ユリイカ特集「和田誠」では,和田(以下,敬称略)が画家ではなくイラストレーターであることが強調されていた.伊野孝行によれば,純粋絵画(アート)とイラストレーション(和田はイラストと略すのを嫌ったそうなので,略しません)の違いは,ジャンルではなく絵の使われ方であって,子供の絵でもゴッホの絵でも,パッケージや本の表紙になればイラストレーションなんだそうだ.
自分はCDケースに描き散らしているものを,アートとは思っていない.しかしこれらには「使われ方」もない.使われる当てのないイラストレーションを生産しているらしい.
絵を描くときの取り組み方が純粋絵画とイラストレーションでは違うだろう.100号の油彩画はイラストレーションは言えない.「2→7展」では,ふだん純粋絵画を描いている方たちがイラストレーションで楽しんでおられるようにも見受けられた...と言ったら叱られるかな.
自分の場合は,和田以前の,初山滋,茂田井武などの絵本や挿絵が好きで,こうした画家の名前もいつの間にか覚えてしまった.彼らに影響されたので,純粋絵画には興味がなくなったらしい...鑑賞は別として,自分が描く絵ではないと思うのだ.
イラストレーションという言葉は,雑誌「話の特集」で知った.この雑誌の編集者は矢崎泰久だが,和田誠はイラストレータとかアート・ディレクターとか以上の,副編集長のような立場だったそうだ.この雑誌の創刊号には,エロ雑誌と思って手を出したのだが,結局廃刊まで律儀に買ってしまった.
イラストっぽい作業が好きで,そんなことで遊んでいるとすぐ時間が潰れてしまったものだ.上のは学生用に作ったテキストの表紙と扉.1930年代の外国漫画を借用した,ここでの16とんは描かないイラストレータ.
右の対数メモリのグラフ,リビングストン図に興味をお持ちのかたはKEKのページを参照してください.
また,「物理科学実験法」の内容は One Drive https://1drv.ms/b/s!AtMVNOwTJHY4bUk8CjTNvtSVE3w からダウンロードしていただけます.この表紙にもけっこう時間をかけました.
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