Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「800日間銀座一周」

2022-05-10 09:15:10 | 読書
文・え 森岡 督行,文藝春秋(文春文庫 2022/4).

Amazon の紹介*****あんぱんを買い、一杯の酒を飲み、一着のスーツを作る。「一冊の本を売る」コンセプトで人気の森岡書店代表が、銀座の街を現在から過去、そして未来へと旅をする。明治の大火や関東大震災に戦災、そしてコロナ。幾度の危機を経てきた街とそこに関わる人々の魅力を、味のあるイラストと伊藤昊の写真とともに描きだすエッセイ。*****

初出は 資生堂ウェブ「花椿」連載「現代銀座考」2020/5-2021/12.
連載が約800日に及ぶのでこのタイトルだが,ジュール・ヴェルヌの冒険小説への言及はない.それは野暮,暗黙の了解というところかな.

全40項.例えば「考現学と動画の1925年」では,大正14年の著者一家は省線で有楽町駅で下車して銀ぶらする.教文館で「コドモノクニ」5月号を買い,オープンしたばかりの松屋百貨店の大ホールの吹き抜けに度肝を抜かれ,今和次郎に呼び止められて夫婦の洋装をスケッチされ,資生堂陳列場で武井武雄動画展覧会を見る.いかにも著者 (銀座1丁目・森岡書店の店主) らしい視点だ.

伊藤昊の写真は1964年頃に撮影されたものだそうだ.このころぼくは学生だったが,通学のために地下鉄日比谷線と丸の内線を銀座で乗り換える運命にあり,必然的に銀座界隈をぶらぶらすることを覚えてしまった.
冒頭のCMの「銀座の街を過去へと旅をする」という部分に共鳴した.

絵も著者.表紙右下は月光荘のスケッチブックだ.

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