、さらに半分ほどの異論となれば、党を割るような大事件にも発展する時があるとも。
党の声を単一に見せれば、国民の願いが叶うというものでもありません。が、ましてや賛否が単一ではない政策ならば、もっと実現は難しいものでしょう。さらにまして、民主党内部の少数意見が明日にでも実現するように批判するのは、本当に笑止なことではないでしょうか。
3 いずれにしても、こういうことを考えて欲しいです。民主党と「建設」で力を合わせられる側面もでてきたと言い始めるなら、その根拠をどこに見るのかということです。「大企業の党」で基本的には悪く、良いことを始めるように見える場合は「譲歩または策略」でしかないというだけの対し方を変えたのでしょうか。ならば、その根拠を出して欲しいものです。
相手を支配階級の党と決め込み、自分らは「労働者本意、『公的正義の代弁者』が保証されている」というようなそういう理論からこそ、外部から「幹部独善の党」と見られることになってきたのではないでしょうか。
当分資本主義の中でやっていくというならば、資本主義を超越した視点から「抗議」だけをしていても現実は動かせないでしょうから、「建設」にはならないと思います。なお、資本主義の中でやっていくということは、その資本主義の範囲内にその都度生まれる大きな矛盾に目を付け、そのどちらかに味方をし、実現させようというような闘い方も必要なのではないでしょうか。そこを「大企業視点は全て悪」というような、そんな観点が大きな方法論として潜在しているからやはり「抗議」だけになり、何も「建設」できないのだと、僕はよく感じたことがありました。