意外なことに熊谷守一展は広島では初めてとのこと.学芸員さんたちも気合いが入ったようだ.
これはカタログのカバーだが,カバーをとると表紙としてカバー絵の原画であるスケッチが現れるしかけ.クロ・白・キは 16 トンのいたずら書きではなく,熊谷画伯がそういう色に塗ろうとした覚え書き.出来あがりは,まったくスケッチをゼロックスして色をつけたみたい.塗り方も一方向でていねいな筆致.
モデルの可愛がっていた三毛猫は目がみえなかったとのこと.
赤で輪郭をとってべた塗りするのを「モリカズ様式」と言うのだそうだが,このモリカズ様式で描いたコップの質感が気に入ったので,この絵がデザインされたクリアホルダーを購入.
こんなふうになんでもないもの・なんでもないことをもっぱら絵にしている.晴より雨が好きらしい.
油彩は時間をかけて描いているが,水墨画はあっさり一筆で.
こどもが産まれ,大きくなったと思ったら死んで行く.戦前の日本はそんなものだったんだろう...16 トンにも幼くしてなくなったいとこがいる.
「ヤキバノカエリ」「萬の像」,(この展覧会には欠席の)「陽の死んだ日」などの油彩画はこどもの死を画材にしている.水墨の「観世音菩薩」と「萬の像」の表情がそっくりだった.会場ではご注目下さい.
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