代官山・蔦屋で買ったのは,高山 羽根子「うどん キツネつきの」.まだ半分しか読んでいないが,タイプな作品.
見返しの作家略歴に,林芙美子文学賞受賞とあった.この 2016 年の第2回受賞作「太陽の側の島」は,北九州市立文学館のホームベージで公開されていた.芥川賞などもネットで公開してもらいたいもの.それで本が売れなくなるということはないと思う...責任は持たないが,ぼくにしても短編集の一編として出版されたら買ってもいいと思っている.
この文学賞の選考委員は井上荒野,角田光代,川上未映子.しかし応募規定には,男性は応募できませんとは書いてない.
短編だから,すぐ読めてしまう.
戦地の夫と,障害があるらしい子と暮らす内地の妻との往復書簡というスタイル.戦時下ではありえない,微に入り細に入った大胆なやりとりが可能な理由は,次第に明らかになる.反戦を超越した死生観ともいうべきテーマを,戦時下という過酷な状態からおどろおどろしく展開する書き方も可能だったと思うが,あえて SF 的ファンタジー的 (すこしだけメルヘン的) に語るのが著者の特質なんだろう.それは「うどん...」にも共通している.
トップのイラストは作品と何の関係もないデス.太陽の側 ー> sunnyside ー> 目玉焼きという連想によるもの.
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