Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

サバティカル

2020-08-14 08:02:21 | 読書
中村航,朝日新聞出版 (2019/4).

あまり読んだことがないジャンルの小説だが,翻訳本の2-3倍の速度で読めた.

「BOOK」データベースより*****
転職先への入社まで5ケ月 -。ぽっかり空いた“人生における休暇”のあいだ、僕は、新しい何かをはじめられるだろうか。エンジニアとして無我夢中に働きつづけ、33歳で転職を決めた。次の会社に入社する4月まで、僕は自分に何ができるかを試すように、いくつもの「宿題」をクリアしていく。『リレキショ』『夏休み』から『100回泣くこと』まで、青春&恋愛小説の王道を紡いできた著者が届ける、もうひとつの愛と恋。*****

大学院生のとき,サバティカルとかでカナダの大学の教授がうちの研究室に滞在した記憶がある.当時も今も日本にはない,サバティカル本来の意味をこのとき知った.こちらの助手さんは面倒を押し付けられ,気の毒だった.

小説のネタをばらすと,主人公の僕が公園で知り合った将棋相手の老人の,訳ありの娘 (主人公より年上で,バツイチ) と,恋愛関係になる...かと思うと,そう簡単にはいかない.主人公が「アセクシュアル」であることが明らかになるのだ.
この言葉は初めて聞いた.Wikipedia によれば asexuality 無性愛とは,他者に対する性的な惹かれ(sexual attraction; 性的魅力を感じること)の欠如,または性的な行為(sexual activity)への関心や欲求が少ないか,あるいは存在しないことであり,この性質を持つ人がアセクシュアル,Aセクシュアル,あるいは無性愛者ということになる.

小説はまったく深刻な方向には行かず,最後はなんとなく脱アセクシュアルも匂わされる.恋愛小説の変形というところかな.

著者は J 子と故郷が同じだそうだ.
図書館で借用.

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