Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

装幀室のおしごと

2019-11-01 08:16:01 | 読書
範乃 秋晴「装幀室のおしごと ~本の表情つくりませんか?~ 」メディアワークス文庫(2017/2).
Amazon の内容紹介(「BOOK」データベースより)*****
この本にはどんな表紙が似合うだろう?紙の種類は、帯の有無は、中身の文字組みはどうしよう?こうして試行錯誤を繰り返して、時には編集や作家と熾烈に火花を散らせながらも、その本だけのぴったりなデザイン“本の表情”を生み出すのが『装幀家』の役割だ。それを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、その男の言葉が信じられなかった。「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」*****

本の装幀? よくわからない.この文庫本のカバーには「イラスト/uki,デザイン/鈴木亨」の記述がある.上の紹介文の「装幀家」はデザイン担当を指しているようだ.ただし「本河わらべ」は出版社の社員だからかカバーに名前は出ない.出版社によっては「新潮社装幀室」のように書かれる場合もある.一方,菊池信義,平野甲賀,クラフト・エヴィング商会などのように,独立した装幀家たちもいるし.和田誠のようにイラストもデザインも手がける人もいる.
装幀は本のジャンルにより,また出版社により,さまざまに扱われるらしい.この本も著者が創造した装幀室の出来事と思った方が良さそうだ.
16トンが経験したブルーバックスの場合は,装幀は装幀室に丸投げで,編集者は装幀に興味がなく,いわんや著者がカバーイラストやデザインに口を出すとは思ってもみないらしい.

この本は,自分が装幀には興味がある一方,気楽に読める小説はないかなと,適当に図書館で選んだのだが,当たりだった.ウエットなヒロインわらべが,同僚となったドライな男性社員と喧嘩しながらも仕事面で成長していくと言うストーリー.ありきたりなぶん安心して読める.3話連作だが,プロローグで蒔かれたタネが最後に実を結ぶあたりは,ちよっとミステリ的.でもちょっと強引.
続編もあるが,多分読まないと思う.


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 絵画教室作品展 | トップ | 「宇宙」紙ヒコーキ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事