左は「楽器の科学」的な本によくある図.両端が開いた「開管」と,一端が閉じた「閉管」ではその中の空気の振動モードが違うことを示している.下は2種類の管から管楽器を作った時の楽音のスペクトルで,同じ長さなら閉管が開管のオクターブ下の音を出せる.ただし閉管が出すのは基本波と奇数倍波(3倍波,5倍波,7倍波...)だけである.
でもこれは絵空ごと.典型的な閉管楽器はクラリネットと言われている.口に当てる部分は,常時リードで閉じているというのがその理由である.右はクラリネットでハ長調のドレミファ...を吹いたときのソノグラムで,基本波の上に倍数波が並んでいる.2倍波,4倍波...の偶数倍波も,弱いながらちゃんと存在する.
クラリネットよりも徹底した閉管が下の写真の学童用パンフルートである.四角いハモニカの穴みたいなところに口を当てて空気を吹き込む.管の上部はすっぱりと切れて開いている.反対側は栓で閉じてある.この栓をとったり外したりして得たのが左のスペクトルである.閉管では偶数倍波は痕跡程度である.
実はドレミ..という音階は(正確に言えば純正律という音律は)基本波,2倍波,3倍波,4倍波,... と,全ての高調波が揃っていて初めて成り立つ.閉管では2倍波が存在しないので,長さが1対2の2本の閉管を同時に吹いてもハモらない.閉管には閉管ならではの音律が存在しうるはず...などと,この項続きます.
クラリネットに偶数倍波が存在するのは,そうでないと西洋音楽に向かないからだろう.
でもこれは絵空ごと.典型的な閉管楽器はクラリネットと言われている.口に当てる部分は,常時リードで閉じているというのがその理由である.右はクラリネットでハ長調のドレミファ...を吹いたときのソノグラムで,基本波の上に倍数波が並んでいる.2倍波,4倍波...の偶数倍波も,弱いながらちゃんと存在する.
クラリネットよりも徹底した閉管が下の写真の学童用パンフルートである.四角いハモニカの穴みたいなところに口を当てて空気を吹き込む.管の上部はすっぱりと切れて開いている.反対側は栓で閉じてある.この栓をとったり外したりして得たのが左のスペクトルである.閉管では偶数倍波は痕跡程度である.
実はドレミ..という音階は(正確に言えば純正律という音律は)基本波,2倍波,3倍波,4倍波,... と,全ての高調波が揃っていて初めて成り立つ.閉管では2倍波が存在しないので,長さが1対2の2本の閉管を同時に吹いてもハモらない.閉管には閉管ならではの音律が存在しうるはず...などと,この項続きます.
クラリネットに偶数倍波が存在するのは,そうでないと西洋音楽に向かないからだろう.
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