Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

真赤な子犬 / 氷菓

2014-03-14 08:55:18 | 読書
昨夜,というか未明というか,の地震は長くて怖かった.数時間経ってから,ぼちぼちと上の物が下へと移動しているのを発見しつつある.要するに,たいしたことはなかった.
相変わらず天下泰平な話題ですが...

日影丈吉「真赤な子犬」徳間文庫(1982/01).
大型新古書店で 105 円.
ちなみに単行本の初版は 1959 桃源社.

カバーの惹句によれば****何ということだ、自らの命を絶つべく用意した毒入りステーキを、国務大臣が食べるとは!そのショックで五ツ木守男は墜落死するが、絨毯に散らばる料理と真赤な子犬を見たという証言から四道警部は五ツ木自殺説を疑う。――一方、浅間高原の宿に事件関係者が期せずして集まった日の朝、また死体が雪の中に横たわっていた。
 料理通でもある著者が、探偵小説の醍醐味を充分に描きあげた長編会心作!*****

ペンネーム同様にこの著者の小説はかっこいいのだが,ときどきつまらないこともある.でもこれは面白かった.
200 ページ (ただし今の文庫本に比べると字が小さくて多い!) が A から Z までの 26 に分割されている.各章のタイトルも「本格物の退屈な部分」「美食学的な死の前後」...といった調子.
政治家をからかう.
文体にはどこかあきらめたようなユーモアが感じられる.
ひょんなことから探偵役をふられた爺さんが,ディクソン・カァの名を口にする.最後のバカミス的な樽乗りトリックは読者へのサービスなんだろう.

中田耕治の解説は一般的な日影丈吉論で,果たしてこの小説を読んで書いたのかなと思わせる.
知る人ぞ知る有名 ? 画家 (合田佐和子 ごうださわこ) によるカバーイラストだが,ここに使われた意味は不明.


105 円,2冊でも 210 円だからと気が大きくなって,
米澤穂信「氷菓」角川文庫(2012/10)
も購入.
日影作品に比べると なんだか幼稚と思ったが,それもそのはず.著者 23 歳のデビュー作.
高校生の男子の横柄な口のききかたに違和感があったが,相手役の女子高生のお嬢様言葉の方が異状なんだろう.はじめは短編連作かと思ったが,そういう構成を外したあたりから面白くなった.

I scream, you scream, we scream, Ice cream!
という歌を思い出した ← ネタバレ !?

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