このブログに再三登場する
「いつかたこぶねになる日」新潮社 (文庫 2023/10)
の著者 小津夜景さんの本業は俳人だそうだ.これは同書より,小津さんが漢詩に触発され,訓読みの長い漢字を組み合わせてつくった「三文字俳句」の連作の,最初の6句.括弧内は漢字のルビで,実質この句の読み下しなっている.
1行目の3文字目・2行目の2文字目・3行目の3文字目など,むずかしい漢字がどれも恐ろしい意味を持っているようだ.4-6 句 (行) がぼくの好み.
五行歌を想起した.
じじいになったら
ひげを貯えて
好きなときに酒を飲み
あちこちで嘘をついて
生きるのだ
ひげを貯えて
好きなときに酒を飲み
あちこちで嘘をついて
生きるのだ
鮫島龍三郎
五行詩としないところに鮫島さんのこだわりがあるのだろうか.