Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ニセ札つかいの手記

2012-09-28 08:52:47 | 読書
ニセ札つかいの手記 - 武田泰淳異色短篇集  中公文庫(2012/08)

「BOOK」データベースより*****
一日おきに三枚ずつ渡されるニセ札をつかうことで「源さん」との関係を保とうとする私。しかし、その「ニセ札」が「ニセ」でなかったとしたら…。ニセ物と本物の転換を鮮やかに描く表題作ほか、視覚というテーマをめぐる不気味な幻想譚「めがね」など、戦後文学の旗手、再発見につながる七作を収める。*****

帯に「生誕百年」.父と同世代と知った.
これは漫画みたいな,しかし大人向きの小説 7 篇.最初の「めがね」は近視者ならでは.思い出したのはジャズピアニスト佐藤允彦が数十年前「話の特集」に出したグラビアで,ピンぼけ写真がずらり,であった.

表題作のほか,「白昼の通り魔」「ゴジラの来る夜」等,タイトルに負けない面白さ.白昼...は大島渚監督の映画の原作だし,「誰を方舟に残すか」はハリウッド製 B 級映画がネタ,編者 (高崎俊夫) が映画評論家だからか.でも,解説に SF,哲学風コント,映画論,幻想小説等々,とある以上にごたごたしている.
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