サブタイトル「そのメカニズムからゲノム医療まで」国立がん研究センター 編,講談社 (ブルーバックス 2018/6).
自分の場合,前立腺癌と大腸癌というふたつの癌を経験したことになる.しかしこのふたつの癌がどう違うのかはわからない.前立腺癌は背骨に転移したが,近くの直腸に転移したわけではないという.なぜ ?
こんな疑問に答えてくれるかと,電子版を購入.
トップ画像右上の図版「大腸癌の多段階発癌」は本書より,その下に少し手間だったが,臨床医が患者に説明するときに用いる図「大腸癌の深達度」をペーストしてみた.このように比べられるのがありがたい.右上図のように本書は癌を APC, KRAS, p53....などの遺伝子レベルから解き明かした本なのである.
目次*****
第1章 がんとは何か? / 第2章 どうして生じるか? / 第3章 がんがしぶとく活きる術 / 第4章 がんと老化の複雑な関係 / 第5章 再発と転移 / 第6章 がんを見つける、見極める / 第7章 予防できるのか? / 第8章 ゲノムが拓く新しいがん医療*****
現行の肺癌,胃癌,大腸癌などは,癌を生じた臓器による分類.しかし癌の原因となる遺伝子を目印に分類すると,違った様相が見えてくる.ある遺伝子の変異がさまざまな形で活性化されて,別な臓器で癌を起こす.転移の秘密もこの辺にありそうだ.本書の第8章では原因遺伝子を根拠に癌を分類する時代が来ると予想している.
しかし,60 余年前に高校で生物を学習しただけの身には,難しかった.DNA,遺伝子,細胞... という階層構造が分かっていないのが原因と思うが,上滑りの理解しか得られなかったと思う.大学教養レベルの生物学の教科書でも読んでみようかな.
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