Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

真昼なのに昏い部屋

2013-03-07 08:09:30 | 読書
江國香織 講談社文庫 (2013/02).

ゴヤのカバーでいわばジャケ買い.
中身は不倫小説.登場人物は,美弥子さん・ジョーンズさんなどと「さん」づけ,おまけに「です・ます」調の文体.解説 (奥泉 光) によれば,こういう技法を「三人称多元」と言うのだそうだ.耳障りは童話っぽいので.油断していたら,後半 急展開した.
こういう小説はどちらかと言えば苦手なので,段落ごとに休んでいたら 240 ページに一週間近くかかってしまった.

きちんとしていることが好きという美弥子さんが,前半であまりに世間を気にしないのは不自然な気もするが,惹かれてしまえばこうなるのは必然かも.自分の回りにも離婚カップルを散見するが,それぞれにこんなストーリーがあるのかなぁなどと思ってしまった.

夫・浩さんは気の毒だが,自業自得みたいに思わせるのは,女性作家だからだろうか.
漢字が読めもしないのに,書道するナタリー (ファーストネームは「さん」付けしないらしい) がちょい役にして儲け役.
コメント
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