Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「小さな壁」

2024-02-05 10:26:02 | 読書
ウィンストン・グレアム,藤盛千夏 訳「小さな壁」論創社 (論創海外ミステリ 2023/6).

Amazon の「本の説明」*****
アムステルダム運河で謎の死を遂げた考古学者。その死に疑問を抱く青年は真実を求め、紺碧のティレニア海を渡って南イタリアへ向かう。様々な思惑が入り乱れるカプリ島に嵐警報発令。第一回 (1955) クロスド・レッド・ヘリング (CWA) 賞受賞作!*****

3人兄弟の次男が考古学者.三男がその死に疑問を抱く青年で,この小説の語り手.次男の自殺の原因となった謎の女性に,第四の男性が絡んでくる.
ミステリかと思ったら,恋愛小説みたいなラスト.

訳者あとがきによれば,「人の心の動きが焦点であり,信条・モラルや人間の本能・特性のようなものが主体となった物語」であり,「舞台となるアムステルダムとカプリの対照的な町の情景,「暗 (売春街)」の美しさと「明 (観光地)」の美しさ が描かれていることももうひとつの特徴」である.
読後に 多少の欲求不満感が残った.

訳者あとがきの他に,横井司による長尺な解説 :「『小さな壁』が CWA 最優秀長編賞受賞作に選ばれたわけを考えてみよう」を収録.

原題は The Little Walls.この由来は本文にあるが,邦題を決めるときに Walls が複数であることを考慮する必要があったと思う.

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テレビのリモコン新調 | トップ | 朝日歌壇 今週の特別賞より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事