寵物先生,玉田 誠訳,文藝春秋 (2010/04).
著者の筆名の「寵物」はペットという意味,「~先生」は「~さん」程度の意味だそうだ.
第1回島田荘司推理小説賞受賞作.台湾ミステリの翻訳.図書館の中国文学の棚で発見した.
コンピュータ上のバーチャルな繁華街 (虚擬街頭) で起きるリアルな殺人事件.しかし絵空事という感じはない.「SF設定の中に構築された高度なトリックと,結末に思わず涙する感動のストーリー」という惹句はまぁ文字通り.ちょっと偶然が重なりすぎていると思う部分もなきにしもあらずだが,なかなかの傑作だ.反復輪廻的・東洋的世界観を近未来的な衣装にくるんだところが味噌.
文庫化されないのが不思議.
盲目の子供がことばを覚える過程とか,開眼したときの感動とかを一人称で描いた下りがなかなか感動的...と思ったら,これがある種の叙述トリックだった.2種類のフォントを使い分けているが,これも深慮遠謀らしい.
地図が挿入されているが活字が小さすぎる.老人まれることは想定外?
名前が覚えにくい.登場人物リストが欲しいところだが,幸い登場人物は少ない.
翻訳文が読みやすいのにくらべ,島田荘司の選評は読みづらい.
☆☆☆
著者の筆名の「寵物」はペットという意味,「~先生」は「~さん」程度の意味だそうだ.
第1回島田荘司推理小説賞受賞作.台湾ミステリの翻訳.図書館の中国文学の棚で発見した.
コンピュータ上のバーチャルな繁華街 (虚擬街頭) で起きるリアルな殺人事件.しかし絵空事という感じはない.「SF設定の中に構築された高度なトリックと,結末に思わず涙する感動のストーリー」という惹句はまぁ文字通り.ちょっと偶然が重なりすぎていると思う部分もなきにしもあらずだが,なかなかの傑作だ.反復輪廻的・東洋的世界観を近未来的な衣装にくるんだところが味噌.
文庫化されないのが不思議.
盲目の子供がことばを覚える過程とか,開眼したときの感動とかを一人称で描いた下りがなかなか感動的...と思ったら,これがある種の叙述トリックだった.2種類のフォントを使い分けているが,これも深慮遠謀らしい.
地図が挿入されているが活字が小さすぎる.老人まれることは想定外?
名前が覚えにくい.登場人物リストが欲しいところだが,幸い登場人物は少ない.
翻訳文が読みやすいのにくらべ,島田荘司の選評は読みづらい.
☆☆☆
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