Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

JASRACとの信託契約

2012-11-19 08:14:17 | 新音律
よくご存じの方にはあたりまえの話だろうが,何年に一回くらいの頻度でしか関係を生じないと忘れてしまうので,ここに書いておくことにした.
(じつは何年か前に体験したのだが,そのときはレコード会社の言う通りにしただけだった.)

きっかけは,電子書籍に外国に版権がある曲を入れると高いのでオリジナルに替えると言ったら,(その電子書籍の)出版社がJASRACから新曲としての信託契約申請をすすめられたこと.
結論は「契約しない」である.

JASRACは音楽の利用希望者に対する許諾や,著作権使用料を徴収して各著作権者に分配する業務などを行っているとされるが,著作権使用料の分配相手は,じつは音楽出版社である.
音楽出版社というのは,楽曲が楽譜でしか出版されなかった時代の名残りでそう言っているのであって,実際はレコード会社のこと (レコードも死語だけれど).

まず作詞/作曲家から音楽出版社が著作権を譲り受け,JASRACに届け出る.楽曲が使用されると,JASRACが当該楽曲の使用料を徴収し,そこから管理手数料を引いて,残りを音楽出版社に分配する.音楽出版社はJASRACから受け取った著作権使用料から1/2程度をピンハネし,残りを作詞/作曲家にさらに分配する.

新人が,JASRACに登録していない音楽出版社から,新曲を出版 (CDとして出すときも出版という) するに際しては,新人も新出版社もJASRACに申込金を支払わなければならない.
金額は作詞/作曲家が25,000円プラス消費税,楽譜出版社が75,000円プラス消費税.会員になるといちいち払わなくて良いが,年会費が必要.

今回の場合,電子書籍出版社とJASRACとの付き合いは一回限りと思われるので,出版社は75,000円プラス消費税を出す理由がない.そうすると,たとえ作曲家が25,000円払って登録した後,たとえ新曲が使用されたとしても使用料が入ってくるルートはない.
まあ,いろいろな解決法はあるとは思うが,面倒くさい.

じつは,音楽著作権管理団体はJASRACだけではない.
http://www.nmrc.jp/hikaku4.html
申請は無料のところが多い.これがあるべき姿だろう.
今回の新曲は,JASRAC 以外のどれかに登録しておくのが良さそうだ,
ただし,ひっかかるのは JASRAC 以外でも作曲家ではなく,楽譜出版社でないと相手にしないこと.こうした関係が出資した団体だからだろう.

というのが結論.



Mr. R.N. が作曲したタイトルは,このビデオの曲のタイトルの影響と思われる.
McCoy Tyner (p), John Scofield (g), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (d).

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