図形楽譜とは逆に,音の各時刻の ひとつぶひとつぶを 視覚空間に訴える試みが music visualizer である.
歴史的には.個々の音符を尊重して音楽を抽象化かる最初の試みは,ディズニーのファンタジア 冒頭の「トッカータとフーガ ニ短調」の 3:40 あたりからのフーガの部分だと思う.
ソノグラムを記号化したものが楽譜だが,今では PC に音楽 (音楽に限らず音ならなんでもいい) を入力してソノグラムを出力として得ることができる.出力も入力に応じて時々刻々と変化する動画である.もともとは 音高 - 音圧 - 時刻 の3次元グラフだが,もう ひと工夫して芸術的にしたものが music visualizer だろう.
初めてアップル製 visulalizer に接したときは,この手があったか ! と思った.へんてこな音律で創った計算機音楽を Youtube にアップするときに,visualizer を付ける (に付けた,と言う方が適切か?) ことにしていた.
下の visualizer の音楽は PAN 音階 - 周波数比1と3の間を13分割する音階 - に基づいた拙作.
今では音楽を与えれば動画を返す visualizer はもちろん,その visualizer のプログラムを作るソフトも,ネットに多数.
でも,やはりソノグラム・プログラム起源の visualizer は具体動画に敵わない.
せっかくの Disney Fanrasia のトッカータとフーガも,後出の「魔法使いの弟子」のミッキー・マウスの魅力に,即刻影が薄くなってしまった (ように観ていて感じた).
計算機を用いた具体動画による visualizer の古典的傑作は Coltrane の Giant Steps を題材にした 2001 年の Michal Levy 作品ではないだろうか.One (2007)も力作.
トップ画像は, misokabocha さんの HP より.音楽にマッチしたモーショングラフィックス,アニメーションが盛り沢山 !!