例によって、若い友人からメールが来て、返事を書き、「正しい評価」を納得してもらったので、そのやりとりを転載したい。かなり長文であるが、大事な物なので、そのまま転載する。
友人【 完敗でした、やはり世界3位の大きさを感じました。それまでまずまず戦っていた代表が、一点ビハインドとなり急にモチベーションが落ち、ずるずると負けてしまいました。試合後半に解説の松木がしきりと「内田などDFの交代、稲本などの投入、編成を替えてでの陣形への変更」を訴えていましたが原因はそれだけでしょうか、コウロギの投入はよかったと思いましたが本田はやはり機能していなかったし(玉田の方が点を取るという事では可能性があったような)久しぶりに手に汗を握るような展開でしたが、TVのスイッチを消すのが空しい最後でありました】
僕【 あのゲームをマイナスにだけ評価してはいけないと思う。それは今後に役立たない勝敗至上主義であるうえに相手が非常に格上のチームなのだから、自チーム改善に生かすべき評価も見誤ってしまうことになる。僕は詳細に経過をメモしながら観ていたから、そのことがよく分かる。何よりも、前半と後半(の後半20分以降)では違うチームであった。岡田もファンマルバイクも異口同音にそう語っていた。その内容をまとめれば、こういうことであろう。
「前半に見せた組織技術と走力は世界でも一流のものである。が、そこで『シュートが枠に飛ばないので、それほど脅威でなかった(ファンマルバイク)』。あの走力の強化、できれば最後までの持続と、どんなスピードや体制でもシュートを枠に飛ばす技術訓練とが今後最大の課題ではないか」
シュートを枠に飛ばすということでは、石川、本田、香川の練習からヒントを取って、代表の参考にしたらよい。彼らは皆、MFである。本当に特別な練習をしていると思う。
また、このゲームで走力のないものはますます使えないことが判明した。小野や稲本はそれで使われないのだろう。本田も多分ダメだと思う。長友、岡崎、内田、長谷部が相手と競り合って、時にははね飛ばし、焦った相手からイエローを取るほどの走力、体力を示していたのは、非常に頼もしかった。全員他人よりも走り続けられるから、初めから躊躇なく挑戦、攻勢ができるということだ。小野、稲本、本田や多分森本にも、これはできないと思う 】
僕の追伸【 追伸です。 僕が上に述べたことはほぼ正しいけど、付け加えることが出てきた。スポーツアネックスにこんな記事があった。
『「日本の場合、全体として戦っていくことが必要。1つでもピースが欠けると攻撃は足りなくなり、守備も守れないということがはっきりした」。その(岡田監督の)言葉は、後半から玉田に代え、左MF、トップ下としてテスト起用した本田の“落第”を意味するものだった。 オレンジ軍団のお株を奪うサイド攻撃でゲームを支配した前半とは180度違った後半。攻守のバランスが崩れ、終盤は3失点を喫した。岡田監督は「最初(のプレス)が抜けると後ろだけでは止められない。今はまだ90分、やり通せない」と説明した。それは途中出場の本田が原因か?との問いには「本田の責任だけではないが…」と』
『ピッチ内も同じく、バランスの崩壊に混乱していた。中村は言う。「後から入った人がもっと走らないと。後半も体力でやられたわけではない。1人(の守備が)ずれれば、守備がはまらなくなる。後から入ってきた人も含め、守備をしない人がいると厳しい」。浮き彫りとなった課題点を辛らつに話した』
つまり、後半(の後半)の崩れが、体力だけではなく、上に見たような原因もあったということだ。それでも後半20分までもったというのは逆に希望が持てる。確かに、僕のメモでも「後半22分、せめぎあい、日本のプレッシャーにあわてる場面、続く」とあった。
得点力不足については俊輔がこう語っていた。
『「点が入った場面がすべて。(オランダは)崩さなくても得点ができる。ゴール前での強さを感じた」。永遠の課題である決定力不足に関して、中村は苦言を忘れていなかった。「(前半に)点を取らないといけない。例えば玉田が(シュートを)ふかしたけど(完全に崩していないのに)スナイダーは決めている。ああいうのはJリーグではないこと」』】
友人【 頂いたメールをじっくり拝読、未だ自分の付和雷同した視点に恥じ入りました。興味本位的サッカー評論は見ない事にします。何のための試合だったのか、その目的は柔道で言うなら黒帯の人と当たり、自らの欠点を明らかにすることでした。Tさん(僕のこと)に頂いた内容を読み、0-5でフランスに負けた「サンドニの悲劇」から日本は何も学んでいない・・というセルジオ越後のリポートは愚論でしかないのもよく分かりました。サッカーが常に進化している競技だという醍醐味、私は岡田のすべてを信頼しているわけではないのですが、ああ、この人は何か頭の中にWCへ向けての熟成させつつあるプランがあるのだなと感じました。そしてオランダ代表監督のコメントからは冷静な分析(危機意識)を感じます、度重なるファウルを見て、彼らの焦りを感じ、またそこまで後半20分まで戦えた日本は戦果アリでした。
さて、選手一人一人のコメントを読んで(実は普段あまり試合後のインタビューとかは見ないようにしていましたが)意外に日本人選手たちがそれほど焦っていないというか、まあ負けはしたけど、反省点はあるけど(ペース配分やプレス、シュートの精度とか)怖くはなかった、と語っている点に驚き、また安心しました。今回の一番残念なのが期待していた本田の出来が案外大したことがなかった事、試合開始直後、足首を痛めた中村俊輔がどうも精細を欠いてしまった点、ヘッドとかで決めてくれるかな?と期待していたトゥーリオが目立たなかった事、かな。最後にまた譫言かもしれませんが、松井がいたらどうだったかな?とふと考えました。面白い一戦でした】
友人【 完敗でした、やはり世界3位の大きさを感じました。それまでまずまず戦っていた代表が、一点ビハインドとなり急にモチベーションが落ち、ずるずると負けてしまいました。試合後半に解説の松木がしきりと「内田などDFの交代、稲本などの投入、編成を替えてでの陣形への変更」を訴えていましたが原因はそれだけでしょうか、コウロギの投入はよかったと思いましたが本田はやはり機能していなかったし(玉田の方が点を取るという事では可能性があったような)久しぶりに手に汗を握るような展開でしたが、TVのスイッチを消すのが空しい最後でありました】
僕【 あのゲームをマイナスにだけ評価してはいけないと思う。それは今後に役立たない勝敗至上主義であるうえに相手が非常に格上のチームなのだから、自チーム改善に生かすべき評価も見誤ってしまうことになる。僕は詳細に経過をメモしながら観ていたから、そのことがよく分かる。何よりも、前半と後半(の後半20分以降)では違うチームであった。岡田もファンマルバイクも異口同音にそう語っていた。その内容をまとめれば、こういうことであろう。
「前半に見せた組織技術と走力は世界でも一流のものである。が、そこで『シュートが枠に飛ばないので、それほど脅威でなかった(ファンマルバイク)』。あの走力の強化、できれば最後までの持続と、どんなスピードや体制でもシュートを枠に飛ばす技術訓練とが今後最大の課題ではないか」
シュートを枠に飛ばすということでは、石川、本田、香川の練習からヒントを取って、代表の参考にしたらよい。彼らは皆、MFである。本当に特別な練習をしていると思う。
また、このゲームで走力のないものはますます使えないことが判明した。小野や稲本はそれで使われないのだろう。本田も多分ダメだと思う。長友、岡崎、内田、長谷部が相手と競り合って、時にははね飛ばし、焦った相手からイエローを取るほどの走力、体力を示していたのは、非常に頼もしかった。全員他人よりも走り続けられるから、初めから躊躇なく挑戦、攻勢ができるということだ。小野、稲本、本田や多分森本にも、これはできないと思う 】
僕の追伸【 追伸です。 僕が上に述べたことはほぼ正しいけど、付け加えることが出てきた。スポーツアネックスにこんな記事があった。
『「日本の場合、全体として戦っていくことが必要。1つでもピースが欠けると攻撃は足りなくなり、守備も守れないということがはっきりした」。その(岡田監督の)言葉は、後半から玉田に代え、左MF、トップ下としてテスト起用した本田の“落第”を意味するものだった。 オレンジ軍団のお株を奪うサイド攻撃でゲームを支配した前半とは180度違った後半。攻守のバランスが崩れ、終盤は3失点を喫した。岡田監督は「最初(のプレス)が抜けると後ろだけでは止められない。今はまだ90分、やり通せない」と説明した。それは途中出場の本田が原因か?との問いには「本田の責任だけではないが…」と』
『ピッチ内も同じく、バランスの崩壊に混乱していた。中村は言う。「後から入った人がもっと走らないと。後半も体力でやられたわけではない。1人(の守備が)ずれれば、守備がはまらなくなる。後から入ってきた人も含め、守備をしない人がいると厳しい」。浮き彫りとなった課題点を辛らつに話した』
つまり、後半(の後半)の崩れが、体力だけではなく、上に見たような原因もあったということだ。それでも後半20分までもったというのは逆に希望が持てる。確かに、僕のメモでも「後半22分、せめぎあい、日本のプレッシャーにあわてる場面、続く」とあった。
得点力不足については俊輔がこう語っていた。
『「点が入った場面がすべて。(オランダは)崩さなくても得点ができる。ゴール前での強さを感じた」。永遠の課題である決定力不足に関して、中村は苦言を忘れていなかった。「(前半に)点を取らないといけない。例えば玉田が(シュートを)ふかしたけど(完全に崩していないのに)スナイダーは決めている。ああいうのはJリーグではないこと」』】
友人【 頂いたメールをじっくり拝読、未だ自分の付和雷同した視点に恥じ入りました。興味本位的サッカー評論は見ない事にします。何のための試合だったのか、その目的は柔道で言うなら黒帯の人と当たり、自らの欠点を明らかにすることでした。Tさん(僕のこと)に頂いた内容を読み、0-5でフランスに負けた「サンドニの悲劇」から日本は何も学んでいない・・というセルジオ越後のリポートは愚論でしかないのもよく分かりました。サッカーが常に進化している競技だという醍醐味、私は岡田のすべてを信頼しているわけではないのですが、ああ、この人は何か頭の中にWCへ向けての熟成させつつあるプランがあるのだなと感じました。そしてオランダ代表監督のコメントからは冷静な分析(危機意識)を感じます、度重なるファウルを見て、彼らの焦りを感じ、またそこまで後半20分まで戦えた日本は戦果アリでした。
さて、選手一人一人のコメントを読んで(実は普段あまり試合後のインタビューとかは見ないようにしていましたが)意外に日本人選手たちがそれほど焦っていないというか、まあ負けはしたけど、反省点はあるけど(ペース配分やプレス、シュートの精度とか)怖くはなかった、と語っている点に驚き、また安心しました。今回の一番残念なのが期待していた本田の出来が案外大したことがなかった事、試合開始直後、足首を痛めた中村俊輔がどうも精細を欠いてしまった点、ヘッドとかで決めてくれるかな?と期待していたトゥーリオが目立たなかった事、かな。最後にまた譫言かもしれませんが、松井がいたらどうだったかな?とふと考えました。面白い一戦でした】