Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

さらば、ベートーヴェン

2010-10-09 07:58:46 | 読書
石井 宏「反音楽史―さらば、ベートーヴェン」 新潮文庫 (2010/9).

現代の音楽史はドイツ人が歪曲したものである.バッハなんて当時の人は誰も知らなかった.いっぽう,ヴィヴァルディは二百年以上も音楽史から消されていた...というような話が延々と続く.
日本の学校では,ドイツ人の音楽史を直輸入して教えているから,こういうことになるのだそうだ.

その勢いで,ベートーヴェンの「美と崇高」な音楽をこきおろす.ついでにベートーヴェンを崇拝したということで,シューマンもくそみそ. 小生もベートーヴェンはどちらかと言えば嫌いだが,これでもか これでもか という調子にちょっと辟易とする.

と言っても,バッハ,モーツァルト,ベートーヴェンなどのドイツ系の音楽そのものを否定できるわけのものではない.
でも,「さらば、ベートーヴェン」 くらいに おもしろおかしく言わないと本が売れないのだろう.

最後にジャズを持ち上げているが,見方が浅薄.

小・中学校の音楽室には,今でもバッハ,ハイドン,ベートーヴェンなどの肖像画がずらりと並んでいる...というが本当だろうか.この記述を読んで思い出したのは,かっては「養老の滝」店内に歴代の総理大臣が額縁に入って並んでいたことだった.

単行本は 2004年.山本七平賞受賞だそうだ.ドーリで!

この本はある意味 歴史書だが,ぼくは高校時代 歴史が嫌いだったことを思い出した.
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