Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

我が家のセッション会 消滅の危機

2020-02-19 09:33:10 | ジャズ

2017年春から我が家で断続的ながら続けてきたセッション会だが,レギュラーメンバーが次々にこの地を離れ,そろそろ終焉の危機.家主が続けたいのなら,ジャズ研にスカウトに行けばいいのはわかっている.しかし老化は着実に進み,出無精になり,ここ1年以上ボックスに行っていない.行っても知らない子ばかりだろう.

4月は「さよならだけが人生」の季節だ.フルート氏は学位をとって神奈川県の大手の研究所へ,ピアノ嬢は面白そうな転職先があったとかで故郷へ,ボントロ氏は東京でフリーター,ギター氏も東京でプロを目指すらしい.ベース嬢は卒業まであと一年余りだが,このところ急におとなっぽくなった.そのうち海外に行ってしまいそう.
東の方角,尾道方面の学校の先生たちがときどき参加してくださるのだが,聞けば聞くほどブラック企業にトラップされておられる感じ (でも演ればちゃんとジャズして下さる!).

学部卒業後数年となると,ジャズ研時代のように指は動かないが,そのぶん人生経験がいい味を出してくれる.音楽ってそういうものなんだな...経験も積みすぎるとくたびれるが.
仕事のための月単位・年単位の演奏のブランクは,なんとかなってしまう.自転車やスキーを忘れないように,ジャズも忘れられないものらしい.

もっぱらお茶とお菓子 (たまにはアルコールも) とおしゃべりに努力した感があるが,黒本に出ていない名曲にも,けっこう初見で挑戦した.Full House (Wes Montgomery), Night Lights (Gerry Mulligan), Django (John Lewis)... この前の Garbanzo (Kazuki Shingu) は難曲だった.

トップの写真ではよくわからないが,おなじものを Facebook のメンバー限定「広大ジャズ研クラブ」にアップしました.

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大豆製 fake pork 「肉らしい豆な姑」

2020-02-18 09:45:14 | エトセト等
江田島の,鬼のはりぼて?が看板の島の駅「豆が島」で購入.ここはもともと豆腐屋だそうで,この大豆製肉もどき (大豆ミート) も自家生産かと思ったら,製造元は群馬県みなかみ町上牧の丸久物産であった.

「肉らしい豆な親父」「...豆な姑」「...豆な嫁」の三種類で,それぞれ牛肉・豚肉・鶏肉風.買ったのは姑すなわち豚肉だけ.原材料は脱脂大豆,粉末状大豆たん白,食用植物油脂と表示してある.

一見煎餅風で,ぬるま湯で30分くらい戻してから,水気を絞って使う.
最初に試したのはチーズフォンデュ.パンばかりではつまらないと思って,話の種に添えてみた.歯応えは肉らしいが,味はないあるような,ないような.
メーカーのお勧めは生姜焼きと野菜炒め.確かに醤油・焼肉のタレなど,はっきりした味のもので絡めるのが良いようだ.味を主張しないので,どうにでもなるのがいいところ.トマトソースはいけました.

150g 500円だが,2人だといくら食べても減らない感じ.ネットで買える.
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暗黒星雲ジョーによるベートーベン鑑賞

2020-02-17 08:59:00 | 新音律
F・ホイルのSF「暗黒星雲」では,ジョーこと暗黒星雲=人間より遥かに高い知性を持つ生命体が,人間の芸術に興味を持つ.星雲では音が存在しないとしても,音楽は信号の時間変化を楽しむものに過ぎない,というわけで,こちらからはたまたま手許にあったベートーベンの作品106ピアノソナタ・ ハンマークラビアの録音を符号化して送る.

ジョーの感想「たいへんおもしろい.どうかはじめの部分を30%だけ速さを上げて繰り返していただきたい」
再度の送信に対する応答「前よりよい.たいへんよかった....」

この曲の第1楽章にベートーベンがつけたメトロノーム記号は速過ぎて,普通のピアニストには演奏できない.エドウィン・フィッシャーがこれは間違いと断じたとかで,ふつう指定より遅いテンポで演奏される.録音の3割増が作曲者が思ったテンポだったのだろう.
もしかしたら,ベートーベンは宇宙人?

印税も入るし,こんなことで遊べるのだから,ホイル にとっては小説を書くほうが論文を書くよりずっと楽しかっただろう.

この Youtube はクラウディオ・アラウ1963年の,2分音符138のテンポによるスタジオ録音.同じ奏者によるテンポ105の演奏も Youtube にある. https://youtu.be/WeeR7MzePzQ.

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暗黒星雲

2020-02-16 08:51:26 | 読書

F. ホイル,鈴木敬信訳「暗黒星雲」法政大学出版局 (1970).

原著の出版は1957.日本での出版は1958.その後何度も出版・廃版を繰り返している.ぜひどこかの文庫に入れてもらいたい.

原著とほぼ同時出版ということで,翻訳にも気合が入っている.多少古さを感じさせるところもかえって味わい深い.読んでいて当時の計算機の能力が現在のパソコンに遠く及ばないことを痛感した.パンチカードによる計算機入力の説明が懐かしい.

ホイルは天体物理学者で,「ビッグ・バン」という言葉を初めて使った.ただし彼はBB反対派で,この造語はBB説を揶揄したものらしい.一方のBB派のガモフはトムキンスの諸作でもっと有名だが,小説家としてはホイルの方が本格的と思う.この時代のこの分野の学者には余裕があったんだな.

ブラックホールと間違われそうだが,暗黒星雲は単に光を遮る Black Cloud である.木星ほどの大きさの暗黒星雲が太陽を目指していて,1年あまり先に地球軌道に達すると計算されるときから小説が始まる.もっぱら活躍するのはアメリカではなくイギリスの科学者であるところが,ケンブリッジ大教授・ホイルらしい.

暗黒星雲接近に伴う天変地異に関する記述には,ホイルが知恵を絞ったところと見え,迫力がある.その後ふとしたことから,暗黒星雲に知能があることがわかる.個々人からなる人間社会と異なり,暗黒星雲の意思は一枚岩である.地球上の生物と異なり,有機物でもなく固体でもない,この生物の記述も読みどころである.宇宙生物学や地球外知的生命体探索が地球型生物をもっぱら対象とするのは,いかがなものか?

科学者は暗黒星雲の知性が人類を遥かに凌駕していることを痛感するが,米ソの政治家は水爆弾頭ロケットを星雲に打ち込み,酷い目に遭う...と言っても,ひどい目に遭うのは一般の国民である.英国にはロケットがなく,従ってこの小説狂言をまわす人々は難を免れる.この小説では政治家は徹底的に馬鹿にされていて,気持ちがいい.

科学者が科学にロマンを感じることができた時代の傑作!! と言いたいが,16トンがロマンを感じることができないのは,単に歳のせい?



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エスカレーターは2列で

2020-02-15 09:38:54 | エトセト等

この「エスカレータで歩くな」写真は2018年暮れの東京駅だが,広島駅では一年遅れ?で歩くな表示が目につく.

エスカレータで片側を急ぐ人が歩くのは事故の元らしい.

かてて加えて,東京大学・先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏によれば,利用者が片側だけに立ち,もう一方の片側はまったく利用せず、通常のように1段空けて乗った場合,エスカレーターの輸送量は毎秒0.625人である.両側立ちならば輸送量が毎秒1.25人にまで高まる.さらに無理をして1段も空けない状態で使えば輸送量は一気に毎秒2.5人に増える.ちなみに,混雑時にエスカレーターの乗り口に押し寄せる群衆のペースは最大で毎秒1.4人だそうだ.

私見では「歩くな」という禁止表示ではなく「2列に詰めて乗ろう」という積極表示が効果的と思うが,いかがだろうか.

今朝の「チコちゃん」を見たところでは,片側を空けるのは世界共通,ただし左右どちら側に立つかを,車が道路のどちら側を走るかと比較すると,大阪だけが例外なんだそうだ.

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ふたたび 電子レンジによるコーヒー焙煎

2020-02-14 09:00:00 | エトセト等
以前ここに書いたのと,やり方をちょっと変え,予備加熱している.直火による追加熱はしない.

1回に生豆 50g を処理する.これで4杯分,ふたりで2回分.これを焙烙 (外径 12cm 穴径 6cm) に入れる.

そのまま電子レンジに入れ,レンジ弱250W でまず2分,取り出して焙烙を揺すって豆をかき混ぜ,さらに1分.取り出して豆をかき混ぜる.これが予備加熱.

次に電力をレンジ強500Wに変える(うちのは古い機種で500Wが最大).
まず1分,はぜ音が始まる.取り出して焙烙を揺すって豆の上下を入れ替えるつもりをかき混ぜる.豆は部分的に色づいている.
つぎに 50 秒チンしてから取り出して焙烙を揺すってかき混ぜる.もうもうと煙が出る.
40 秒チンしてから取り出して焙烙を揺すってかき混ぜる.
30 秒チンしてから取り出して焙烙を揺すってかき混ぜる.このへんで色合いを見て,やめるか,もう30秒やるか...好みの深さまで30秒単位で続ける.

以前は焙烙を直火に移して加熱したが,最近では電子レンジだけで完結させている.

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ジャズ・カントリー

2020-02-13 10:29:17 | 読書
ナット・ヘントフ,木島始訳,晶文社. 原著 Nat Hentoff "Jazz Country" の刊行は1964.翻訳の刊行は1969だったが,読んだのは1981版.その後も何度も廃版になっては新しく出版されるということを繰り返している.
 
Amazon 引用の「BOOKS」データベース*****
ぼくはトランペットに夢中。魂をゆさぶるあの響きがたまらない。ミュージシャンになりたいんだ!ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジのジャズメンの世界にとびこんだ白人少年の夢と葛藤をいきいきと描き、「最高の青春小説」と絶賛された話題作。*****
 
アメリカというカントリーではもちろん白人上位だが,ジャズというカントリーは黒人上位...というより黒人だけに閉ざされたカントリーである.このねじれた環境で,ジャズ・トランペットに夢中な高校生が主人公.登場するピアニスト,モーゼ・ゴッドフリーはセロニアス・モンクがモデル,彼が出入りする白人家庭の女性ヴェロニカはニカ夫人がモデル.しかし地の文にはモンクという有名人が登場する.
 
この時代,すでにウェスト・コースト・ジャズは存在していたし,ビル・エヴァンスもスターだったはずだが,彼らは主人公の視野には入っていないようだ.
一般の黒人の地位も,オバマが大統領になったりして,今では変化しているはず.そういう意味では,これはある種の時代小説かな.
 
古くなっていないのは音楽の本質談義かもしれない.しかしそれも青少年向けに単純化されている.著者によるあとがき「ジャズの国に入り込んで」にあるように,男女の性愛,麻薬といった面倒なテーマも,この本は避けて通っている.
そもそも1969年の時点でこの本を読まなかったのは,どうせこどもの本と思ったからだ.今は老境に達しこどもに帰ったので,楽しく読んだ.
 
巻末の「注と参考レコード」が,思ったより時代を感じさせない.この頃すでにジャズは終わりかけていたのだろうか.
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眠り猫

2020-02-12 10:09:13 | お絵かき
CDケースに内側からアクリル絵具.
J 子がお借りしてきた写真から.こういうリラックス状態は飼ってないとなかなか撮影できないかも.
猫をもっと画面いっぱいにして,白はもっと白く,黒はもっと白く描けば良かったと反省.
熊谷守一に似たような絵があると思ったが.違うところも多くて少し安心した.


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江田島へ

2020-02-11 10:37:22 | エトセト等
江田島はエダジマではなくエタシマが正しい.まだ行ったことがない...と思ったので,田本さん・湊さんの親子展をバネに江田島小旅行.展覧会場の学びの館の主屋は8角形だった.展示室は中の写真.
右端の写真は学習室の壁を飾る4枚のタイル.


湊さんは絵本があったりして,多彩にして多才.二紀展には御子息をモデルにした作品を続けて出品しておられる.数年前は幼かったのが,今年の作品ではもう青年だ.
男の子は兵隊にとられるよ,とおばあさんに言われたそうだ.同年輩と思われる16とんの父親が,理工系は兵隊にとられないと言ったので,子どもは理工系に進んだが,良かったような悪かったような.

田本さん...湊さんのお母さんは,われわれと同世代と思うのだが,お会いでなくて残念.作品は書がメインだったが,絵の先生でもいらしたようだ.


近くの西洋館を見物.親子展に展示の画伯の作品「記憶の片鱗」のバックだったんだな...

学芸員さん?のおすすめで,ランチは「海辺の新鮮市場」で刺身オプションつきのカキフライ定食.
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がん消滅の罠

2020-02-10 09:47:52 | 読書
岩木一麻「がん消滅の罠 完全寛解の謎」宝島文庫(2018/1).

単行本は,宝島社(2017/1).刊行当時読みたいと思ったがそのままになっていたのを,図書館で見つけた.テレビドラマ化され2018/4に放映されたそうだ.

Amazon 引用の「BOOK」データベースによれば
*****呼吸器内科の夏目医師は生命保険会社勤務の友人からある指摘を受ける.夏目が余命半年の宣告をした肺腺がん患者が,リビングニーズ特約で生前給付金を受け取った後も生存,病巣も消え去っているという.同様の保険金支払いが続けて起きており,今回で4例目.不審に感じた夏目は同僚の羽島と調査を始める.連続する奇妙ながん消失の謎.。がん治療の世界で何が起こっているのだろうか---*****

がん消滅という医科学小説と,人間ミステリの二面性を持つ小説.

医科学小説面 : 著者はがんセンター,放医研に勤務した経歴がある.
ポナステロンAとかいう化学物質ががんの「自殺装置」として作用することが,がん消滅のトリックとして用いられている.このことが本当なのか,よく知られたことなのか,ウェブをちょっと覗いた程度ではわからない.本当で既知のこととすれば探偵役 (夏目と羽島) がなぜそこに気づかないまま終わってしまったのかが疑問.

がん消滅のトリックは,まくらを含めて3つ書かれている.最後のこの,ポナステロンAに関するトリックだけは難解だが,おおむね がんに関する記述は親切丁寧だった,

人間ミステリの方は,3部構成の最後の第3部で拍車がかかる.ここでいろんなことが起こりすぎ,それが小説の格調を低いものにした感じ.かっての夏目の恩師が黒幕だが,この先生の性格が首尾一貫していないように思った.最後の1行には面食らったが,伏線は張ってあるのだった.
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