久野量一訳「日々の子どもたち あるいは366篇の世界史」岩波書店 (2019/12).
Amazon の内容紹介
*****円柱の上で眠る聖シメオン,彗星とともに旅するマーク・トウェイン,水に映る月に抱きつこうとして溺死した李白,ボルネオの空から舞い降りる猫,原発事故と黒澤映画,そして時を逍遥する無名の人びと- - 勝者の歴史だけでなく,埋もれつつある人間的で小さな〈歴史〉にも向けられた,著者の厳しくあたたかな眼差しを追体験する366日,1日1話.*****
「この日,何の日」的に1日1項目,1ページ弱で366項目.著者(1940-2015)はウルグアィ出身.タイトルの「子どもたち」には深い意味があるのだろうが,よくわからない.
サブタイトル「...の世界史」は訳者がつけたもので,実は8割がたは馴染みのない中南米の歴史.上記惹句中のマーク・トウェインや黒澤映画や李白は,話題が広きに渡ることは示しているけれど,例外を拾った感がある.
最初のページには,1月1日は「ローマ帝国によって捏造されローマ教皇庁の祝福を受けている」だけのことで,「この世界に住む多くの人々にとって,最初の日ではない」とある.
本書の内容の多くははガーディアン誌の書評の表現を借りれば「人間が人間に対して行った非人間的な振る舞い」の歴史である.記述に多少のユーモアが感じられるのが救いだが,通読はホネであった.
書店でぱらぱら立ち読みするだけでやめておくのが賢明か? あるいはマイ書棚に一冊備えるのが賢明か?
図書館の本.
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