Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

絵具屋の女房

2007-04-09 15:29:22 | 読書
丸谷才一「絵具屋の女房」文春文庫 2007年3月

丸谷訳の「ユリシーズ」と「ボートの三人男」は,上質なユーモアのお手本のように言われているが,どこがおもしろいのかぼくには分からない.
でもエッセイは,伊丹十三のものくらい!?おもしろい.著者が歳をとって,サービス精神が出てきたのか (オール読物連載の単行本化の文庫化),それともこちらが歳をとって,なにがおもしろいか多少分かるようになったせいだろうか.ぼくは影響されやすいたちなので,旧仮名遣いで書いてみやうかなどといふ気になってしまふ (この書き方で良いのだらうか).

むかし「話の泉」というラジオ番組があったが,あんな感じでウンチクをウンチクにとどめ,深入りしないところがスマートだ.明治天皇も大正天皇も養子だったとは言うが,では次の次も養子にすればいいじゃないかとは言わない.そこがスマート.アメリカ国民の半数近くは天地創造説を信じている (1999年の調査の結果だそうです) とは言うが,それは戦前の日本国民が天孫降臨を信じていたのと同程度だとは言わない.そこがスマート.

和田誠のイラストもよい.タイトルの由来は分からない.
コメント (6)
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