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ランダムウォークから逆正弦定理

2022-06-29 08:00:28 | 科学
昨日のブログ
大平 徹「予測学: 未来はどこまで読めるのか」新潮社(新潮選書 2020/8)
の「トレンドの予測」にあった図.

1時間に1コマずつ,50%の確率で正方向 (移動距離は +1) あるいは負方向 (-1) に移動する粒子があるとする.この仮定を (バイアスのない) 1次元対称単純ランダムウォークという.

図は 10,000 時間後の粒子の位置のシミュレーション結果の3例である.時間が経てば中央の図のようにゼロに落ち着くと考えるのが常識だが,シミュレーションを繰り返えすと,じつは上昇 (左) あるいは下降 (右)のトレンドを持つ図の方が数多く現れる.
プラス/マイナスをコインの表/裏になぞらえると,賭けでは勝ちっぱなし,あるいは負けっぱなしになることか多いことの説明らしい.

この現象は確率論の「逆正弦定理」に結びついているのだそうだ.そんな定理,あったかなと思って,古い本
 工藤弘吉「確率の計算」岩波書店 (全書 1973/11)
をあたったら,賭けとの関連などの話題はない そっけない記述だが,ちゃんと「逆 sin 法則」が問題として載っていた.

詳しい計算はウェブにあった.
もっと基礎からの解説は
ただし,このふたつが同じことを言っているのかどうか,ちょっと読んだだけではわからない.
それはそうと,高校物理...を読むと高校物理は随分むずかしいという印象.大学に入って来た学生たちの印象は別である.

密度関数と分布関数の違いも蒸発していたので,小杉さんのテキストはなかなか飲み込めなかった.
飲み込めても,賭けには役に立たないことは理解した.

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