
坂上泉「へぼ侍」文藝春秋(2019/7).
図書館で借用.
Amazon 引用の「BOOK」データベース*****
明治維新で没落した大阪の与力の跡取り錬一郎は、幼いころより丁稚奉公に出され商人として育てられる。それでも士族の誇りを失わない錬一郎は周囲の人間から「へぼ侍」と揶揄されていた。1877年、西南戦争が勃発すると官軍は元士族を「壮兵」として徴募、武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は意気込んでそれに参加する。しかし、彼を待っていたのはひと癖もふた癖もある厄介者ばかりの部隊だった―。落ちこぼれ兵士たちの活躍を描く痛快歴史エンターテイメント開幕。松本清張賞受賞作。*****
このあらすじの書き方とはかけ離れた,ポジティヴな青年成長物語.主人公が喋るのは関西弁.彼は部隊では剣術ではなく,丁稚奉公で覚えた世渡り術を使って活路を見出し成功していく.
著者は東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻したそうだが,歴史小説色はない.西郷隆盛がちよっと登場するが,「西南戦争とは何だったのか」的なテーマは素通りして,エンタメに徹しているようだ.それにしても「大義の末」などの小説に描かれる昭和の軍隊にくらべると,明治の官軍は人間的だ...少なくともそう描かれている.
松本清張賞ってなんだろう.B級直木賞? でも副賞の金額はすごい.
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明治維新で没落した大阪の与力の跡取り錬一郎は、幼いころより丁稚奉公に出され商人として育てられる。それでも士族の誇りを失わない錬一郎は周囲の人間から「へぼ侍」と揶揄されていた。1877年、西南戦争が勃発すると官軍は元士族を「壮兵」として徴募、武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は意気込んでそれに参加する。しかし、彼を待っていたのはひと癖もふた癖もある厄介者ばかりの部隊だった―。落ちこぼれ兵士たちの活躍を描く痛快歴史エンターテイメント開幕。松本清張賞受賞作。*****
このあらすじの書き方とはかけ離れた,ポジティヴな青年成長物語.主人公が喋るのは関西弁.彼は部隊では剣術ではなく,丁稚奉公で覚えた世渡り術を使って活路を見出し成功していく.
著者は東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻したそうだが,歴史小説色はない.西郷隆盛がちよっと登場するが,「西南戦争とは何だったのか」的なテーマは素通りして,エンタメに徹しているようだ.それにしても「大義の末」などの小説に描かれる昭和の軍隊にくらべると,明治の官軍は人間的だ...少なくともそう描かれている.
松本清張賞ってなんだろう.B級直木賞? でも副賞の金額はすごい.
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