Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

もろこし銀侠伝

2010-10-27 08:02:10 | 読書
秋梨 惟高 創元推理文庫 (2010/09).

カバーデザインからして中身が面白いだろう,と 新幹線車中で読むべく購入.

大学を退職して残念なことのひとつは,学生が買ってくる少年ジャンプの類いを研究室で拾い読みできなくなったこと,と 思い当たった.この本の内容が,バトル漫画を思わせるものがあったため.
中国武侠小説というジャンルらしいが,ありがたいことに,本格ミステリの味付けもされている.登場人物がみな漢字の名前で分かりにくく,はて誰だっけ とページをめくり返すあたりは,欧米のミステリを読むのと似ている.

嘘かまことか 判断できない史実らしきもの.年齢何百年とかいう登場人物.一瞬に三人を倒すトンデモ武術...
得体が知れないなりに一貫している記述が好きなので,面白く読んだ.

短編 3 つと中編ひとつ.やはり最後の中編が充実している.自分が水滸伝に詳しければ もっと面白かったかも.
カバーデザインのように,最初の短編ではおじいさんと女の子がホームズ役とワトソン役で,これがなかなか良いのだが,残念ながらこのコンビはこれだけ.著者もこの点をあとがきで謝罪している.
この 2 編では,ミステリのトリックも,こうしたシチュエーションだからこそ成り立つものであった.
コメント
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reading

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