1月17日 広島高裁は活断層と火山という二つのリスクから,四国電力伊方3号原発の運転をしてはならないと判断した.
二つのうちの前者,活断層について今回の弁護団が重視したのが,伊方原発の沖合600メートルの佐田岬沿岸に「中央構造線(地質境界)」に伴って存在する活断層の可能性だった.
この問題は,2016年11月,伊方原発広島応援団が開催した勉強会で詳しく説明されている.ここには広島大学理学研究科地球惑星科学システム専攻の早坂康隆さんによる,淡々とした講演のビデオがある...パワポを見ながら音声だけ聞くのが分かりやすかった.早坂さんは現在,大学のサークル・ジャズ研の顧問でもある.
上のふたつの地図では左側が従来の理解.これに対し,講演会の講師・早坂康隆さんの見解は右の地図のように「本来の中央構造線は伊方原発の0.6-1.5km沖海域を通過しており,同原発は中央構造線のダメージゾーンに位置している」「佐田岬半島北岸の中央構造線の位置にほぼ鉛直の,高角度の活断層が発生した可能性があり,その場合これを震源とする伊方原発敷地直下型でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する恐れがある」というものであった.
この勉強会の時点では,早坂新説は必ずしも学界のコンセンサスを得られた段階ではなかったようだが,先の採決によれば,もう定説なのだろう.
16トンは活断層があってもなくても,原発はやめなければならないという意見である.
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