Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

橙書店にて

2020-08-13 08:48:11 | 読書
田尻久子 「橙書店にて」 晶文社 (2019/11).

Amazon のCM
*****熊本の路地裏にある「橙書店」。本屋であり、喫茶店であり、ギャラリーでもある。ちいさな店に集うお客さんを店主はそっと見つめ、書棚の向こう、かそけき声に寄り添う。
石牟礼道子さんが亡くなった日「ただただ悼みたい」と訪れたひと。〝書くこと〟を焚きつけた渡辺京二さんの言葉。縁あって催すことになった〝村上春樹朗読会〟の夜。雑誌『アルテリ』に寄稿してくれたハンセン病患者「関さん」と交わした握手……33篇の物語。著者渾身の書き下ろし。*****

本屋と言っても,店主が納得した本だけを置いているらしい.「本屋さんは置く本を選べない」とも聞くが,橙書店はそういうシステムの外にあるのだろうか.

本書より抜粋
*****彼女が店の書棚を見て,「相変わらず弱者の本ばかりおいてるね,そこがぶれないよね」とつぶやいたことがある.私は,そうだろうかと思いながら書棚を眺め,意識したことはなかったけれど確かに弱者だらけだな,と合点がいった.水俣病患者にハンセン病療養所入所者,戦争の無数の被害者,さまざまな理由で差別される人たち,寄るべないひと...よりどりみどりだ.*****
でも,著者が声高に政治を非難することはない.
楽しい本もたくさん置いてあるようだ.

思いついてググってお店の HP を訪問.ヴィジュアルに良い感じ.著者の御真影にも接した,

無名の人たちに混じって,谷川俊太郎,吉本由美,村上春樹,伊藤比呂美なども登場.イベントに乗じるだけでなく半常連的な人もいる.白玉という猫も登場.
谷川は世話がやけない人で,店にプリンタが1台しかなくて間に合わないとなると,黙って電気店に行ってもう1台買ってきたりするそうだ.

装丁 有山達也
図書館で借用.
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