Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

オーケストラ再入門

2012-09-14 08:13:56 | 新音律
小沼 純一,平凡社新書(2012/08).

内容(「BOOK」データベースより)*****
オーケストラを従来のイメージに閉じ込めず、「ひとが大勢で音楽をやること」として捉え直せば、雅楽やガムラン、YMOまでがオーケストラに! 凝り固まったジャンルの壁から自由になって、今こそみんなで音楽をすることの力を取り戻し、新たな音と「場」の地平を拓いていこう。一人ひとりが音でつながって豊かになる、そんなオーケストラ再発見の旅へ、ようこそ。*****

ウィーンフィルがどうの,N響がどうの,というのではなく,とても健全な内容.
どの分野にも八方美人的だが,これはそういう本なんだろう.

オーケストラ (ピッグバンド等も含めて) の一員になるということは,大きな機械の歯車のひとつになるという印象を持っている.それはつまらない反面,それなりの快感も伴う.それはこの本でも「産業革命とオーケストラ」の項でも取り上げているが,もっと掘り下げてほしかった.
「あとがき」には,ジャズ・オーケストラにおける「書かれたところ」と「即興的なところ」のせめぎ合いを見るのが執筆の動機と書かれているが,いまのジャズではせめぎ合いがないことが問題かも.

映画の話に力が入っていた.
父親に,昔観たからお前も観てみろと言われて,学生時代に名画座に行ったことだけ記憶にあって,中身はすっかり忘れている「オーケストラの少女」という映画.
この本によれば,失業した楽士たちがオーケストラを結成するというストーリーだったんですね.

日本人の指揮者が何かの文章で,この映画に引っかけてストコフスキーのことをすごくけなしていたのを思い出した.でもストコフスキーはおもしろい ! この日本人の指揮者とはスケールが違う!
コメント
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